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アニメづくりへの情熱

若手社員の熱意が生み出したアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』――グループを巻き込んだ作品づくりへの挑戦

2024.02.02

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原作漫画をアニメ、音楽、舞台やライブへと展開し、漫画、アニメ界のみならず音楽チャートを席捲して注目を集める『ぼっち・ざ・ろっく!』。ソニーミュージックグループのシナジーをいかして新たなヒットを生み出したアニプレックス(以下、ANX)の制作、宣伝チームのメンバーに、仕事への心構えややりがい、次に見据えるステージなどを聞いた。

本記事は、アニプレックスのコーポレートサイトに掲載された「ANIPLEXストーリー」を再編集したものです。

  • アニプレックス石川達也プロフィール写真

    石川達也

    Ishikawa Tatsuya

    アニプレックス

  • アニプレックス高山幹弘プロフィール写真

    高山幹弘

    Takayama Yoshihiro

    アニプレックス

  • アニプレックス尼子風斗プロフィール写真

    尼子風斗

    Amako Kazeto

    アニプレックス

アニメ制作現場に必要なのは“総合力”と“熱狂させる力”

――現在の仕事内容を教えてください。

高山:企画制作部門で、主にアニメの企画やIP(知的財産)運用の業務を担当しています。

2016年に新卒で営業部門に配属されたのですが、若手がアニメの企画を発表できる会議があり、当時1巻が発売されていた、はまじあき先生の4コマ漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』をプレゼンしたことがひとつのきっかけとなり、4年ほど前に営業から企画制作部門に異動しました。

石川:私も企画制作部門で、入社以来13年間アニメーション制作を中心に担当し、ゲーム業務やIPの運用、開発にも携わっています。

『ぼっち・ざ・ろっく!』では、運用や法律面、予算面の管理などをフォローするかたちで高山さんと一緒に取り組んできました。

尼子:宣伝部門で、主に作品の宣伝をしています。担当作品の強みを踏まえて、ターゲット層にどうやったら届くのかを分析し、そのための施策を考えて動いています。

もともとアニメを熱心に見るタイプではなかったのですが、作品のために動けば動くほど作品への愛着も湧いてきます。「ひとりでも多くの人に面白さを届けたい」と思いながら働いています。

――仕事でやりがいや達成感を覚えるのはどんなときでしょうか。

高山:世の中の多くの人に作品を見ていただき、好評をいただけたときですかね。

『ぼっち・ざ・ろっく!』ですとアニメ本編も好評でしたが、音楽もさまざまな人たちに聴いていただけてありがたいなと思いました。2023年5月にZepp Haneda (TOKYO)で開催したワンマンライブ『結束バンドLIVE -恒星-』も、キャスト、ミュージシャン、各スタッフのライブにかける熱量が高く、盛り上がる観客席を観たときは、この光景は一生覚えているだろうなと感じました。

尼子:宣伝はお客様の反応を身近に感じやすい部署なので、こちらの仕かけの反応が良かったときが一番うれしいです。

『ぼっち・ざ・ろっく!』の主人公、後藤ひとり役の青山吉能さんが、作品公式ラジオ番組(「ぼっち・ざ・らじお!」)でフレッシュネスバーガーのスパム®バーガーが好きだとお話されていたことがあります。それを聞いてすぐにフレッシュネスバーガーの店舗にお伺いし打ち合わせを組ませていただき、先方のご担当者様のご協力もあって、1週あまりで作中の舞台でもある下北沢の店舗での限定コラボキャンペーンを発表。

さらにその1カ月後には、青山さんが1日店長となる商品お渡し会を開催できました。SNSでも大反響で、自分のアイデアをファンの方々に喜んでいただけたことがとてもうれしかったです。

石川:ふたりが言うようにお客様の反応はもちろんですが、やはりアニメーションはひとつの作品に関わる人数が何百人といるので、作品やライブの打ち上げをしているときに、クリエイターやスタッフ、キャストの方々が喜んでいる様子を見ると「ああ、良かったな」と思いますし、一番のやりがいですね。

笑顔で話すアニプレックス石川達也

――今の業務に必要なスキルや知識はありますか。

高山:“総合力”が求められるのかなと思います。アニメは数百人単位の人が動くプロジェクトなので、いろいろな人を巻き込んで自分の熱量を伝播させることが重要だと感じています。

“この作品なら”“アイデアが面白そうだから”と動いてもらえるような、舵取りをする人の人間力やコミュニケーション力、発想力がまんべんなくあるといいのだろうなと思います。

石川:アニメの制作現場はある種の“熱狂”が必要です。周囲を巻き込む力で盛り上げるタイプもいれば、「絶対これを作るんだ!」という伝播力の強い思いを持っている人もいる。そういう個性やクセの部分が武器になると思います。

