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○○について知っておきたい○○のこと

『リスアニ!』と『リスアニ!LIVE』について知っておきたい15のこと①

2025.01.24

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アニメ音楽総合メディア『リスアニ!』の15周年イヤー突入を記念して、『リスアニ!』の立ち上げに深く携わった音楽評論家の冨田明宏氏と現編集長の馬嶋亮が『リスアニ!』と『リスアニ!LIVE』について知っておきたい15のことを語る。

前編は、アニメ音楽専門誌『リスアニ!』の15年を振り返りながら、『リスアニ!』について知っておきたい7つのことを聞いた。

  • 冨田明宏氏プロフィール画像

    冨田明宏氏

    Tomita Akihiro

    音楽プロデューサー/音楽評論家

  • 馬嶋 亮プロフィール画像

    馬嶋 亮

    Majima Ryo

    ソニー・ミュージックソリューションズ
    『リスアニ!』4代目編集長

アニメ音楽総合メディア『リスアニ!』とは?

リスアニ! ロゴ画像

2010年4月にアニメ音楽専門誌として雑誌『リスアニ!』が創刊(創刊時は、ソニー・マガジンズ【現、ソニー・ミュージックソリューションズ】より発行)。現在までに、別冊や特集号を合わせて86冊を刊行(2025年1月15日現在)。2022年11月に発刊した「リスアニ!Vol.50」で雑誌形態での定期刊行は終了し、以降、アニメ作品に特化した特集号を不定期で刊行。現在は、アニソン・アニメ音楽のポータルサイト『リスアニ!』を軸に、さまざまなメディアミックスも展開しながら、アニメ音楽のカルチャーと最新情報を発信し続けている。

記事の後編はこちら:『リスアニ!』と『リスアニ!LIVE』について知っておきたい15のこと②

音楽評論家・冨田明宏氏と編集長・馬嶋亮の『リスアニ!』との出会い

冨田:『リスアニ!』の発案人のひとりであり、2代目編集長の西原(史顕)さんと出会ったのが、私の『リスアニ!』との出会いです。当時、西原さんは、ソニー・マガジンズ(現、ソニー・ミュージックソリューションズ)から発刊されていた音楽雑誌『WHAT's IN?』の編集部に在籍していて、アニメカルチャーの盛り上がりに合わせて勢いを増していたアニメソングというジャンルの面白さに注目し、自分たちでも何かメディアを作りたいと考えていました。

そんなころに、人の紹介で西原さんと出会い、お互いに“求められているであろう新しいアニメ音楽雑誌”の構想について意見を出し合いました。彼は私の読者でもあって、当時私が書いた原稿が乗っている雑誌や書籍を大量に持っていて(笑)。それを見ながら打ち合わせしたのを覚えています。

さらにそこから私が企画で携わっていたアニソン雑誌の外部編集部員やライターを紹介して『リスアニ!』という雑誌が2010年4月に創刊されます。私は、当時、音楽を中心に原稿の執筆や編集もしていたので、会社に席はありませんでしたが、外部編集部員として創刊以降『リスアニ!』のプロジェクトに深く携わらせてもらいました。

現在は、毎年開催される『リスアニ!LIVE』でMCを務めさせてもらうことをメインにしながら、こういった機会にもちょくちょくお声がけをいただく関係です。

リスアニ!を手に取りながら話す冨田明宏氏

馬嶋:僕は前職がタワーレコードで、バイヤーやイベント運営をしていたんですが、実は『リスアニ!』の関係者にはタワーレコード出身者が多くて。冨田さんもそうですし、僕の前任の3代目編集長・澄川(龍一)さんもタワーレコード出身なんです。そのご縁もあって創刊からお手伝いをさせてもらい、2013年に『リスアニ!』編集部に加わることになりました。

僕は、現場で記事を作るというよりは『リスアニ!』及び『リスアニ!LIVE』のビジネス面を回していく役割で迎えられたんですが、2017年から跡を継ぐかたちで4代目編集長になりました。

現在は、不定期の特集号を発刊している紙媒体の『リスアニ!』とWebメディア『リスアニ!』の編集長を引き続き務めつつ、『リスアニ!LIVE』やさまざまなイベントのプロデューサーとして企画、運営を担当しています。

