イメージ画像
イメージ画像
連載Cocotame Series

Love Say you -恋するVoice-

ペイトン尚未:憧れを胸に、夢を咲かせる声優【前編】

2023.10.31

  • Twitterでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • Facebookでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • LINEでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • はてなブックマークでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • Pocketでこのページをシェアする(新しいタブで開く)

ソニーミュージックグループ所属の声優をクローズアップする連載「Love Say you -恋するVoice-」。インタビューにて彼らの言葉、写真で姿、そして録り下ろしのオリジナルメッセージでその声をお届けする。

連載2回目に登場するのは、TVアニメ『ラブライブ!スーパースター‼』の平安名すみれ役で注目を集め、ドームクラスのライブステージをファンで埋め尽くす劇中スクールアイドルグループ・Liella!(リエラ)の一員としても活躍する声優・ペイトン尚未。今年3月にはソロアーティストとしての音楽活動もスタートし、11月3日に2ndシングル「Nemesis」をリリースする。そんな彼女のこれまでの道のりと“今”に迫る。

前編では、芸能活動を始めるきっかけと、声優としてデビューするまでの経緯を語る。

ペイトン尚未プロフィール写真

ペイトン尚未 Payton Naomi

2003年7月1日生まれ。身長158㎝。特技・趣味:チアダンス(全国2位)、歌、アニメ鑑賞。2021年よりTVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』で、劇中スクールアイドルグループ・Liella!の平安名すみれ役を務める。音楽活動では、2023年3月1日に1stシングル「魔法」、11月3日に2ndシングル「Nemesis」をリリースする。

本気でプリキュアになりたい! と思っていた

聴く人に元気を与えてくれるハキハキしたボイスと端整なルックスでも人気を集めるペイトン尚未は、現在20歳。埼玉県に生まれ、アメリカ人の父と日本人の母のもとですくすくと育ったチアフルガールだ。

「父はアメリカのオクラホマの出身なので、子どものころからたびたびアメリカには遊びに行っていました。英語は日常会話でコミュニケーションができる程度だから自慢はできないんですけど、昔から見た目でちょっとハードルが上がっちゃってる(苦笑)。といっても私自身は埼玉県生まれ、埼玉県育ち……。なので、家では父は英語と日本語のハイブリッドで話しますが、せっかくだから私も英語に慣れ親しんでいたくて、父にはなるべく英語で話してほしい、メールやメッセージも英語でやり取りしたいってお願いしてます!」

ペイトン尚未写真1

そんな彼女が、芸能活動に興味を持ったのは小学校1年生。今でこそ、スクールアイドルグループ・Liella!の平安名すみれとして、リアルでアイドルを演じているペイトンだが、彼女が最初に憧れを感じたのも実はアイドルグループだったという。

「AKB48の皆さんの活躍を目の当たりにしていて、テレビで見ない日はなかったんですよね。あんなにかわいいアイドルの人たちが、かわいい衣装を着て、かわいい歌を歌っていて、キラキラ輝いて見えたんです。私ももともとフリルだったり、リボンだったりかわいいものが大好きだったから、アイドルさんには憧れる気持ちがありました」

リアルアイドルの前にも、キラキラと輝く世界には、心をずっと奪われていた。それがアニメの世界だ。

「小学生でアイドルさんの存在を知る前から、ずっと大好きだったのが、アニメの『プリキュア』シリーズだったんです。本気でプリキュアになりたい! って言ってました(笑)。一番好きなプリキュアは、小学校3年生のころに放送されていた『スマイルプリキュア!』。イメージカラーはブルーで、悪い者には凜として立ち向かう、強くて優しいお姉さんのキュアビューティにすごく憧れていて、今でも、なれるものならキュアビューティになりたいですね!(笑)」

ペイトン尚未2

そんな大好きなアニメを毎週録画して、何度も録画を繰り返し見直して楽しんでいた彼女は、そのうちに自分がプリキュアになれる方法を編み出したのだという。

「録画を字幕放送に切り替えると、プリキュアたちが話している台詞が文字でわかるんですよ! なので映像の音声を消して、キャラクターの動きに合わせて画面に出る台詞を私も言うようになって。そんなプリキュアごっこを家でずっとやってました(笑)。今、声優の現場でやらせていただいていることと、結構似てますよね。

そういう“ごっこ”をやっているうちに、キャラクターの声は声優さんが言ってるんだということも、ちゃんと理解するようになりまして。声優さんになれば、自分もプリキュアになれるかもしれないという夢も膨らみました。子どものころに、そういうことに興味を持っていて良かったなと今は思います」

見た目に関係なく、好きな役に挑戦させてもらえる素晴らしい世界

アイドルに憧れ、アニメの世界に入り込める声優にも憧れ……と、なりたいもの、やりたい夢がたくさんあった小学生のペイトン尚未。その彼女が、将来に繋がる一歩を踏みだしたのは、中学校に入ってからのこと。夢を形にしたかった彼女の背中を押してくれたのは、母親だった。

