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連載Cocotame Series

アーティスト・プロファイル

これから始まるシンガー・柏木ひなたの第2章【後編】

2023.06.29

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気鋭のアーティストの実像に迫る連載企画「アーティスト・プロファイル」。

今回クローズアップするのは、昨年12月にアイドルグループ・私立恵比寿中学を卒業し、6月28日にソロデビューを果たした柏木ひなた。グループ在籍時から歌唱力の高さに定評があった彼女がソロシンガーになるまでの経緯と、これからのビジョンを聞く。

後編では、ソロデビュー曲「From Bow To Toe」に込めた想いや、ソロシンガーとしての覚悟を語る。

柏木ひなたプロフィール画像

柏木ひなた Kashiwagi Hinata

1999年3月29日生まれ。千葉県出身。血液型B型。2010年から2022年まで、私立恵比寿中学のメンバーとして活動。2020年に、テレビ朝日系『関ジャム 完全燃SHOW』で“令和アイドル界スゴいボーカリスト10人”に選出されるなど、歌唱力やダンスの実力に定評がある。ソロとしては、私立恵比寿中学在籍時に全国主要都市ワンマンツアーを2回成功させている。24歳になった2023年3月末より、ソロシンガーとして本格的に始動。6月28日、ソロデビュー曲となる「From Bow To Toe」をリリース。

歌が好きな気持ちが大事

柏木ひなた画像1

前編からつづく)柏木ひなたは、2022年12月17日に開催された新体制による初公演『私立恵比寿中学 New style 大学芸会~run in our ebichu family~』をオンラインで見届け、ソロアーティストデビューへの準備をスタートさせた。

「準備期間は多くいただいていたので、最初のころは普通にお休みみたいな感じでした(笑)。でも、とにかく、また皆さんに歌を届けられるっていう喜びがすごく大きかったので、やっぱり気合いが入りましたよね。自分のなかでの第2章の始まりみたいなところはあるので、楽しみが大きかったです」

第2章の幕開けに際し、柏木自身はどんなことを考え、どんなアーティスト像を思い描いていたのだろうか。

「私、一生歌っていられるんですよね。そこは、エビ中に加入したころから変わってなくて。外を歩いているときもいつの間にか歌ってるし、どこでも歌っちゃうんで、自分でもびっくりしますもん(笑)。だから、まずは、好きな気持ちって大事なんだなってことを再認識しましたね。

私が今までステージに対して真摯に向き合ってきたことは、今まで見てくれていたファンの人ならきっとわかってくれている。ソロアーティストとして最初に思ったのは、そんなファンの方たちにちゃんと歌で恩返しをしたいっていうこと。ずっと応援してきてくれた方々に感謝を伝えたいなと思いました。

楽曲に関しては、エビ中ではジャンルが幅広すぎて、何でもやってきちゃってたんですけど、ソロデビュー第1弾は、楽しく盛り上がる楽曲のほうが良いなと思って、この曲を選ばせてもらいました」

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6月28日にデジタルシングルとしてリリースされたデビュー曲「From Bow To Toe」は、ショウの始まりを思わせる明るく華やかなダンスポップとなっており、歌詞にはファンに向けたメッセージが込められている。

「“これから はじまる ゲーム”という歌い出しには、柏木ひなたの第2章の始まりっていう想いを込めています。あとは、みんなにまた応援していただければなっていう気持ちがあるので、この曲を聴いて、『またちょっとひなたのことを追っかけてみようかな』とか、『また応援してみようかな』って、改めて思ってもらえればうれしいですね。それに、ファンへの感謝とか、これからに期待してほしいっていうことを歌詞のなかに全部詰め込んでいます」

サビは“大大だい好き みんなが”と柏木にしては珍しく、直接的な愛の言葉で締め括られている。私立恵比寿中学時代は「みんな、最高」という表現をすることが多かった彼女に、何か心境の変化はあったのだろうか。

「私、『大好き』ってファンの人にあんまり言ったことないんですけど、歌だったら伝えられるって思って。歌詞だと素直に歌えるんですよ。言葉にするのはずっと恥ずかしかったんですね。直接みんなに言えるアイドルさんって本当にすごいなって尊敬します。なので、こうやって歌に込めて伝えられることが一番うれしいですね。ずっと自分が思ってても、なかなか口に出して言えなかったことを歌詞にしていただけたことがありがたかったです」

全部自分で歌ってる(笑)!

