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連載Cocotame Series

アーティスト・プロファイル

バズりたいから売れたいへと進化するasmiの「気流に乗っている」今【前編】

2023.07.24

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気鋭のアーティストの実像に迫る連載企画「アーティスト・プロファイル」。

今回登場するのは、自身の楽曲だけでなく、MAISONdesをはじめ、数々の楽曲へのフィーチャリングボーカリストとしての参加で“SNSで最も使われる歌声”の異名を持つasmi。放送中のTVアニメ『ポケットモンスター』オープニングテーマ「ドキメキダイアリー」も話題だ。そんな彼女の、ポップアイコンとしてのイメージとは違う、22歳の等身大の素顔がうかがえるインタビューをお届けする。

前半では、音楽の道を志したきっかけや、アーティストとして目指すところが明確になった直近の想いを語る。

asmiプロフィール画像

asmi(アスミ)

大阪府出身、在住の22歳、シンガーソングライター。2019年10月に初の楽曲「osanpo」を配信リリース。2020年9月、1stアルバム『bond』をリリースし、CDショップ大賞2021年関西ブロック賞を受賞。2020年から2023年の間に、コラボレーションやフィーチャリングボーカリストとして起用された楽曲は25曲以上。TVアニメ『ポケットモンスター』オープニングテーマ「ドキメキダイアリー」(asmi feat. Chinozo)発売中。TVアニメ『デキる猫は今日も憂鬱』のエンディングテーマに起用されている新曲「破壊前夜のこと」が配信中。

将来の夢、じゃあ、歌にする!

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2021年に、“TikTok流行語大賞 ミュージック部門賞”を受賞した、MAISONdes「ヨワネハキ feat.和ぬか,asmi」や、昨年“TikTok2022上半期トレンド チャレンジ部門賞”を受賞した「PAKU」が大ヒットし、“SNSで最も使われる歌声”として一躍時の人となったasmi。

今春は、ボカロPのChinozoと組んだスペシャルユニット、asmi feat. Chinozoとして、人気TVアニメ『ポケットモンスター』のオープニングテーマ「ドキメキダイアリー」を担当。5月から6月にかけては全国18カ所のショッピングモールにて、『asmi special live tour「Nice to meet you!」~ご挨拶回り編~』と題したミニライブとサイン会を行なった。

「ショッピングモールツアーでは、『ポケモン』のオープニングを歌ってるんだっていう手応えを感じましたね。ほんとにたくさんの子どもたちが遊びに来てくれて、それぞれが自分の好きなポケモンのぬいぐるみを掲げながら熱い視線を送ってくれました。さらに、お子さまだけじゃなく、私と年が近そうな人や、そうじゃない人もいて、本当に幅広い年齢層の人に観ていただけたなと感じています。

私が音楽活動を始めたときがちょうどコロナ禍だったので、これまでは私のほうから会いに行くことができなかったんですよ。だからこそ、2023年は私からみんなに会いに行きたいなと思っていたし、いま、本当にたくさんの方にお会いできるのが、めっちゃうれしくて。確実に前よりも応援してくださる方の数が増えてきているなというのを実感しています」

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大阪出身で、現在も大阪在住である22歳のシンガーソングライター・asmi。彼女が、現在の活躍ぶりに繋がる音楽活動をスタートさせたのは、高校を卒業した2019年の春だった。

「高校3年生で進路を決めないとあかんってなって……。でも、将来の夢が特になかったので、夢を探すために、とりあえず大学に行こうかなと考えてました。それで、指定校推薦がほとんど決まりかけていた高3の秋に、音楽の専門学校が主催する高校生を対象にしたライブイベントに出させてもらう機会があって。

そこで歌ったときに、その専門学校の先生から『声が良いから、絶対に歌ったほうが良いよ』って言ってもらったんです。そのタイミングで、『じゃあ、私、歌いたい』って、やっと素直になれたというか。将来の夢、じゃあ、歌にする! ってコロっと切り替わったんです(笑)。推薦入学の手続きを進めてくれていた高校の進路指導室に謝りに行ったり、いろんな人に迷惑をかけてしまったんですけど、そのときに、“私は音楽の専門学校に行って、歌の道を目指す”って決めました」