『リスアニ!』について知っておきたいこと①:『リスアニ!』創刊につながる小冊子と0号の存在

馬嶋:『リスアニ!』の創刊までにはふたつのステップがあって、ひとつ目が2009年8月12日に発売された『WHAT's IN?』(2009年9月号)に、ブックインブックとして挟み込まれた小冊子。このときは、あくまで『WHAT's IN?』という音楽雑誌の一企画だったので、表紙にも『リスアニ!』の文字はありませんでした。ちなみに、この小冊子の表紙を飾ってくれたのは中川翔子さんです。

ふたつ目が2010年2月にパイロット版的に作られた雑誌『リスアニ!』の0号で、このとき初めて『リスアニ!』という誌名を冠した紙媒体が誕生。そして、この0号で2010年4月の創刊が告知されました。

『WHAT's IN?』(2009年9月号)の小冊子と『リスアニ!』0号の表紙画像

『WHAT's IN?』(2009年9月号)の小冊子(左)と『リスアニ!』0号(右)

『リスアニ!』について知っておきたいこと②:編集方針はアーティスト、クリエイターにとことんスポットを当てる

馬嶋:『リスアニ!』の特徴はアニメ音楽を生み出す、アーティスト、クリエイターファーストであることです。アニメに登場するキャラクターやストーリーの紹介もときにはしていますが、それは必要があるときだけ。アニメ音楽に携わるアーティスト、クリエイターにとことんスポットを当てていくことが、『リスアニ!』の編集方針です。

そのことは当然、メディア全体で徹底していて、アーティストやクリエイターへのインタビューはもとより、連載企画では、アニメ監督の水島(精二)さんやミトさん(クラムボン)に執筆をお願いしたり、対談企画ではNHKの石原(真)さんやニッポン放送のアナウンサー・吉田(尚記)さんなど、他業界からアニメカルチャー、アニメ音楽に注目されている方を招いてお話を聞いたりしてきました。

アニメ、アニメ音楽との関わり方はそれぞれですが、その業界を牽引する方々がアニメ音楽のどこを面白がっているのか、内と外の意見を積極的に取り入れつつ誌面づくりを行なってきたのが『リスアニ!』です。

冨田:創刊号のカバー特集で扱ったのは『けいおん!』。この作品は掲載時、既に大人気作品だったんですが、『リスアニ!』で扱う以上はコアにやろうと。実際、創刊号では『けいおん!』の音楽の大半を手がけた音楽プロデューサーの小森(茂生)さんにロングインタビューをしたり、Vol.02では『けいおん!』のオープニングテーマ曲「Cagayake!GIRLS」を手がけるTom-H@ckさんにお話を聞いたりして、音楽クリエイターを軸に特集を組みました。

けいおん!の平沢唯と秋山澪が描かれたリスアニ! Vol.01の表紙

リスアニ! Vol.01

また、『Angel Beats!』の特集では麻枝准さん(同作の原作、脚本、音楽を担当)を特集し、Vol.03ではI’ve Soundを研究するなど、ほかの媒体ではやらないアニメ音楽に特化した特集であることにプライオリティを置いていましたね。

それと同時に、アニメ音楽の洗礼を浴びた次世代アーティストたちのお披露目の場、受け皿になるメディアであろうということも編集部では話していて。LiSAさんを筆頭に、ClariSを“歌ってみた”から発掘するなど、さまざまなアーティストに早いうちから注目していました。

今、起きている現象をきちんと記録に残すというのがメディアの仕事だという志は初めからあった気がします。アニメ音楽のムーブメントをきちんと掘り下げてメディアとして記録しておかないと、あとから振り返ることができなくなってしまうんじゃないか、という危機意識もあったと思います。

『リスアニ!』について知っておきたいこと③:アニメ音楽専門誌が生まれた時代背景

冨田:2000年代前半から中盤にかけて、いわゆる深夜アニメが大人向けのアニメとして盛り上がり、そこでアニメの主題歌を中心に歌っているシンガーや声優の方たちの活動の幅が広がっていくという流れがありました。そして、水樹奈々さんを筆頭に時代の流れを受けて活動の規模が大きくなっていったんです。