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ソロのアーティストして第一歩を踏み出した喜びと応援してくれる人への感謝、そして、歌うことの楽しさが詰まった歌声には一切の迷いはない。真っ直ぐに前を見つめ、これから始まる未来への期待に満ちた歌声には、彼女が私立恵比寿中学で12年間という時間をかけて獲得した強い自信と経験が宿っているように感じる。

「レコーディングに関してはあんまり緊張することなく、普段通り、リラックスしてやれたかなって思います。こういう曲調と歌詞なので、声から出る楽しさとか、みんながついてきたくなるような強さも必要かなって思って、そこは声にうまく乗せられたと思いますね。

ただ、完成したものを聴いてまず思ったのは『全部自分で歌ってる!』ってこと(笑)。全部私だから恥ずかしくて恥ずかしくて仕方なかったし、同時にすごく新鮮でした。グループ時代は、ソロ曲でも録ったら終わりで、出来上がりまでお楽しみにっていう感じだったんです。でも今回は、録ってすぐに流してもらって、通して聴いた上で、もう1回歌うってことを納得いくまで繰り返して。ひとりだとこんなふうにやるんだって新鮮だったし、コーラスもフェイクも全部ひとりでやって。ソロって大変なんだなって感じましたね……すごく他人事みたいな言い方ですけど(笑)」

ミュージックビデオ(以下、MV)では、歌唱力と同じくらい、彼女の代名詞ともなっている本格的なダンスも披露している。

柏木ひなた - From Bow To Toe [Official Music Video]

「楽しくカラフルで、自分らしさがすごく出てるかなと思います。久々にダンスもガチガチに踊りました。女性らしさがあるなかでもカッコ良さがほしいっていうのを、コレオグラファーの方に伝えて、振りを作っていただいて。アイドルっぽくないダンスなので、振り入れのときは全然頭に入らなくて、寝て起きて、次の日にやっと、こんなダンスしてたんだって理解できた感じでした。自分がエビ中に入る前にやっていたダンスのことを思い出したし、MVではダンサーさんもいらっしゃったので、負けないようにちゃんと頑張らなきゃと思って。

あと、これまでは片手でマイクをもって、片手で踊ってたので、両手で踊るっていうのも久々だったんですね。だから、本当に全部ですよね。振りもそうだし、歌もそうだし、楽曲全体を通して、自分の気持ちが込められてるかなって思います」

楽曲、歌詞、ダンス、映像のすべてに自分の意思を込めた、ソロシンガーとしてのデビューシングルに、彼女は「From Bow To Toe」というタイトルをつけた。

「頭からつまさきまでという意味で、私が全身で音楽を皆さんに届けるから、皆さんも全身で音楽を感じてほしいっていう意味でつけました。ライブだと、実際に動いているので“全身”感は伝わりやすいんですけど、耳からでも自分の全身が見えて、皆さんの頭のなかに柏木ひなたが歌って踊ってる姿が浮かんでくれたら良いなと思ってます。

今回は本当に曲を選ぶところから始まって、ダンスに関しても、自分でイメージを伝えて作っていただいて。すべてが初めてだったので、自分でもどこまでやって良いのかなって、まだ探り探りではあります。全部言って良いんですよって言われるんですけど、それがなかなか難しいんですよね。グループのなかでは結構、意見を言ってたほうだと思っていたけど、ひとりになって改めて、あんまり言ってなかったってことに気付きました。そこはまたひとりになって勉強したところでもありますね。

でも、こうやって楽曲ができて、MVも撮って、ソロとしての音楽活動が新しく始まるんだなってことが実感できてきました。多少ドキドキはするんですけど、今はワクワクのほうが大きいですね」

