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連載Cocotame Series

エンタメビジネスのタネ

4人組ボーカルグループ・K4の成熟した魅力と“ADULT K-POP”の可能性をスタッフが語る【後編】

2023.10.18

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最初は小さなタネが、やがて大樹に育つ――。ソニーミュージックグループを中心に、新たなエンタテインメントビジネスに挑戦する人たちにスポットを当てる連載企画。

今回取り上げるのは、10月18日(水)にミニアルバム『K4YOU ~K for you~』で国内プレデビューを果たした“ADULT K-POP”ボーカルグループ・K4。それぞれがさまざまなキャリアを経て、セカンドチャンスを掴まんとする韓国国内のオーディション番組で結成された4人組だ。

現地では韓国演歌とも呼ばれる「トロット」の歌い手としてデビューした彼らだが、日本では“すべてのジャンルを超えた大人も楽しめるK-POP「ADULT K-POP」”をコンセプトに、本国とは違った切り口で活動を行なっていく。その背景には、どんな思いやビジョンがあるのだろうか? プロジェクトを主導するふたりのスタッフにK4の魅力を聞くとともに、日本のエンタテインメント市場における“ADULT K-POP”という新ジャンルのビジネスチャンスについて語ってもらった。

後編では、韓国のエンタテインメント事情、K4メンバーそれぞれの魅力について紐といていく。

  • 髙木直樹プロフィール画像

    髙木直樹

    Takaki Naoki

    ソニー・ミュージックレーベルズ

  • 小野裕司プロフィール画像

    小野裕司

    Ono Yuji

    ソニー・ミュージックレーベルズ

アーティスト活動のキーワードは“ドラマ”

──(前編からつづく)K4は韓国でメジャーデビューしていますが、日本ではいちから活動していくグループです。どのように人気を拡大していきたいと考えていますか?

小野:彼らはもともとアイドルやソロの歌手、ミュージカル俳優として活動し、セカンドキャリアとしてK4のメンバーになりました。30歳以上のメンバーが集まっていることもあって、“ADULT K-POP”という言葉はK4を体現できていると思います。10月18日にリリースしたミニアルバムでは韓国ドラマのOST曲のカバーを披露していますが、まずはシンプルに歌の上手さを伝え、成熟した彼らの魅力を感じていただきたいと考えています。その先でどのような曲を歌っていくかは、大体の方向性が見えてきて、今、まさに制作内容やスケジュールを詰めているところです。

私は洋楽の宣伝を長らく担当していたのですが、本国よりも日本で人気が先行するアーティストを“Big in Japan”と言ったりします。K4もポジティブな意味での“Big in Japan”にできたらうれしいですね。

小野画像1

──メンバーの皆さんは、日本に対する親近感を持っていますか。

小野:プレデビュー前にも一度来日してもらっていて、そこには日本を知ってほしい、好きになってほしいという狙いもありました。実際すごくシンパシーを感じてくれて、「日本で一番愛される韓国人歌手になりたい」とも話しています。

──今後のロードマップ、彼らの活動方針について教えてください。

小野:“ドラマ”がひとつのキーワードになると思っています。プレデビューのミニアルバム『K4YOU ~K for you~』では韓国ドラマのOSTを歌っていますし、プロデューサーのオ・ジュンソン氏は韓ドラOSTの名匠。韓国でのデビュー曲もラテン調でドラマティックです。

これはまだ検討中の案ですが、日本のドラマ主題歌をカバーするというアイデアもあります。また、韓国に寄り添うという意味では、韓国で人気のある日本の曲を日本語で歌うことにもトライしてほしいと考えています。その上で、ただ単純に日本語曲にトライするのではなく、日本と韓国とを繋ぐ必然性のある選曲にはこだわりたいですね。その点で、発売した『K4YOU ~K for you~』には、韓国ドラマの主題歌にカバー曲が起用されて大ヒットした中島美嘉さんの不朽の名曲「雪の華」の韓国語バージョンを収録していますが、この上なく必然性のある最適な1曲でした。

最初は0人だったお客さんがどんどん増えていき、彼ら自身が韓国ドラマのOST、さらには日本のドラマのオリジナル主題歌を歌えるようになったら最高ですよね。多くの皆さんとそんな物語、“ドラマ”を作っていきたいです。

──プロモーションの施策もいろいろと検討されていると思います。どのようなアプローチを考えていますか?

