昭和~平成音楽ブームを受け止めるMVの巨大図書館『MUSIC Liverary』が生まれた至極真っ当な理由
2025.10.10


今年1月までの約2年間、アニメ『ソードアート・オンライン』の世界観が楽しめるコラボコンテンツ『ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-』(以下、SAO -アノマリー・クエスト-)を展開してきた『THE TOKYO MATRIX』が、2025年3月20日、“生身で遊ぶアクションRPG”をテーマにした「ダンジョン∞スパイラル」をリニューアルオープンした。
ゲームのコンセプトから抜本的に見直し、生まれ変わった新アトラクションについて、本施設のチーフプロデューサーを務めるソニー・ミュージックソリューションズ(以下、SMS)の松平恒幸に聞いた。
目次

松平恒幸
Matsudaira Tsuneyuki
ソニー・ミュージックソリューションズ
コロナ禍の収束を間近に控えた2023年4月、国内最大規模の繫華街である新宿歌舞伎町で開業した複合施設・東急歌舞伎町タワー。その4Fに体験型アトラクション施設としてオープンしたのが『THE TOKYO MATRIX』だ。オープンから約2年間は、コロナ禍で求められた非接触などの風習を設備に取り入れながら『ソードアート・オンライン』とのコラボアトラクション『SAO -アノマリー・クエスト-』を展開してきた。そんな『THE TOKYO MATRIX』がこの度、施設、設備を含めて大規模な改修を行ない、“生身で遊ぶアクションRPG”をテーマにアトラクションをリニューアルオープン。人気IPとのコラボも準備しながら、歌舞伎町の街にロケーションベースエンタテインメントを展開する。
『THE TOKYO MATRIX』概要
コンテンツ:生身で遊ぶアクションRPG「ダンジョン∞スパイラル」
住所:東急歌舞伎町タワー4F(東京都新宿区歌舞伎町一丁目29番1号)
営業時間:11時~23時(平日)/10時~23時(土日祝日)※最終エントリーは22時
プレイ時間:約40~60分
料金:2,250円(大人)/1,250円(子ども※13歳未満)
※推奨年齢は小学生以上(身長120cm以上)、漢字を含む説明が読める方がパーティーに入っていること
――まずは「ダンジョン∞スパイラル」のリニューアルポイントの概要を教えてください。
『THE TOKYO MATRIX』には、もともと以下の4つの特徴がありました。
①身体を使ったアトラクションであること
②チームで遊ぶアトラクションであること
③リピート性の高いアトラクションであること
④テクノロジーを使った先進性があること
この部分は、施設として踏襲しながらも、「ダンジョン∞スパイラル」ではいくつかのコンセプトを抜本的に変えました。最も大きな変更点は“攻略型”から“冒険型”にシフトしたことです。
前回の『SAO -アノマリー・クエスト-』は、厳しいミッションクリア条件がプレイヤーに提示され、それを突破していくことでストーリーが進んでいくスタイルでしたが、今回はチームみんなでクエストに挑戦しながらダンジョンを冒険し、結果的に冒険の背景にある物語的な部分も垣間見えるという仕組みになっています。
――ストーリー性よりも、プレイヤー自身のアトラクション体験が重視されるということですね。
はい。積極的な運動体験を味わっていただけるアトラクションになりました。
また、今まではミッションクリアに失敗すると途中で脱落することになり、そのうえでクリア条件も相当厳しくしていたので、慣れていないチームだとプレイ時間があっという間に終わるということもありました。
ですが「ダンジョン∞スパイラル」では基本的に“脱落”という概念がないので、プレイが上手でも下手でも誰もが一定の長さの冒険を楽しむことができます。ここは大きなリニューアルポイントですね。
――『SAO -アノマリー・クエスト-』での経験を踏まえての改変ということですか?
