花冷え。はなぜ世界に羽ばたいたのか?――完全新感覚ハイブリッドガールズバンドのこれまで
2024.08.30
デビュー10周年イヤーを迎えたLittle Glee Monster。後編では、先ごろ行なわれた新体制初のオリジナルアルバム『UNLOCK!』の同名ツアーで感じたお互いへの気持ちや、現体制の6人で新たに叶えたい夢を語る。
Little Glee Monster(リトルグリーモンスター)
(写真左より)かれん、MAYU、ミカ、アサヒ、結海、miyou。通称“リトグリ”。2012年7月、ソニー・ミュージックレコーズ(現ソニー・ミュージックレーベルズ)とワタナベエンターテインメントが行なった『最強歌少女オーディション』の合格メンバーを中心として、“研ぎ澄ました歌声で人々の心に爪痕を残す”をテーマに結成。2014年10月、平均年齢16歳のボーカルグループとして、シングル「放課後ハイファイブ」でメジャーデビュー。代表曲は、ドラマ主題歌に起用された「好きだ。」(2015年)、コカ・コーラ2018年度イメージソング「世界はあなたに笑いかけている」(2018年)ほか。2022年11月、現在の6人体制となる。放送中のTVアニメ『天穂のサクナヒメ』のエンディングテーマ「ORIGAMI」が発売中。
記事の前編はこちら:Little Glee Monsterに聞く、このメンバーで迎えられたデビュー10周年と叶えたい夢①
2022年から、新たなメンバーを迎えた6人体制で第2章をスタートさせたLittle Glee Monster。今年3月には新体制初のオリジナルアルバム『UNLOCK!』をリリースし、7月にはアルバムタイトルを冠した全国15カ所17公演に及ぶライブツアーを大成功に収めた。
ニューアルバムを引っ提げた本ツアーは、タイトルに掲げた“UNLOCK=解放”をテーマに、“大人の扉を開く鍵”や“未来を開く鍵”など、楽曲をパフォーマンスしながらさまざまな扉の鍵を開けていくというストーリー仕立ての内容となっていた。
「今回はみんなが良い意味で裏切られたなって感じるようなツアーを目指していたので、本編では物語を作って、MCもストーリーに沿ったやり方にしていたんです。みんなが不思議そうに観てくれてるのが楽しかったし、いつもと違って新鮮で驚いたっていう声をたくさんいただけたこともうれしかったですね。
ソロコーナーは、それぞれがセルフプロデュースして、一番自分らしく表現できるものを考えたので、よりパーソナルな部分を感じてもらえたんじゃないかと思います。挑戦が多かったけど、私たち6人の個々を知ってもらえたツアーになったと思うし、本当に楽しかったです」(かれん)
「前回の『Fanfare』ツアーでオープニングに映像があったのが好評だったので、今回もみんなのやりたい要望を詰め込んで作りました。本番ギリギリまであれこれこだわったので、みんなで作り上げたなっていう達成感がありますね」(アサヒ)
「今までのツアーとは良い意味で違っていて。この6人のリトグリで伝えていきたいことがすごく明確になったツアーだったと思います。これまでもがむしゃらに、自分たちなりに歌を届けてきてたけど、この6人で歌う意味が確信に変わったというか。今回、“UNLOCK”をテーマに歌っているからこそ、自分たちも解放された感じがありました。
自由に歌っていることが楽しいし、その楽しさがみんなにも伝わってるなと感じることもできた。全部が倍になって大きな感情が出来上がっていくのを感じられたし、まだまだ私たちの歌をみんなに届けることができるって実感できたツアーでしたね」(miyou)
「“自分自身をもっと解放していいよ”っていうメッセージを込めたアルバムとツアーで、今のこの6人のリトグリとしても、このメッセージを届けるのに良いタイミングだったなと思います。私たちはそのメッセージをみんなに送る側だけれども、ファイナルを終えて、自分たちもより心の底から解放されるきっかけになったツアーだったなって感じたんですね。みんなと一緒に解放できたなって思うので、これからがすごく楽しみになるようなツアーでした」(結海)
「大好きな懐かしい曲もたくさん歌えたんですけど、懐かしいね、っていうだけでは終わらない、私たち色に染め直せたライブだったなって思います。特に、『君といれば』が大好きなんですけど、懐かしむのではなく、この6人で歌ってるんだっていう、ポジティブな気持ちで歌えたんですよね」(ミカ)
「6人で新たに歌う既存曲がぐっと増えたツアーでした。リトグリは、もともと前を向く曲やそばに寄り添うような曲が多いんですけど、今回、まるで太陽のような3人が一緒に歌ってくれることで、より照らされて、より希望に満ちた曲になっていく感覚があって。一緒に歌いながらも、思わず、ぐっときてしまう場面が何度もあったんですよね。歌には思い出って絶対存在するけど、思い出が増えることは悪いことじゃないと私は思っています」(MAYU)
アルバム『UNLOCK!』の通常盤には、Little Glee Monsterの人気曲を現在の6人で歌い直した再録版が収録されている。2023年1月に開催された新体制初のツアー『Join Us!』から披露している「世界はあなたに笑いかけている」や同年春のツアー『Fanfare』のセットリストに組み込まれていた「だから、ひとりじゃない」を今回もパフォーマンスすることは予想できたが、意外だったのは、メンバーの休養と復帰があり、4人バージョン、5人バージョンも存在する2021年の楽曲「君といれば」を現体制の6人で歌ったことだ。
「私は、あのとききつかったなあとか、しんどかったなという思い出ももちろんあるんですけど、それを別に消そうとは思ってなくて。ただ、また新しくその曲に思い出が増えたのがうれしかったんです。