小野:“会える韓国グループ”を実践していきます。プレデビューとしてミニアルバムを携え、インストアライブなどで日本の皆さんに「はじめまして」とご挨拶をする。あとはやはり歌力が彼らのセールスポイントですから、できるだけ多くの方に声が届くオープンエアの会場を中心に回っていきたいですね。

加えて、都内に滞在中はYouTubeの撮影も含めて、ストリートライブも行ないたいと考えています。9月から2カ月半ほど日本に滞在しているので、“ファンを作る”を最初のテーマに、少しずつ認知度を高めていきたいです。

先日の来日の際は、メンバーたちが釜山港から博多港に入りました。数多いるK-POPアーティストのなかでも、船で来日するのは珍しいんじゃないでしょうか。韓国の方たちにとっても、福岡は日本の玄関としてお馴染み。福岡を出発点にして全国をめぐるストーリー、どんなものになるのか楽しみです。

──メインターゲットは、やはり『冬のソナタ』世代の方たちでしょうか。

髙木:ミニアルバムの収録曲は、『主君の太陽』『花より男子』など『冬のソナタ』からつづく、その世代の方たちなら思わず反応してしまう人気の高い韓ドラOSTです。特に韓国のバラードは普遍的な魅力があるので、ドラマを知らない方たちにもぜひ聴いていただきたいですね。老若男女問わず、K4の音楽はどんな方もオールウェルカムです(笑)。

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小野:プロモーションとしては、先日スポーツ紙で“『冬のソナタ』から20年、今新たに歌い継ぐグループ”として、『冬のソナタ』のロケ地である韓国の南怡島でK4の写真撮影をしてきました。まずは少しずつ認知を高め、そこから活動をスタートさせていければと。とにかく歌を聴いていただければ魅力が伝わるという確信があるので、その場をどれだけ作っていけるかが私たちの役割だと思っています。

歌声はもちろんですが、ライブではメンバー同士が目を合わせて音をとる関係性に萌える人も出てくるだろうなと思います。目を合わせるのは、ミュージシャンシップ的な意味合いもあるのですが、彼らはオーディションから結成されたグループで、いわば同じ釜の飯を食った仲間。リアルでもすごく仲が良いんですよね。

大人の魅力を歌で伝える“ADULT K-POP”

──改めてですが“ADULT K-POP”というコンセプトも、あるようでなかった上に、その意図が明確に伝わってくるものだと感じました。日本では、ベテランのボーカルグループが成功を収めている例が複数ありますし、K4もそこにつづく可能性があるのではないかと思います。

小野:おっしゃる通り、大人の魅力を歌で伝えるという点では、キャリアは足元にも及びませんが、例えば日本では純烈の皆さん、海外ではイル・ディーヴォなどをイメージされるかもしれません。先日ラジオに出演した際には「韓国のイル・ディーヴォ」、スポーツ紙では「韓国の純烈」と紹介していただきました。

レガシープラスACレーベルとしては、韓国カルチャー好きはもちろん、こうしたアーティストや本格派のボーカルグループがお好きな方々にもアプローチしていきたいですね。K4のボーカル力があれば、そういったファン層にも届くと思います。

加えて、私はゴスペラーズの宣伝に関わっていたこともあるのですが、そのとき彼らが「ゴスペラーズはコーラスグループじゃない。ボーカルグループなんです」と語っていて、それが今でも印象に残っているんですね。

確かに、調和を重視するコーラスグループと違い、ゴスペラーズは5人の個性的なボーカリストが、それぞれの声の魅力を最大限にいかし、ひとつの楽曲を紡ぎ上げていくところに魅力があるんですね。その言葉が僕のなかに残っていて、K4の活動においてもひとつの指針になっています。

ハイトーンボイスからオペラ調まで、持ち味が異なる歌声

──それでは改めて、小野さんからK4メンバーのそれぞれの魅力を紹介してください。

小野:リーダーのキム・ヒョンミンは、最年長の43歳。ほかのメンバーより一世代上なので、年下のメンバーに合わせつつも、大事なときはグループを引き締めてくれる存在です。ボーカルトレーナーの経験もあり、こんなに高い声が出る男性は珍しいというくらいのハイトーンボイスが魅力です。好きなジャンルはロックバラードで、趣味を聞いても「僕は歌だけです」と答えるタイプ。その生真面目さ、一途さから“歌で生きていきたい”という覚悟を感じます。