そうですね。もともと『THE TOKYO MATRIX』はコロナ禍に企画を作り込んだという背景があり、コラボレーションする作品も『ソードアート・オンライン』という熱狂的なファンを持つアニメシリーズだったので、より広い層に向けてというよりは、ディープなユーザーが繰り返し楽しむタイプのアトラクションにしようと、ターゲット層をかなり狭めました。
しかし、コロナ禍が収束してからは、東急歌舞伎町タワーに海外からの観光客はもちろん、ファミリーやカップルまで多種多様なお客様がいらっしゃるということがわかりました。であれば、当初のコンセプトよりも幅広い層に楽しんでいただける施設にする必要があると感じたんです。
――さらに開かれたアトラクションに進化させる必要があったということですね。
その通りです。『SAO -アノマリー・クエスト-』は10代、20代の男性層を中心に2年間で約12万人の方々に楽しんでいただきました。『ソードアート・オンライン』のファンの方々が聖地として訪れてくださいましたし、毎週末、地方から上京される方や最高1,200回プレイした方など、ヘビーリピーターになってくださる方もいらっしゃいました。
それは良かったのですが、やはりトータルで見るとお客様の絶対数をもっと増やさなくてはいけない。そして、増やせるだけのポテンシャルが、この場所にはあると感じたんです。だからこそゲームコンセプトから根本的に見直すというのが、今回の『ダンジョン∞スパイラル』へのリニューアルの使命になりました。
――コンセプトを見直したのと同時に、システム面も大きく改善したと聞きました。
はい。システムに関しては2年間『SAO -アノマリー・クエスト-』を運営してきて、最も改善したかったポイントです。『THE TOKYO MATRIX』では、繰り返しアトラクションを遊んでもらうために、プレイヤーの戦歴や入手したアイテムなどの記録を、プレイヤー自身のIDに紐づけていつでも呼び出せるようにしています。
ただ、リニューアル前までは、この登録を個人のスマートフォンを使ってやっていただいていて、遊び始めるまでの手順が煩雑になっていました。これは、コロナ禍でお客様とスタッフの接触を極力減らすために導入したシステムだったので、仕方のない一面はあったのですが、多くの方から改善を求められていたのも事実。
そこで今回は『THE TOKYO MATRIX』入口に受付用のタブレットを6台設置して、パーティーメンバーの登録からアバター、バディキャラの選択まですべてをここで操作し、すぐ冒険に旅立てるようにしています。
――料金の支払いもそこで?
いえ、入り口で待ち列ができてしまうのは避けたかったのと、ゲームの途中で追加課金が選択できるシステムなので、プレイ料金を含めたすべての支払いはゲームが終わったあとに行なっていただくシステムにしました。
また、先ほど話に挙がったプレイ記録の紐づけは、チェックアウトの際にお渡しするレシートにQRコードが表示されていて、それをプレイヤーが個別に読み込んでメールアドレスを登録していただくと、プレイヤーIDが保持される仕組みになっています。
2回目以降のプレイは、そのIDを使って簡単に再開することができます。個人IDとロケーションベースエンタテインメントを紐づけたシステムとしてはいい形のものができたと考えています。
――繰り返し遊ぶこと自体にもメリットがあるそうですね。
はい。今回の「ダンジョン∞スパイラル」のゲームシステムとして、クエストレベルは全部で6層あるのですが、5、6のクエストを遊んでいただくには、1~4までのクエストの結果に応じて与えられるメダルが一定数以上必要になります。
足りないメダルは、その場で課金すればクエスト5、6を続けて遊ぶことはできるのですが、1~4を繰り返し遊んで必要数のメダルを貯めて、クエスト5、6に挑戦することも可能です。遠方からいらっしゃっていたり、遊べる時間が限られていたりする方には課金をご利用いただき、日を改めて遊べる方はメダルを貯めてチャレンジしていただく。遊び方の自由度も高くなりました。
――内容面でいうと、前回は『ソードアート・オンライン』とシンクロしたコラボストーリーを提供していましたが、リニューアル後は「ダンジョン∞スパイラル」というコンテンツがベースにあって、そのうえでIPとのコラボが実施されるということも大きな変更点です。