『君といれば』は、隣にいるミカの『大丈夫だよ』って言ってくれているような笑顔を見てると泣きそうになるんですよ。何度もやばいなっていう場面はあったんですけど、それは悲しくてじゃなくて、うれしい感情だった。改めて、ありがとうって思わせてくれる瞬間だったし、またこうして歌うことができたのも本当に幸せでした」(MAYU)
『Little Glee Monster Live Tour 2024 “UNLOCK!”』の追加公演では、2024年10月に10周年記念ライブを開催することも発表。1日目のダブルアンコールでは、アサヒが「10周年の幕開けにぴったりの曲です」と紹介したグループ初のオリジナルソング「HARMONY」、2日目は2017年に開催された初の日本武道館公演に向けて制作された「はじまりのうた」という思い出深い2曲を披露した。
「初めての武道館が決まったときのうれし涙がフラッシュバックしそうだなって思ってたけど、歌ってる間は大丈夫でした(笑)。でも、最後に一人ひとり、メンバーが挨拶するときに、この6人で良かったなっていう思いと、ファンのみんなの温かさを感じてこみ上げてくるものがありました。このメンバーで10周年を迎えられることがうれしいなあっていう涙を流してしまいましたね」(かれん)
「まだ正直、そんなに実感がないし、ちょっとふわふわしてるんですけど、10周年って、口に出して言えるときが来たんだなって感じてて。……この感情、なんやろうな。言葉にするのが難しいんですけど、8周年は3人で寂しかったので、10周年を6人で過ごせるのは本当に幸せなことやなって。新メンバーの3人がいなかったら10周年どころか、9周年も迎えられていなかったかもしれない。今、こうやって10周年って言えることをしっかり噛み締めたいなって思いますね」(MAYU)
「ライブのエンディング映像でこれまでの楽曲のジャケ写が流れてきて、改めて振り返ったときに、いろんな感情がこみ上げてきました。本当にこうして3人がリトグリに入ってくれたからこそ10周年を迎えられるし、この先も何周年も迎えていくんだろうと思うんですけど、まずは、10周年を一緒に迎えてくれることがとてもうれしいですね」(アサヒ)
「一昨年、新メンバーとして9周年を迎えたときは、本当に実感がなくて。『おめでとう』って言われて、『ありがとうございます』って私が返して良いのかなと思ってたけど、今はそのときよりも6人の仲が深まったし、自分の素を出せるようにもなったから、これからもこの6人で進んでいきたいという思いがより強くなってます。
加入する前からずっと見ていたリトグリの10周年をまさか自分がメンバーとして迎えられるとは思ってなかったけど、今は胸を張って、『ありがとうございます』って笑顔で言えるし、まずはお姉ちゃん、おめでとうっていう気持ちです」(結海)
「私は音楽が大好きになったきっかけがリトグリだったので、ずっとリスペクトしてた大好きなグループにミカとして入って、2年が経って。みんなといる時間をたくさん過ごしてきたし、絆も深まったけど、たまにまだ、隣にアサヒちゃんやMAYUちゃん、かれんちゃんがいることにびっくりするんですよね(笑)。
すごい大好きだった方が隣にいる! って、急にふと藤平美香に戻るときがあって。いまだに鳥肌が立ったりしますけど、この6人で一緒に10周年っていう大きな節目を迎えられることは、もう心が締めつけられるくらいうれしいことです」(ミカ)
「でも、2年と8年という数字は、永遠に追いつくことのない差なわけじゃないですか。良い悪いではなく、実際に年数の差がある。でも、いつだって謙虚で、いろんなことに感謝してるかれんとMAYUとアサヒを見てきたから、こういうふうに温かいファンの皆さんと10周年を迎えることができるんだろうなって思うんですよ。そういう部分を隣で教えてくれるからこそ、なんの気持ちのわだかまりもなく、隣にいることをただただ幸せに祝えるし、ただただうれしい気持ちでいて。
私たち3人はまだ2年ですけど、たった2年でも人生がすごく変わったし、学ぶこともたくさんあった。それは、ここまで10年やってきた3人のお陰なので、これからもついていきたいし、私たちにできることはなんでもやっていきますという気持ちでいます」(miyou)
このツアーを経て、6人の絆がさらに強くなったと語るLittle Glee Monster。常に前を向き、チャレンジすることをやめない“リトグリ”は、今どんな未来を見ているのだろうか。
「本当に長いようで短くて、いろんなことがあった10年でした。うれしいことも悔しいことも楽しいことも悲しいこともあったけど、このメンバーで15周年、20周年とお祝いしていきたいですし、私たち6人とファンのみんなとで、もっと楽しくてワクワクするような未来を築いていきたい。初紅白も初武道館も、初めてのときの印象が強く残ってるけど、今はこの6人でも叶えたい夢になってます」(かれん)
「そのためには、まず、この6人でリトグリの新たな代表曲を作ることが最初の目標かな。そのあとで、この6人で武道館公演と紅白出場という夢を実現させたいです」(MAYU)
記事の前編はこちら:Little Glee Monsterに聞く、このメンバーで迎えられたデビュー10周年と叶えたい夢①
文・取材:永堀アツオ
撮影:荻原大志
「ORIGAMI」
発売中
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『Little Glee Monster 10th Anniversary Live』
日程:<Day1:CELEBRATE>10月19日(土)
<Day2:PROMISE>10月20日(日)
会場:東京都・武蔵野の森 総合スポーツプラザ メインアリーナ
2024.09.09
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