「子どものころはやりたいことがいっぱいありすぎて、自分のなかでもまとまりがなかったんです。でも、とにかくまず芸能のお仕事をできる事務所に所属することができれば、道を決められるかな? と思ったんですね、小学生時代に。じゃあどうしたらいいのかな? とお母さんに相談したら、東京にはすぐ行けるんだから『中学生になったら芸能のオーディションをたくさん受けてみよう』となったんです。昔から私が好きなことはすごく応援してくれていて、お母さんもノリノリでした(笑)」

ペイトン尚未写真3

ちなみに、そのノリノリだったペイトン母もファンの間では有名になった。

「ニコニコチャンネルプラスで『ペイトン尚未の「クリエイト倶楽部」』という生配信のレギュラー番組をやらせていただいているんですけど、今年6月末の放送回が私の10代最後の放送だったんです。それで20歳を迎える記念として、お母さんに電話で出演してもらおうという話になりまして。

恥ずかしくて嫌がるかな? と思って『ママ、ニコニコの生放送に電話出演できない?』って恐る恐る聞いたら、『ええよ~!』ってふたつ返事でOKで(笑)。お母さんは出身が京都なんですけど、関西人の気質からなのかな? すごいコミュ力モンスターなんですよ。放送中もノリノリだったし、いつも陽気なお母さんに助けられてます(笑)」

夢が叶うことを願いながら、中学生になった彼女はオーディション情報誌やWebのオーディションサイトで、自分に向いていそうなオーディションを調べ、中学校1年生、13歳の夏。ある歌のオーディションを見つけて応募する。

「それが、今所属しているソニー・ミュージックアーティスツ(以下、SMA)主催の歌手オーディションでした。まだやりたいことは正直、定まってなかったんですけど、アイドルにも憧れていたから歌もやってみたい。まずはこのオーディションを受けてみよう! と思って応募したら、運の良いことに合格して。そこからは、5年ほどの育成期間がありまして……正式にSMA所属が決まったのは、声優として大きな役をいただけた高校3年生のときでした」

育成期間中の2017年からは、歌手オーディション出身として、フジテレビ『アイドリング!!!』スタッフによるアイドル育成プロジェクト『アイドルING!!!』のメンバーとして約2年間活動していたこともある。

「『アイドルING!!!』は中学校2年生のころ。4人グループでアイドル活動していたんですが、そのときは、まだ声優をやりたいということは、事務所にもあまり伝えていなくて。歌やタレントの卵として、いろいろなオーディションを受けていた時期に、運良く合格できたんです。当時はCMのオーディションも受けたし、歌もモデルオーディションも受けたんですけど……モデルさんは身長が足りなくて落ちたり、いろんなことがありました」

ペイトン尚未写真4

だが『アイドルING!!!』での活動を終えた翌年。彼女が中学校3年生のときに、ついにもうひとつの夢だった声優オーディションに合格。ゲームアプリをメインとした新世代声優ヒロインプロジェクト『BATON=RELAY』の高橋京子役で、声優デビューを果たした。

「声優のオーディションを初めて受けて合格をいただいたのが『BATON=RELAY』だったので、本当にうれしかったです。当時は、役者オーディションも受けていたんですけど、日本人役のオーディションに応募すると、書類選考の時点で通らないことが何度かあって。逆に、外国人役のオーディションでは、書類選考は通っても、面接に行くとネイティブレベルでは英語を喋れないから、それにも受からない。そんなことがつづいて、現実の厳しさを痛感していました。

でも、声優のオーディションはそうじゃなかった。見た目は関係なく、好きな役、やってみたい役に挑戦させてもらえる。なんて素晴らしい世界なんだ! と心から思いました。声優になりたい! という気持ちが、前以上に大きくなって、そこから本格的に声優オーディションをたくさん受けるようになりました」

ペイトン尚未写真5

すみれちゃんと一緒に声優として成長させてもらっている

生身の演技レッスンのほかに、声優としてのレッスンにも積極的に参加していたことも功を奏した。

「演技のレッスンは、厳しく指導いただいているので、壁にぶつかることも多いです。ただ、高い壁にぶつかる確率は、声の演技のほうが断然多くて……実は昨日も声優のレッスンがあったんですけど、すごく高い壁にぶつかって泣いたばかりです。でもそれが私には良いんです。逆に心配になっちゃうんですよ、褒められることが多くなると、自分が調子に乗っちゃいそうで」

自分の力を過信せず、何事にも生真面目に、一生懸命に取り組むペイトン尚未らしさを感じつつ……気になったのは、レッスン中に涙を流すほど、ぶつかった高い壁とは、いったいどんなものなのだろうか。