尼子:宣伝の仕事で必要な力はふたつあると思っています。面白い仕かけや施策、フックになるものを思いつく発想力と、それをきちんとかたちにする実現力。このふたつを兼ね備えたバランスが大事かなと思いながら仕事をしています。

石川:最近はSNSが主流だから、宣伝には“フッ軽”も大事だよね。

尼子:そうですね。今は情報が伝わるのが本当に早いので、先ほど例に挙げたフレッシュネスバーガーのコラボやイベントのように、SNSでバズって盛り上がった瞬間に即座に動いて、1週間後には発表できるような“フッ軽さ”も必要だと思います。

和やかな雰囲気で会話するスタッフ3名

アニメ本編終了後も、グループ力で作品が動き続けた

――『ぼっち・ざ・ろっく!』チームの強みは?

石川:社内のチームもクリエイターさんも、若い人たちが多い。若い力で、自分たちが面白いと信じられるものを集結させ、熱量の高い作品をファンに届けられたことが強みです。

尼子:そうですね。スタッフ、キャスト含めてメンバーの年齢が近いということもあり、チームワークが強く、現場の雰囲気にも一体感がありました。

高山:自分はがっつり最初から関わっている作品だと『ぼっち・ざ・ろっく!』が初めての作品で、ほかのチームをあまり知らないのですが、みんなよく話すし賑やかですよね。

石川さんは若手に発言しやすい空気を作ってくれて、場を盛り上げるムードメーカー。自分にないものをすごく持っている方です。

石川:高山さんに対して私も同じことを感じています。やっと制作に異動したと思ったら、コロナ禍に突入して思うようにできなかったなかで、高山さんは高い熱量で自分のやりたい企画を着実にかたちにしていきました。尼子さんも、エンタメに必要な体力や胆力があり、愛嬌もある。すごく優秀でフットワークの軽い、うちに欠かせない人材ですね。

――『ぼっち・ざ・ろっく!』はアニメだけでなく、舞台、ライブなどスピーディに展開して、今なお注目されています。

尼子:『ぼっち・ざ・ろっく!』放送終了の2022年12月から1年以上経ちましたが、未だに多くのお客様に応援していただいています。

この1年間、ライブや舞台、LP盤の販売などの商品展開はありましたが、アニメ本編がないなかで『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品が止まることなく動き続けていたのは、制作はもちろんソニーミュージックグループの総力の結集だと思います。

高山:アニメの『ぼっち・ざ・ろっく!』の本編と音楽に連動している部分以外ですと、基本は各セクションで展開いただいていますが、重要な部分で意見を求められることもあり、例えば舞台に関していうと、オーディションや脚本など、アニメ制作の立場としてコメントさせていただくこともありました。

石川:アニメと舞台はまったく作り方が違うので、社内で連携して舞台に落とし込む方法を探っていきました。『ぼっち・ざ・ろっく!』として最も大事なのは生演奏。きちんと演奏できるキャストさんでお願いしたいという相談をしたりして、演出家の方や役者の方々にすごく大きく育てていただいた舞台だと思っています。

笑顔で話すアニプレックス尼子風斗

若手のやる気も200%サポートしてくれるポジティブな会社

――ANXの社風を教えてください。

尼子:めちゃくちゃ楽しい会社です。アニメや映画、音楽、スポーツなど、なんらかのエンタテインメントに惹かれて入社した人が多いと思うのですが、何か好きなものを持っている人、こだわりがある人は一緒にいて楽しい。そういう人たちが集まった会社だから楽しいのかなと感じています。

高山:やる気があれば企画を立てられる会社です。『ぼっち・ざ・ろっく!』も、自分は元々営業部門の立場で企画書を書き、それをいいと思ってくれたプロデューサーに引っ張ってもらいました。トップダウンだけじゃなく、ボトムアップの機会があるし、それに賭けてくれる会社だという印象があります。

石川:高山さんが言うように本当に自由度が高く、やりたいことをやらせてもらえる環境があり、年齢は関係ありません。若い人の企画だからといって杭を打つタイプの人もいない。

ビジネス的にいけると思えば、各部門の方々が全社的に200%力を出してくれるポジティブな会社です。逆に言えば、若手でも自分がやろうと思ったことは最後まで責任を持つことも含めて任せてくれる。そこがいいなと思っています。

――アニメ業界で働きたいと思ったきっかけと、ANXを志望した動機は。

石川:私はもともとアニメやエンタテインメントが好きでした。2000年代後半の深夜アニメが絶好調だったころ、ある作品のイベントに参加したときに「なんで自分は観客席にいるんだ?」と思いました。