はい。ゲーム内容と並ぶ重要なコンセプトの変更が、“さまざまなIPとのコラボが簡単にできる仕様”であることでした。そこでベースとなるストーリー設定を考え、そのストーリーに登場するキャラクターとしてIPとのコラボを実現するシステムに変更。これによって、より多くの層にアピールできるアトラクションに生まれ変わらせることができました。
――ベースとなるストーリーづくりでこだわった点を教えてください。
我々が出した原案をシナリオライターの方にまとめていただいたのですが、内容でこだわったのは、タワーのなかにダンジョンがあり、そこを冒険するという設定。
『THE TOKYO MATRIX』がある東急歌舞伎町タワーというランドマークにありますが、ここにはモンスターが棲むダンジョンが広がっていて、プレイヤーたちは自分のアバターを選ぶことで、モンスターを倒す力を授かる。
そしてガイド役を名乗る不思議な猫・ゲオに導かれながらダンジョン内を冒険することで、このダンジョンは誰が何のために作ったのか? という秘密に迫ることができるという内容にしました。
コンテンツの主眼はあくまで、プレイヤーたちが主人公として紡ぐ冒険で、それを前提にしていろんな設定を作り込んでいます。
――ファンタジー要素の強い設定ですが、プレイヤーの分身であるアバターが、空手やフィギュアスケート、野球、フェンシングといったスポーツがモチーフになっていて、アバターの特殊能力が選んだスポーツに準じています。この発想はどこから?
2年間の運営のなかで、ユーザーの皆さんがアトラクションに求める要素として大きいのが、スポーツライクなアクションでゲームをクリアする爽快感であることが見えてきました。
そもそもゲーム×スポーツは非常に親和性が高く、アトラクションの内容とアバターをスポーツに寄せることで、詳しいルール説明ナシに直感的にゲームを遊んでもらうことができます。
プレイヤーがパンチを繰り出す、ボールを蹴ったり投げつけたりして攻撃する、タイミングよくジャンプするなど、「ダンジョン∞スパイラル」はスポーツアクション性の高いゲームに特化しているので、アバターもスポーツモチーフが最適だとなりました。
――アバターもいろいろ選べますね。
アバターはそれぞれ異なるスキルと得意技を持っていますし、クエスト中に入手できる強化アイテムも存在します。さらに、アバターには育成要素もあり、繰り返し「ダンジョン∞スパイラル」を遊んでいただくことでアバターを成長させることもできます。ちなみに、アバターのバリエーションは今後も追加していく予定です。
――キャラクターでいうと、アバターに関智一さん、戸松遥さん。ゲームの進行を助けるガイドキャラとチュートリアルキャラに天城サリーさん、鮎貝健さん。バディキャラには戸谷菊之介さん、木村昴さん、雨宮天さんと、声優陣も非常に豪華です。
ボイスへのこだわりは、より臨場感と没入感を増す要素として『SAO -アノマリー・クエスト-』から踏襲しています。アバターは男性キャラを関さん、女性キャラを戸松さんに演じていただいていますが、1体ごとに演じ分けをしていただいているので、そこも聞きどころですね。
またボイスに関する「ダンジョン∞スパイラル」の一番のリニューアルポイントは、ゲームの進行をサポートするガイドキャラとチュートリアルキャラの声を、日本語と英語で切り替えられることです。そこで天城サリーさん、鮎貝健さんという英語も堪能な方に担当していただきました。
――スポーツテイストのアトラクションを、ファンタジー要素満載のオリジナル設定で遊べる「ダンジョン∞スパイラル」ですが、ゴールデンウィーク直前の4月25日からは、IPコラボレーション第1弾として、人気アニメ『リコリス・リコイル』のキャラクターが登場します。
はい。メインキャラクターである錦木千束(CV:安済知佳)、井ノ上たきな(CV:若山詩音)、クルミ(CV:久野美咲)の3人が、「バディキャラ」として召喚できます(有料・各1,500円・グッズつき)。