高校では軽音楽部に所属し、バンドのボーカルを務めていたそうだが、自身の音楽的ルーツに関しては曖昧なのだと言う。

「本当は、『私のルーツは誰々です』ってカッコ良いことを言いたいんですけど(笑)、特に思い当たる人がいないんですよね。はっきりとしたルーツがないことをちょっとコンプレックスに感じていた時期もありました。でも、もちろん、好きなアーティストはずっとたくさんいました。4つ上の姉も歌うことが好きで、物心ついたころからいろんな曲を聴いていたので、影響されたと思います。

自分ではっきりと、『歌ってステキだな』って気付いたのは、小学校のとき。YouTubeにカバー動画を投稿していたシンガーソングライターのユニット、Goose Houseさんに出会ったときです。毎週配信を楽しみにして見てるぐらい、ずっと好きでした。それから、back numberさんやaikoさん、シンガーソングライターの片平里菜さんとか、いろんな人を好きになって。中学のときには、SHISHAMOさんを知って、大好きになりました。SHISHAMOさんが高校の軽音楽部でバンドを組んだってことを知っていたので、軽音楽部がある高校を選んだんですよね。それで軽音楽部に入って、SHISHAMOさんやチャットモンチーさんのコピーをよくやってましたね。そのころはまだオリジナル曲は作ってなかったんです」

自分の曲が知られていくのがうれしい

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高校卒業後、音楽の専門学校に進学したasmiは、2019年7月からアコギ弾き語りのシンガーソングライターとして活動を始め、同年10月にオリジナル曲「osanpo」を配信リリース。翌年3月に出場した関西最大の十代才能発掘プロジェクト“十代白書”でグランプリを獲得した。その後、SCANDALやRin音、クボタカイといったアーティストが所属する音楽マネジメント事務所・ROOFTOPへの所属が決まり、同年12月2日に自身が作詞作曲を手掛けた「memory」を配信リリース。“会いたいの電話許されますか?”のフレーズがTikTokで瞬く間に注目を浴びることとなった。

「自分の曲が広まっていくっていう感覚が初めてだったんですよ。有名な芸能人の方がいっぱい聴いてくださってるっていうのをSNSに載せてくれたりして。最初は『すごっっ』って思うだけだったんですけど(笑)、自分の曲が知られていくってこんなにステキでうれしいことなんやって、そのときに知りました」

それからたった半年後の2021年5月。和ぬかとともに参加したMASIONdes「ヨワネハキ」の累計再生回数が1億回を突破。TikTokでの総動画投稿数は、国内では当時過去最高とも言われていた200万本を超え、“2021年に最もTikTokで使われた楽曲”となり、大袈裟ではなく、社会現象を巻き起こした。

【102】[feat. 和ぬか, asmi] ヨワネハキ / MAISONdes

「いや~、すごかったですね、あはははは。ちょっと他人事みたいですけど、『ヨワネハキ』がバズったときは、なかなか実感が湧かなかったんですよ。でも、ある日、リリースから結構経ったころ、コンビニに行ったら『ヨワネハキ』が流れてきて。そのときに、『こんなにすごいんか』って、本当の意味で初めて気付いたんですね。家族もめっちゃ喜んでくれたので、みんなに少しずつ恩返しができたかなと。自分のなかで自信も少しずつついてきて、好きになってくれる人が増えるということがめちゃくちゃうれしいことだなと思えるようになりました」

さらに、2022年3月にリリースした配信シングル「PAKU」でもTikTokで32億回再生を記録した。やがて、音楽を“聴く”、ライブを“観る”、カラオケで“歌う”という既存の範疇には収まらない、SNSで最も“使われる”歌声と称されるようになった。