唯一無二でいられれば一番良い

柏木ひなた画像4

グループからの通算だとキャリアは既に13年目となるが、年齢はまだ24歳。無限の可能性を秘めた未来に向かって、これからどんなアーティストになっていくのだろうか。

「本当にどうしましょう(笑)。私、幼稚園の卒園アルバムに『プリキュアになりたい』って書いたぐらいで、幼少期も何になりたいとかっていう憧れが一切なかったんですよ。それから何の夢もなく、私は何になるんだろうっていう日々を小学校で過ごしてきて。でも、小学4年生のときに安室奈美恵さんを見て、“歌って踊れる人になりたい”っていう夢を初めて持ったんですよね。

好きなものがちゃんとあれば、それに対して自分は頑張れるし、努力できる。でも、その努力や苦労は絶対に見せたくないんです。努力をするというのは、好きなことをやらせていただけることに対して当たり前のことだから。

どれだけ自分が何も見せずに、好きなことをやって、皆さんにどうやってお届けできるかっていうことを、改めてここから考えていきたいです。グループのときとソロとでは別物になってくるとは思うんですけど、それでも、私自身のこのスタンスはあんまり変えたくないなとは思っています。

で、どういうアーティストになりたいか? ですよね。なんて答えようかってずっと考えてるんですけど、私は普段の自分と歌って踊ってるときの自分にギャップがすごくあると思うんですね。だから、あんなふにゃふにゃしたMCになっちゃうんですけど、たぶん今後は、ひとりになることでそういう素のところがどんどんバレていくんだろうなって思う。そのギャップを見てもらえたら面白いかなと思いますね。

具体的な目標は、あんまり自分のなかで決めちゃうと、絶対それにならなきゃいけないって気持ちになっちゃうから、昔からあんまり目標は立てたくなくて。そのときの気持ちで行動したいっていうか、唯一無二でいられれば、一番良いかなって思ってます」

提供してもらった楽曲をパート分けして歌うアイドルグループ時代よりは、自分自身をさらけ出す度合いが高くなることに対する覚悟もできているようだ。

「自分でもどれが素なのかあんまりよくわかってないんですけど(笑)。ただ、アイドルのときとは違う面や新しい面をみんなのなかに増やしていけたら良いなとは思っているので、素を見せることも何も問題はないですし、私も殻を破っていけたら良いなと思います」

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そして、アイドル界で随一と称されるほど歌唱力に定評のある彼女だからこそ、ソロシンガーとしての成功を期待せずにはいられない。

「実は、『売れてやる!』という気持ちは結構大きいんですよ(笑)。アーティストにはアイドル以上に求められることもたくさんあるんだろうけど、そこは柔軟に対応していけたら良いなと思います」

最後にもう一度、目標を立てないという彼女に、秘めている目標はないかとしつこく聞いてみた。歌う以外の表現に挑戦する可能性はないのだろうか。

「自分のなかでの第一優先は音楽です。ほかは絶対にやりたくないっていうわけではないんですけど、優先的に音楽をやっていきたいっていう感じですね。だから、まずは音楽で、いつか作詞作曲までできれば良いなとは考えています。

ただ、日本語が本当に下手くそっていうか、語彙力が乏しいので、まずは言葉の勉強から始めないといけない(笑)。今回は人の力をお借りして、自分の気持ちを書いていただいたんですけど、いつかは自分で自分の気持ちを書けるようになりたいなと思いますね。いつか、いつか……何年後でも良いので、いつか1曲、自分で作れるように頑張ります。

でも今は何よりやりたいのはライブですね。そのためにはどんどんソロの曲を制作していかなきゃいけない。その過程もすごく楽しくて大好きなので、ライブをするっていうのが一番近い目標ですね」

文・取材:永堀アツオ
撮影:荻原大志

リリース情報

柏木ひなた「From Bow To Toe」ジャケット写真

「From Bow To Toe」
配信中
試聴・購入はこちら(新しいタブで開く)

 
「ここから。」
7月12日(水)配信リリース
詳細はこちら(新しいタブで開く)

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