ボブ・ディランについて知っておきたい12のこと①
2025.02.27


『リスアニ!』&『リスアニ!LIVE』を知り尽くす音楽評論家・冨田明宏氏と現編集長・馬嶋亮が語る、『リスアニ!』と『リスアニ!LIVE』について知っておきたい15のこと。
後編では、『リスアニ!LIVE』について知っておきたい8つのことを聞いた。
目次

冨田明宏氏
Tomita Akihiro
音楽プロデューサー/音楽評論家

馬嶋 亮
Majima Ryo
ソニー・ミュージックソリューションズ
『リスアニ!』4代目編集長
アニメ音楽誌『リスアニ!』がプロデュースするアニメ音楽ライブ。雑誌『リスアニ!』が創刊された2020年12月に第1回を開催。2025年1月に開催される『リスアニ!LIVE 2025』で15回目を迎える。第1回と第10回を除き、日本武道館で開催。
記事の前編はこちら:『リスアニ!』と『リスアニ!LIVE』について知っておきたい15のこと①
馬嶋:『リスアニ!LIVE』が立ち上がったきっかけのひとつには、アニソンのライブイベント『Animelo Summer Live』(以下、アニサマ)の存在があります。2005年にスタートした『アニサマ』は、その後、規模がどんどん大きくなっていて、今では、アニソンのライブとして最大規模のイベントになっています。
その成長過程を見るなかで、メディアの視点が入ったアニメ音楽のイベントも成立するのではないかと考え、企画されたのが『リスアニ!LIVE』です。誌面でアーティストを取材し、そのアーティストが実際にステージに立つ。音楽メディアならではの音へのこだわりを生バンドで表現してもらったり、MCの時間で表現してもらったりして、アーティストやクリエイターの想いも知ってもらう。そういうイベントになることを目指して、『リスアニ!LIVE』は企画されました。
馬嶋:『リスアニ!LIVE』を“ライブ”と定義しているのにはふたつ理由があります。ひとつは、それぞれのアーティストに、今のベストなセットリストを組んでもらうため、各アーティストの持ち時間を長く設定していること。これは、アーティストのワンマンライブの一部を抜き出し、それを『リスアニ!LIVE』のステージ上で表現してもらいたいというコンセプトがあるからです。
タイアップのアニソンだけでなく、アルバム収録曲を披露してもらってもかまわないし、この曲とこの曲の間でぶち上げたいから、みんなで声を出せるこのキャラクターソングを入れようとか、そういう個々のアーティストのライブ文脈を取り入れられるのが『リスアニ!LIVE』の特徴と言えます。
ふたつ目は、ステージ上の演奏がすべて生バンドであること。生バンドの音の迫力と音圧をアーティストにもお客さんにも肌で感じてもらいたいというこだわりがあるので、業界屈指のサウンドクリエイターでもある黒須克彦さんがバンマスを務めてくださる「リスアニ!バンド」の存在も、『リスアニ!LIVE』に欠かせない要素です。
ちなみにアーティストのなかには、生バンドでパフォーマンスをするのが初めてという方もいて、あとで感想を聞くと「生バンドを体験したらオケには戻れない」と言うアーティストが多いですね。
馬嶋:今年で15回目を数える『リスアニ!LIVE』は、第1回を国際フォーラム ホールAで開催し、2回目以降は日本武道館で開催しています。武道館にこだわっているのは、やはりこの地が日本の音楽シーンにとって聖地のひとつであるとういうこと。
そしてワンマンでは、まだ武道館のステージに届かなかったとしても、このステージから見える景色を体感してもらうことで、アーティストとしての成長につなげてもらい、将来、自分だけの武道館ライブを目指してほしいという思いも込めています。
とはいえ、今は素晴らしい会場が各地にたくさんできていますので、今後は武道館だけにこだわらずにさまざまな場所で“アニメ音楽”をお届けしたい、という思いも芽生えつつあります。
ちなみに、1回目以降は武道館と言いましたが、記念すべき10回目の『リスアニ!LIVE』は武道館が改修工事に入っていたため使用できず、幕張メッセのイベントホールで開催しています。
冨田:やはりアーティストごとにこのステージにかける思いが違うので、それぞれの人間模様が見られるのは面白いですね。なかには喋ることを事前に考えて、メモやノートに書いたものを出番の直前まで緊張の面持ちで読み返しているアーティストもいますし、逆に直前まで舞台袖で世間話をして、リラックスした状態のままステージに上がっちゃうアーティストもいます。方向性は違いますけど、それぞれ自分らしいパフォーマンスをするためのプロセスとか、スタイルが違うのが面白いんです。
武道館のステージに上がるために何年も頑張ってきて、ようやく辿り着いたというアーティストもたくさんいるので、MCという立場としては、幕間のトークコーナーでその思いを聞き出し、アーティストの人柄も伝わるようなMCを務めたいといつも考えています。
馬嶋:『リスアニ!LIVE』は、今年の開催で15回目を迎えますが、2020年3月から本格化したコロナ禍においても、緊急事態宣言や外出自粛要請がありながらも、休むことなくなんとか続けることができたんです。