もうひとつ、『機動戦士ガンダムSEED』であったり、『鋼の錬金術師』であったり、いわゆるJ-POPアーティストやJ-ROCKアーティストがアニメとコラボレーションすることで、大ヒットを生んでいくという流れもありました。

当初、我々のようなメディア側、レーベルやレコード会社といった送り手側にとって、これらふたつの流れは、別々の潮流だと思っていたんですね。アニメ関連の話題はアニメ情報誌が扱うべきという既成概念もあって、J-POPを扱う雑誌ではアニメの主題歌、劇中歌を歌っている人を扱うことはほとんどなかった。地上波の音楽番組でも、どんなにヒットしていようがアニソンは除外される状況だったんです。

しかし、リスナー目線に立ち返ると、そのふたつは分け隔てるものではないのではないかという考えもあって。当時は『remix』という一般の音楽雑誌で私が執筆したI’ve Sound特集を掲載するような動きも始まっていたんですよね。そういった現場に私も携わっていて、レコード会社の人やアニメ音楽のクリエイターと話をする機会がどんどん増えていきました。そうすると彼らも、当たり前ですが自分たちの音楽をもっと多くの人に聴いてほしいという思いを強く持っていることがわかったんです。

そして、2000年代後半になってくると『けいおん!』『マクロスF』『Angel Beats!』といった作品が生まれ、アニメ音楽シーンの注目度がますます高まっていきました。そのタイミングで、アニメ音楽だけを扱う専門誌として『リスアニ!』を立ち上げようということになったのです。

深緑のジャケットを着た冨田明宏氏

『リスアニ!』について知っておきたいこと④:『リスアニ!』のマスコットキャラクター・リス&アニーちゃんをデザインした有名マンガ家とは?

馬嶋:『リスアニ!』のメディア展開のひとつとして、2012年に『リスアニ!TV』というアニメ音楽情報番組がスタートしました。このとき、番組の進行役としてキャラクターがいたらいいんじゃないかという話になったんです。

そこで、マンガ『ひだまりスケッチ』やアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラクター原案で知られる蒼樹うめ先生にキャラクターを描いていただこうという案が出て。お願いしたところ快諾してくださり、生まれたのがリスとアニーちゃんです。現在も『リスアニ!』のさまざまな場面にリスとアニーちゃんが登場しています。

蒼樹うめが描き下ろしたリスとアニーの画像

蒼樹うめが描き下ろしたリス(左)とアニーちゃん(右)

『リスアニ!』について知っておきたいこと⑤:編集部が発掘したClariS――『リスアニ!LIVE 2025』で第3章の幕が上がる

冨田:雑誌は2次情報を扱うことが多いですが、『リスアニ!』では創刊号から1次情報もチャンスがあれば扱っていこうという動きがありました。そんななかで、アリスとクララというふたり組が、ニコニコ動画にアニソンやボカロ曲を歌う動画をアップしているのを見つけたんです。つまり“歌ってみた”の活動ですよね。

しかも、彼女たちがカバーしていたのがkz(livetune)さんの楽曲などで、歌が上手いだけでなく曲選びのセンスも素晴らしいなと感じたんです。それで、まずは会ってみようということになり、編集部から連絡を取ってもらって、西原さんと私のふたりで北海道まで会いに行きました。

まだ、今ほど“歌ってみた”の活動がメジャーな時代ではないですし、しかも相手は中学生だというし、アリスとクララは実在する人物なのか? と不安も入り混じりながらだったんですが、本当に会うことができました(笑)。

この出会いがきっかけとなって『リスアニ!』の創刊号には、kzさんにプロデュースしてもらった、ClariSの楽曲「DROP」と「君の夢を見よう」を収録したCDが付属することになったんです。

ちなみに、思い出話としてよく話すことですが、ClariSになる前のふたりがいるレコーディング・スタジオに会いに行ったとき、休憩時間に宿題のドリルをやってたんですよ(笑)。彼女たちの音楽活動は、学業も疎かにしないという約束だったので、ふたりとも歌にも学業にも真面目に取り組んでいました。