今でこそ作品のイベントやライブは盛んですが、当時はまだ数が少なくて“このムーブメントを仕かける側に行かないときっと面白くない!”と実感しました。単に参加するだけだと面白さはひとつだけれど、“作って、届けて、自分も楽しめる”と3倍楽しめるのがエンタテインメント企業やアニメ業界のいいところだなと思って入社しました。

高山:学生時代から映画もお笑いもテレビも好きだったので、就職活動ではエンタテインメント企業だけを受けました。ソニーミュージックグループはグループ採用で多角的に事業を行なう会社なので、音楽でもアニメでも楽しめるだろうなと思って配属されたのがアニプレックスです。きっと自分のやれることがあるんじゃないかなと思って今に至ります。

尼子:自分は映画やアニメの予告編、いわゆるプロモーションビデオに興味を持ったことがきっかけでした。

数時間ある本編の一番面白い部分を隠しつつ、短い時間で「見たい」と思わせる力は本当にすごい。そこからエンタテインメント業界と広告業界を志望して、最終的にANXに辿り着きました。

身振り手振りで話すアニプレックス高山幹弘

言語を超えられるアニメ作品で、世界へ進出したい

――仕事を続けるうえでの原動力を教えてください。

石川:やっぱりファンの方々の笑顔ですね。先日ANXの20周年イベントが行なわれたのですが、会場にいた多くの方が本当にうれしそうに過去作品の主題歌を歌っていました。アニメに限らず音楽もそうですけど、誰かの好きなものを作るというのは尊いことだと感じました。

高山:『ぼっち・ざ・ろっく!』に関しては、スタジオの熱量も高く、だからこそ同じか、それ以上の熱量で向き合うべきだろうなと都度身を引き締めていました。

それぞれの熱量のおかげで面白い作品になったと思うのでそれに見合う評価をちゃんと受けてほしいという思いが原動力のひとつになっていたと思います。

尼子:自分は入社前からアニメや映画のクレジットに名前が載るのが夢でした。だからこそそこに載ったからには、それに見合った以上の仕事をしなければならないというのが自分のなかでの使命感になっています。

――今後の夢や野望がありましたら教えてください。

高山:『ぼっち・ざ・ろっく!』の本編の最後の作業が終わったとき“こんなすごい作品を手がけられるなんて、一生に一度あるかないかだろうな”と一度燃え尽きかけましたが、これからもクリエイターはじめ多くの方々が「良かったな」と思えるような作品を企画できたらと思います。

尼子:自分はもともと宣伝志望で入社したこともあり、まだまだ未熟なところがたくさんあるので引き続き宣伝で頑張りたいと思います。

個人的な考えですが、宣伝の基礎は「模倣と組み合わせ」だと思っていて、今はいいと思った施策やアイデアをいかに自分の担当作品の要素を取り込みながらかたちにしていくかを大事にしていますが、いずれはまったく新しい宣伝のフォーマットを生み出すことにもチャレンジしていきたいと思っています。

石川:世界にとどろくエンタテインメント企業を作る一翼を担うことが目標です。アニメは言語を超えて感動を届けられる数少ないボーダレスなエンタテインメントのひとつ。『ぼっち・ざ・ろっく!』にもありがたいことに国内で多くのファンの方々がいますが、まだまだ海外含め大きなムーブメントを作れる余地があると感じています。

日本だけじゃなく、世界で楽しめる作品を今後も作れたらいいなと思います。

ぼっち・ざ・ろっくパッケージ画像

――最後に、ANXで働きたいという皆さんへ。どんな人が向いていると思いますか、また、どんな人と働きたいと考えているか教えてください。“こんな人にぜひANXを志望してもらいたい!”というご意見はありますか。

高山:自分のチームには、熱量と体力がある人がいいですね。

尼子:自分はアイデアがある人、面白さ、楽しさに貪欲な人がいいなと思います。

石川:熱量やアイデアもそうですけど、やっぱり一緒にいて面白い人、楽しく働ける人がいいなと思います。おしゃべり上手じゃなくても、飲み会が苦手でも全然いい。でも“この人、なんか面白いな”という人がこの会社には合うのかなと感じています。

高山:“エンタテインメントにそんなに詳しくないから”と二の足を踏むのではなく、少しでも興味があるなら志望していいと思います。逆に言うとすごく数字に強いとか、マーケティングに詳しいなど、エンタテインメント以外のスキルが豊富なのも希少で面白いなと思います。

私たちはあくまでビジネスサイドの人間ではあるので、クリエイティブに敬意を持って担当作品に愛情を持つことができれば、まったく問題ないと思います。

パッケージ商品を手に持って微笑むスタッフ3名

©はまじあき/芳文社・アニプレックス

関連サイト

アニプレックスオフィシャルサイト
https://www.aniplex.co.jp/(新しいタブを開く)

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