アニメの劇中でも披露されていましたが、千束は攻撃回避の天才ですし、たきなは射撃が得意。クルミはハッカーの特殊スキルを持っていますので、それを駆使したサポートをしてくれます。各キャラクターごとに録り下ろしボイスやイラストを用意していて、その数は140以上になります。
――『リコリス・リコイル』ファンがより楽しめる要素もあるそうですね。
この3人を召喚すると、召喚の証(あかし)として、本施設オリジナルのアクリルキーホルダー型「バディクリスタル」が手に入ります。
「バディクリスタル」は通常と同じく、各プレイヤーがひとりずつ召喚可能なのですが、例えばプレイヤーチームの3人がそれぞれ千束、たきな、クルミを召喚すると、『リコリス・リコイル』キャラクターと6人でパーティーを組んで冒険しているような新感覚の体験が味わえますね。通常時と同じく、バディキャラは一度召喚すれば何度でもプレイ可能なので、繰り返し足を運んでいただけたらと思います。
――『THE TOKYO MATRIX』でしか手に入らないグッズの展開もありますね。
はい。まず「ダンジョン∞スパイラル」に一緒に行こう! 一緒に冒険しよう! というテーマで描き下ろしイラストを作りました。それをモチーフにしたグッズを弊社SMSのMDチームが多数制作。ここでしか買えない『リコリス・リコイル』×『ダンジョン∞スパイラル』グッズを用意してますので、そちらもぜひ楽しみにしていただきたいです。
――『リコリス・リコイル』以降もIPコラボは続きますか?
もちろん準備中です。ソニーミュージックグループのIPだけでなく、幅広く国内外の人気IPとコラボレーションしていく予定です。
――「ダンジョン∞スパイラル」へのリニューアルを通じ、新宿・歌舞伎町で提供するロケーションベースエンタテインメントについて、松平さんが改めて思うことは何でしょうか?
まずひとつ目はインバウンドの視点ですね。新宿・歌舞伎町はインバウンドが日常的に見込めるエンタテインメントシティであり、圧倒的なインバウンド量を誇ります。なかでも英語圏の観光客が多いことが特徴で、すべての観光客がエクスクルーシブな東京ならではの体験がしたいと強く思っている。
『THE TOKYO MATRIX』は、そういう方々に気楽に楽しんでいただける場所として機能させたいと考えています。『THE TOKYO MATRIX』は今回のリニューアルによって、そのニーズに応えられるものになったと思うので、より大きくPRしていければと考えています。
――ふたつ目は?
この2年間、歌舞伎町という街をリサーチしてわかったことが、東急歌舞伎町タワーのある新宿東口界隈は、“積極的に遊びたい”気持ちで数時間以上滞留、回遊する人が多いということです。
僕らは、そういう人たちのことを新宿レジャー層と呼んでいますが、この新宿レジャー層の多くがおひとり様ではなく、友達や恋人など“誰かと一緒”で、その滞留、回遊の基点が歌舞伎町の映画館、つまり東急歌舞伎町タワーは、新宿レジャー層の遊び場として非常に適切だということがわかったんです。
――『THE TOKYO MATRIX』のアトラクション体験は、まさに仲間と一緒に時間を過ごすエンタテインメントですからね。
はい。なので、本施設のPR先としてインバウンド層と新宿レジャー層は、ビジネス的にも最も重視しなければならない顧客層だと考えます。
そしてもうひとつ『THE TOKYO MATRIX』として大事にしたいのは、滞留、回遊客のニーズにいつでも応えられるよう、予約なしでもふらりと遊びに来られる施設であることですね。
コラボ期間中の土日祝日は混み合う可能性が高いですが、平日はゆとりがあります。また公式サイトやSNS上の告知だけでは実感できないかもしれませんが、「ダンジョン∞スパイラル」のクエストはそれぞれ、本当にアクション性が高いです。
屋内型アトラクションとしては、屈指の運動量を誇っていますので、ジムに通うのは面倒だという方の運動不足解消にも最適です。ぜひ思い立ったときに遊びに来ていただきたいです。プレイが終わったあとのビールも格別ですよ(笑)。
文・取材:阿部美香
撮影:干川 修
2026.07.06
2026.07.05
2026.07.04
2026.07.03

2026.07.02
2026.07.01
ソニーミュージック公式SNSをフォローして
Cocotameの最新情報をチェック!