「今までもそうなんですけど……大変な壁はやっぱり、自分の殻をどうやったら破ることができるか、ですね。自分の限界って、わかっているようでわかっていなくて。泣く演技にしろ、怒る演技にしろ、笑う演技にしろ、どうしても、私が今できる範囲はここですというのを、無意識に自分で決めつけてしまっているように感じるんです。

でも、先生には『あなたならもっと表現できるでしょ』と言われて……。自分ではもうここが限界だと思っても、『まだダメ』と指摘を受けてしまう。でも、そうおっしゃっていただけるということは、きっともっとできると思われる部分が自分にあるからだと思うんですね。そのハードルを越えられない自分がめちゃめちゃ悔しくて……」

ペイトン尚未写真6

激しいドラマを生き抜いているアニメのキャラクターを、声だけで演じる声優には、特別に豊かな感情表現が求められる。さらに、幅広い芝居が要求される声の演技に対応するのは、生身の芝居以上の振り幅が要求されるだけでなく、声のみの演技だからこそのテクニックも身につけなければならない。

「私は、泣きの演技で実際に泣いてしまうタイプなんですけど、声のレッスンで教わったことのひとつが、『涙を流して泣くのは決して悪いことではない。でも、それが音にならないと声優の芝居としては成立しない』ということでした。昨日も本当に泣いて演技した声を録っていただいて聞いたんですけど、台詞が台詞として成立してないんです。字幕をつけてもらわないと、ちゃんと理解できない。だから今は、本当に泣かなくても、泣いたときと同じような息遣いを、自分なりに奮闘中なんです。それは“泣き”だけじゃなくて、“怒り”も“笑い”も同じなんですよね」

ペイトン尚未写真7

声優の演技とは? を知るための場は、レッスン場だけではない。ほかの役者と一緒に仕事ができる収録現場も、彼女にとっては大切な学びの場だという。

「お芝居で悩んだときは、先輩方に相談すればいいんじゃないか? と言われますけど……先輩方は、これまで何年、何十年もかけて、技術を積み上げてこられたわけで。そんな努力をされてきた方々に、こんなに後輩の私が、軽々しくアドバイスをいただこうとするのは違うと思うんです。だから、できるだけ現場で見て学ぼうと。

先輩も後輩も関係なく、ほかの方の演技はすごく気になりますし、収録中もマイクの後ろからだったり、並んでいる横からだったり、じーっと見つめてしまいます。こう……獲物を狙う豹のように(笑)。休憩時間中も集中力を切らしたくないので、スマホなどの荷物も、スタジオに持ち込まないようにしています」

では役作りで意識していることはなんだろう。例えば、彼女の代表作であるTVアニメ『ラブライブ!スーパースター‼』の平安名すみれ役には、どのようにアプローチしていたのだろうか。

「すみれちゃんは、かれこれ3年ほど声を担当させていただいていて、劇中でも高校1年生から3年生へと成長しているので、私のなかでのすみれちゃんを演じるアプローチも、だんだん変わってきています。すみれちゃんは『私を見て!』と言える子だけど、私自身は心のなかで『誰かが見つけてくれたらいいな』くらいの願望に止まってしまって言動に出せないタイプなんです。なので、最初のころはどうやったらすみれちゃんになれるかな? とすごく考えて、マイクの前で一番目立ってやろう! という気持ちで演じていました」

ペイトン尚未写真8

そんな平安名すみれが、劇中で数々の困難を乗り越えて成長すると、演じ方でこだわる部分にも変化が出てきたそうだ。

「すみれちゃんもどんどん大人になって、自分だけじゃなく周りのことをよく見られる子になっていったんです。彼女の口癖は『ギャラクシー!!』なんですけど、そういう元気な台詞を言うときは、『私を見て! 私が一番よ!』という気持ちで演じますが、ほかの子に気を配るシーンだともっと演技を丸くするというか。

声のトーンだけを変えるのではなく、気持ちの込め方を変えるような演技観を、自分のなかで作ることができるようになりました。お話のなかで、すみれちゃんが成長していくように、私自身もすみれちゃんのように、声優として一緒に成長させてもらっている。それがとてもうれしいですね」

ペイトン尚未写真9

後編につづく

文・取材:阿部美香
撮影:干川 修

リリース情報

ペイトン尚未「Nemesis」ジャケット写真
2ndシングル「Nemesis」
発売日:11月3日(祝・金)
購入はこちら(新しいタブで開く)

イベント情報

2ndシングルリリース記念イベント「Nemesis」
 
日時:11月3日(金・祝) 開場12:00 / 開演13:00
会場:EX THEATER ROPPONGI(https://www.ex-theater.com/(新しいタブで開く)
 
チケット料金:7,700円(全席指定)
※ドリンク代別
※未就学児入場不可
 
2ndシングル「Nemesis」特設サイトはこちら(新しいタブで開く)

連載Love Say you -恋するVoice-

  • Sony Music | Tech Blogバナー

公式SNSをフォロー

ソニーミュージック公式SNSをフォローして
Cocotameの最新情報をチェック!