キム・ヒョンミン アーティスト写真

キム・ヒョンミン

35歳のオ・ジュジュは、9頭身級の現役モデルです。顔が小さくて、ビジュアルでも特に人気が出そうな予感があります。彼らが発掘されたオーディション番組『ハロートロット』ではグランプリに輝きました。普段はとてもシャイなのですが、本番になると立ち居振る舞いやしぐさで人を魅了するところがあり、ハッとさせられます。セクシーさもありますが、いっぽうでまだあどけなさが残っているようにも感じますね。その点でもファンの心を射抜くと思います。

オ・ジュジュ アーティスト写真

オ・ジュジュ

リュ・フィリップは、34歳でジェントルマンです。先日、屋外で取材と撮影を行なっていたのですが、記者にすっと日傘を差し出せる気配りができるタイプです。そういう振る舞いがスマートなんですよね。アメリカ出身で英語も堪能ですし、日本語も今、頑張って勉強しています。もともとアイドルとしてデビューしていて、韓国で活躍している17歳年上の歌手、ミナさんと結婚していることでも有名です。コーラスワークのリハーサルでは、このフィリップが中心にディレクションをしています。

リュ・フィリップ アーティスト写真

リュ・フィリップ

チョ・ジュンは、最年少の30歳。ソウル大学出身で秀才肌、メンバー内では日本語が一番話せます。インタビューなどでも爪痕を残そうとして、「私にもっと聞いてもらえますか?」とグイグイ行くところもガッツがあって良いです。そして、そういう欲しがりなところが弟っぽくてかわいいです(笑)。あと、スキンケアのお手本になるんじゃないかというくらい、肌がキレイなので、その点もご注目ください。音楽面では、オペラのような発声が得意なので、彼の存在が、ほかのグループとの差別化にもつながっています。

チョ・ジュン アーティスト写真

チョ・ジュン

あと、我々の健康を気遣ってくれたり、すぐに荷物を持つのを手伝ってくれたり、全員とても優しいです。好きな音楽ジャンルも違いますし、歌声にも個性があるので、いずれはそれぞれの持ち味をいかしたソロ曲もお聴かせする日が来るかもしれません。

──国内で多数のベテランアーティストに携わり、韓国カルチャーにも詳しい髙木さんから見たK4の魅力は?

髙木:小野さんを中心にいろいろなスタッフを巻き込んでいますが、みんな「K4を売りたい。もっと頑張りたい」と一生懸命になっています。そう思わせるのも、K4というグループにそれだけの求心力があるからです。彼らの歌が素晴らしいからスタッフも集まってきますし、若手も含めて「次はこんなことをやろう」と盛り上がるんですよね。人を惹きつける力、歌力は彼らの最大の魅力ですし、日本デビューが決まって良かったなと思います。

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──日本では、10月18日にミニアルバム『K4YOU ~K for you~』がリリースされ、ついに第一歩を踏み出しました。今後の活動において、どんなことを大切にしていきたいですか?

小野:繰り返しになってしまいますが、やはり韓国カルチャーがお好きな方に“寄り添う”ことがテーマです。

髙木:そのためには、まず彼らの生の歌を届けることが出発点です。インストアイベントからラジオ各局、各地のイベントまで、規模を問わず全国に歌を聴いていただく場を仕込んでいるところです。

小野:K4というグループ名にかけた施策ですが、Kのつく街をたくさん訪れたいですね。川崎、蒲田、錦糸町、歌舞伎町……。最初は「韓国の4人組でK4とはシンプルなネーミングだな」と思っていましたが、シンプルだからこそいろいろなものをひっかけて展開できるんですよね。

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とにかく彼らの歌を届けたいので、ぜひ近くにK4が来たときは、その歌声を聴きにきていただきたいです。韓国語の語感を含め、きっと何か感じるものがあると思います。ぜひ一緒にドラマを紡がせてください。

文・取材:野本由起
撮影:干川 修

リリース情報

K4『K4YOU~K for you~』ジャケット画像
K4YOU ~K for you~
発売日:10月18日(水)
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関連サイト

K4 日本オフィシャルサイト
https://www.110107.com/K4(新しいタブで開く)
 
K4 日本オフィシャルYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@K4japanofficial(新しいタブで開く)
 
K4 Japan Official X(旧Twitter)
https://twitter.com/K4JapanOfficial(新しいタブで開く)

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