ただ、この期間に開催した『リスアニ!LIVE』は、ほかのライブイベントと同様に客席の半減、マスク着用必須、声出し禁止などのさまざまな感染防止対策が求められ、配信と併用するハイブリッド公演のかたちで実施しました。コロナ禍が収束した今では、大きな声を出して楽しめるライブが日常的に行なえるようになりましたが、あのときは本当にみんなが大変でしたね……。
『リスアニ!LIVE 2021』の2日目、SUNDAY STAGEに出演してくれた南條愛乃さんが「この状況をいつか笑って話せるときがくるといいね」と言っていたのが、すごく印象的で記憶に残っています。
冨田:実は、ステージの進行上で、お客さんにもわかるような大きなトラブルというの発生していないんですよね。ライブの神様に守られているのかもしれない(笑)。ただ、裏では機材のテクニカルなトラブルは結構あって、例えばアーティストのイヤモニに音が返っていなかったなんてことが発生しています。
でも、そんなときは決まって、アーティストが自分たちの力でカバーしてくれていて。本来アーティストにとって大きなステージでイヤモニに音が返っていない状態って絶望的なんですよ。でも、皆さん、プロ根性でやり遂げる。あれは本当にすごい。感動を覚えますね。
馬嶋:最近だと、昨年のMyGO!!!!!のステージですね。演奏中に要 楽奈役の青木陽菜さんのギターがトラブルで音がでなくなってしまって。
役者としてギターを弾き始めた彼女が、その状況において自身でトラブルからリカバーして、演奏に戻ったんですよね。純粋にギタリストとしても優秀だと改めて感じました。トラブルとリカバーをあのステージで見せたことで、自分たちの演奏であるということも改めて知らしめた。彼女たちの実力を見せつけたできごとだったと思います。
馬嶋:いろいろな思い出がありますが、自分のなかで印象深いのは『リスアニ!LIVE 2016』の川田まみさんのステージですね。川田さんに大トリを務めていただいたのですが、ステージ上でアーティストとして引退宣言をされたんです。
ファンはもとより関係者もほとんど知らされてなくて、みんなそれを生で聞かされて驚いたという。川田さんは第1回の『リスアニ!LIVE 2010』から出演してくださっていて、彼女が所属するレコード会社のプロデューサーともども、創刊から非常に多くの場面でご一緒させていただきました。
そういう血の通ったおつき合いをしてきたアーティストが、活動の区切りをつける場として『リスアニ!LIVE』のステージを選んでくださったことが、光栄ですし、すごく思い出深いものになりました。
冨田:私も同じくなんですが、違う視点で印象深かったのは、その発表のときに、PA卓のうしろのところで、川田さんのステージを観ていたLiSAさんが号泣していたことです。
あの引退の言葉をどのように受け止めたのか、それはLiSAさん本人にしかわからないことですが、ひとりのアーティストがマイクを置いた瞬間を、多くの人がそれぞれの想いで見つめた瞬間として、私も強く印象に残っています。
馬嶋:3日間、すべてのアーティストが見どころですね。それは間違いないです。そのうえで、『リスアニ!LIVE』の特徴を踏まえた注目ポイントを挙げるなら、SATURDAY STAGEに『学園アイドルマスター』から、初めてバンドセットで登場する小鹿なお(月村手毬役)from 初星学園。
『学園アイドルマスター』のファンの方にとっては、これまでに観たことのないスケールのライブになると思うんですよね。おそらく小鹿なおさんにとっても挑戦のステージになると思うので、歴史の生き証人になれるようなテージになるのではないかと期待しています。
冨田:初お披露目ということでは、FRIDAY STAGEのオルケリア from プリンセッション・オーケストラも注目です。いわゆる“ニチアサ”系アニメ作品でありながら、音楽制作に菊田大介さんを中心としたElements Gardenが関わっていて……。
Elements Garden代表の上松範康さんが作詞、作曲を手がけたOP主題歌「ゼッタイ歌姫宣言ッ!」もアニソンとしてかなり強力な1曲で、彼らが音楽を担当した「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズの系譜にあるサウンドですが、これが『リスアニ!LIVE』のステージでどのような化学反応を起こすのか、注目したいです。
馬嶋:繰り返しになりますが20組すべてのアーティストが見所です! ニューカマーからベテランまで、最も旬なアーティストがラインナップされた『リスアニ!LIVE』の15回目に相応しい3日間になります。すべてのアーティストの“今”を楽しんでもらいたいですね。
記事の前編はこちら:『リスアニ!』と『リスアニ!LIVE』について知っておきたい15のこと①
取材・文:志田英邦
撮影:干川 修

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