「私の場合は、使ってもらえるのはうれしいことです。BGMってことやと思ってるんですけど、それってみんなの生活に溶け込めるってことやし。ただ、もうちょっと言うと、BGMだけじゃなく、みんなの主題歌になってほしいという想いもあります。最初に注目してもらった『ヨワネハキ』はMAISONdesの曲でfeaturing asmiだったので、自分名義の曲でいつか絶対ヒットをまず出すぞ! っていうイメージをずっと持ってました。だから、asmiとしては『PAKU』が初めての大ヒットだったと思うので、本当に良かったです。

でも、正直言うと……当時も今もあんまり焦ってなかったっていうか、バズらないといけないという気持ちはなかったんですよ。もちろん本当にありがたくは思ってるんですけど、『バズりたい』じゃなくて、いつかちゃんと売れたいっていう気持ちのほうが強かったです」

20代のうちに京セラドームでライブしたい

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asmiのチャーミングで愛らしい歌声と正確なピッチ感が世間に広まるにつれて、さまざまなアーティストに評価され、フィーチャリングボーカルとしてのオファーも急増。アニメ『うる星やつら』のオープニングテーマで、すりぃとともに参加したMAISONdes「アイワナムチュー」や、「なにをやってもうまくいかない」のmeiyoなどの歌い手だけでなく、神はサイコロを振らないやMrs. GREEN APPLE、wacciといったバンドの楽曲にも参加して、ライブへの出演も果たしている。そんな彼女が言う「売れたい」の具体的な中身を考えるようになったのは、つい最近だという。

「ずっとふんわりしてたというか、ぼんやりしてたというか、ただ、今を一生懸命やっていこうって思ってたんですけど。自分でちゃんと、これからのことをイメージしたのは去年の秋ぐらいでした。

私、右手の手相の生命線がブチッと切れてるところがあって。ちょうど1年前ぐらいに、手相を見れるスタッフさんに出会って、『あなたは将来のイメージがあんまりないでしょう』って言われて。『紙に書いて決めたり、意識を変えていったほうが良いよ』って言われたんです。それで初めて自分の未来に対して向き合うことができて、ちゃんと考え始めました。ただ、やっぱり私のふんわりした性格はすぐには直らなくて。紙にちゃんと書くまでは、そこからさらに半年くらいかかったんですけど(笑)」

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自身のシンガーソングライターとしての未来像を紙に書き出して明確にしたのは、活動を始めてから3年半後となる2022年12月ということになる。

「そのタイミングで、マネージャーを含めたスタッフチームと、来年どういうふうにやっていこうかみたいな話をしたんです。その直後に、『今やったら書ける!』と思って、書いた覚えがあります。明確に“ライブをする”って、ライブのイメージを書きました。どんなツアーを、どのくらいのキャパの会場でやっていくか。目標を明確に書くってなったときに、ライブしかイメージが湧かなかったんです。で、最終目標、一番大きな目標を定めようってなったときに、どうしようって考えた結果決めたのが、京セラドームでした。

自分が大阪出身なので、今まで見たことのある屋内のライブ会場で一番大きいのが京セラドームだったんですよね。小学生で関ジャニ∞さんを観に行ったときに、最大級のライブエンタテインメントだっていうイメージがあったので、すぐにそれしかないと思って。そのときは、誰も笑いはしなかったですけど、やっぱちょっと大きいねっていう感じではありました。

でも、私は一番大きな目標として、“20代のうちに京セラドームでライブをしたい”っていう夢を明確に掲げることにしています。少しずつでも現実味が出てくるように頑張りたいし、そしたら手相の線もちょっと浮き出てきたんですよ(笑)。紙に書くことで意識も変わってきたし、本当に少しずつ変わってきていますね」

後編へつづく

文・取材:永堀アツオ
撮影:荻原大志

リリース情報

「ドキメキダイアリー」通常盤ジャケット写真

「ドキメキダイアリー」
発売中
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ライブ情報

asmi special live 『Wonder Closet』キービジュアル

『asmi special live 「Wonder Closet」』
11月23日(木・祝) 東京都・LINE CUBE SHIBUYA
11月26日(日) 大阪府・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

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