そんなClariSが、アニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のオープニングテーマ『irony』で2010年10月にメジャーデビュー。翌年には、『魔法少女まどか☆マギカ』のオープニングテーマ「コネクト」を歌い、どんどん成長していって……非常に感慨深いものがありますね。

馬嶋:ClariS は、2014年6月にアリスが卒業し、同年11月にカレンが加入します。この発表は『リスアニ!』の誌面(Vol.19)で行なわれ、当時の彼女たちの最新シングル「Clear Sky」のCDを雑誌の付録にして、皆さんにお届けました。

PSYCHO-PASSサイコパス2が描かれたリスアニ! Vol.19の表紙

リスアニ! Vol.19

昨年は、10年間ClariSとして活動してきたカレンの卒業が発表され、11月のツアーファイナルで彼女の新たな人生の門出を見届けました。そして、今年の『リスアニ!LIVE』では、第3章として新生ClariSが武道館のステージに立ちます。

このように『リスアニ!』は、アーティスト・ClariSの誕生と成長を記録しながら、彼女たちのターニングポイントに常に立ち会ってきました。このご縁は、引き続き大事にしていきたいですね。

ネイビーのニットを着た馬嶋亮

『リスアニ!』について知っておきたいこと⑥:今後の『リスアニ!』の役割とアニメ音楽の未来を予測

馬嶋:Webの記事、紙の出版物、あるいはライブ、はたまた別の方法も含めて、アニメ音楽に携わるアーティストやクリエイターの想いを、継続して世に届けていくことが『リスアニ!』というメディアの役割だと思っています。

アニソンはユースカルチャーなので、光のような速度でどんどん変わり続けています。5年後にはどんな状況になっているのか想像するのは難しいし、もしかしたらアニソンという言葉も死語になっているかもしれない。

そういう意味では、やはりメディアという立場からしっかりと観測者でありたいなと考えています。これからもアンテナを張り続け、最新の情報を価値あるものとして、アニメ音楽のファンに届けていくことを大事にしていきたいと思います。

リスパレ!のロゴ画像

『リスアニ!』と、大阪のラジオ局・FM802のラジオ番組『802 Palette』がタッグを組んだ、新・音楽メディア「リスパレ!」。アニメ、ゲームカルチャー、ネットミュージックの枠を越えたさまざまなアーティストの音楽の魅力を“文字(インタビュー記事)と波(電波)”で発信していくメディアミックスプロジェクトも昨年から始動している。

冨田:私も音楽メディアに長く携わってきて、いわゆる紙媒体からWebやSNSを中心としたメディアに移り変わっていくのは、ライフスタイルの変化とテクノロジーの進化のなかで自然かなと思っています。

ただ、そうなったときにひとつ危惧しているのが、デジタルメディアは運営が終わったときに、それまで記録していた記事や情報も一緒に消えてしまうということ。しかも、それがひとつのジャンルに特化した専門メディアであるとなおさら影響が大きくて、そのジャンルのカルチャーや歴史が抜けて落ちてしまうことにもなりかねません。

今の時代、そういった状況に陥らないようにすることも、メディアの責任なんじゃないかと思うんですよね。特に、『リスアニ!』のように15年という時間を記録してきたメディアには、それが問われていると思います。

2000年代にどんなアニメ音楽のカルチャーが花開き、現在につながっているのか。そしてこれからの未来につながっていくのか。振り返ったときに、しっかりその時代を記録しておくことがアニメ音楽メディアとしての『リスアニ!』の責任だと思うので、しっかり継続しつつ、引き続き熱量の高い記事で読者の方々を楽しませてほしいなと思います。

『リスアニ!』について知っておきたいこと⑦:関連サイト&SNSまとめ

■リスアニ!公式サイト
https://www.lisani.jp/(新しいタブを開く)

■リスアニ!LIVE 2025公式サイト
https://www.lisani.jp/live/(新しいタブを開く)

■リスパレ!公式サイト
https://funky802.com/lispale/(新しいタブを開く)

■リスアニ! X公式アカウント
https://x.com/Lis_Ani(新しいタブを開く)

■リスパレ! X公式アカウント
https://x.com/lis_pale(新しいタブを開く)

取材・文:志田英邦
撮影:干川 修

後編につづく

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