KJRGL(カジャーグル):人気オーディション出身者を含むボーイズグループが今踏み出す第一歩を語る
2024.12.20


今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る連載「Eyes on」。
今回は、2023年に上演された『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』で主演の後藤ひとり役としてデビューし、2025年3月に初のEP『まもってほしいの。』をリリースした、守乃まもへのインタビュー。音楽を始めたきっかけから、『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』出演の裏話、そしてこれからの展望を語る。
目次

守乃まも
Mamono Mamo
2023年に上演された『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』で主演の後藤ひとり役としてデビュー。2024年3月、デジタルシングル「いちごジャムにチーズ」をリリースし、音楽アーティスト活動もスタート。2025年3月には初のEP『まもってほしいの。』をリリース。6月に横浜と大阪で行なわれる『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」at KT Zepp Yokohama/Zepp Namba(OSAKA)』に後藤ひとり役として出演予定。
――改めて、デビュー作となった『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』のオーディションを受けた経緯を聞かせてください。
オーディション当日の2~3日前ぐらいにたまたま声をかけてもらいました。当時、引きこもっていて、全然外に出てなかったんですけど、連絡をもらった日はちょっと気分が良くて。これはいい経験になるかなと思って、落ちる気で受けたんですけど……受かっちゃったんです。「え……嘘だ。受かるはずない。なんで?」ってなりました。信じられなかったです。
――そんなに戸惑っていたんですね。でも、世間的には“リアルぼっちちゃん”と称するくらいのハマり役でした。
私自身は全然似てないと思ってます。私のほうが人と関わったりできないし……それに彼女は協力的。女の子3人とバンドを組むことはすごく大変だと思うんですけど、それをできてるのはすごいです。
――似ているところはありましたか。
自分ではわかんないです。でも挙動不審になっちゃうところとか……人の前でしゃべるのも得意じゃないし、姿勢とか歩き方も普段のままなので、そこはちょっと似てるんですかね。
――キャラクターだけではなく、ギタリストとしての再現性の高さも話題でした。
後藤ひとりさんはめちゃくちゃうまいんですよ。レベルが違うんです。私は、ギターを弾くのは好きですけど、テクニカルなことはできないので。皆さんがすごいって言ってくださってうれしいんですけど、もっとうまくならないとダメです。
――もともとギターを弾いていたんですよね。
はい。家にギターがあって、お父さんもお兄ちゃんもギターを弾いてたんです。最初は小学3年生のときに、アコースティックギターでイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」のイントロだけ弾いて。エレキギターでギターソロにも挑戦したけど、難しくてやめちゃいました。ザ・ビートルズの「サムシング」のギターソロも、ちょっと無理でしたね。
そのあと、小学6年生のころにお兄ちゃんがTHE BLUE HEARTSのCDを借りてきて。“おおっ!”って衝撃を受けて、すぐにバンドスコアを買いました。とにかくマーシー(真島昌利)さんのギターがカッコ良くて。そこから毎日、学校行く前に弾いて、学校帰ってきたらまた弾いて。人生で一番と言っていいくらいエレキギターに打ち込んでいましたね。
――THE BLUE HEARTSのほかには、どんな音楽を聴いていましたか?
もともとグリーン・デイやオアシスも聴いていて。中学生のころは神聖かまってちゃん、ドレスコーズ、The SALOVERSとか聴いてましたね。The SALOVERSの古舘(佑太郎)さんが作る曲が好きで。THE 2のライブも観に行きました。
あと、ゴールデンボンバーにもめちゃくちゃハマりました。中学2年生の終わりごろ、クラスでお別れ会をやったんですけど、そのとき「女々しくて」が流行ってて。全部コピーすることになって、ミュージックビデオを見て、フリを全部覚えました。私は樽美酒(研二)さんの役で白塗りをして(笑)。最初は「女々しくて」しか知らなかったんですけど、YouTubeを見たら面白い動画がいっぱいあって。鬼龍院(翔)さんのクリエイティブにハマりました。
――クリエイティブの面ではルーツのひとつになっているのかもしれないですね。
なってると思います。DVDに収録されていた、爆走する車内でケーキをみんなで作る特典映像とか、やばいんです! 本当にすごく面白くて。ライブの演出もすごい。あと、挫・人間やJUDY AND MARYも好きですね。高校1年生のころは高校生活を楽しんで、2~3年生のときにまた音楽に熱中する生活に戻ったんですけど、自分で曲づくりを始めてからは曲を聴かなくなっちゃって。
――自分で曲を作り始めたのには、何かきっかけがあったのでしょうか。
ある日、パソコンとスマホとギターが一日で全部壊れちゃって(苦笑)。そのときに、「ちゃんとしなきゃまずい!」と思って、曲づくりを始めました。
――どういう経緯で全部が壊れたんですか?
友達とスタジオに行ったときに、持っていたギターをスタンドに置いたら、スタンドが倒れて、ネックが折れちゃったんです。まだ弾く前ですよ! 初めて自分で買ったギターだったので、悲しみながら帰っていたら、駅の改札を出たところで、ポケットからスマホが落ちて割れちゃって。
ギターもスマホも壊れちゃったから、家にあるノートパソコンで曲とか作ってみようかなーって思っていたのに、帰ったら机から落ちてて……。「あっ、全部ダメだ……」と思ったのと同時に、これを機に全部機材を一新して、真剣にやってみようと思いました。
――聴いていた音楽は全部バンドですけど、バンドをやりたいという気持ちはありましたか?
ありました。バンドにすごい憧れがあって。楽しそうだし、カッコいいし。
――実際にバンドを組んだことはあったのでしょうか。
一回だけ。たぶん流行ってた曲をコピーしてたと思うんですけど……あんまり覚えてないです。
――音楽で食べていこうという気持ちはなかったんですか。
なかったです。食べていこうって気持ちじゃなく、音楽はあくまでも“やりたいこと”って感じでした。
――演技の経験はあったのでしょうか?
ないです! 緊張しすぎて覚えてないんですけど、オーディションのときは本当に190億%落ちただろうなっていう演技をしました。思い出そうとすると頭が熱くなっちゃいますね。
オーディションって、たくさんの人がいるじゃないですか。審査員のほかに受ける方たちもたくさん……久しぶりに外に出て、人がいっぱいなところでめっちゃ緊張しながら演技をして。「いい経験になった、偉いな、自分」って思っていました。
――でも、合格して、演技とギターの練習の日々が始まりますよね。
自分との戦いでした。舞台での演技って声が大きくないと聞こえないじゃないですか。私自身、人前で大きい声を出すことが難しくて。恥ずかしいっていう気持ちが勝ってしまって大変でした。
でも、周りの人がみんな優しかったおかげで、私はやり通せたと思います。私、怒られるとやる気を失ってしまうタイプなんですけど、皆さん優しくて、やる気が保てました。
私はこんな人間なのに、感謝の気持ちでいっぱいです。あとは、後藤ひとり役だったから良かったのかもしれない。ほかの役だったらできなかったかも。そういう意味では、皆さんが言うように合ってたのかなと思います。でも、後藤ひとりさんはボソボソしゃべるけど、舞台で本当にボソボソ話すと聞こえなくなっちゃうから、それがすごく難しかったです。
――初演の感想を教えてください。
初めてで何もわかってないうえに、PARTⅠは、ほぼ舞台に出ずっぱりでセリフもすごい量があって大変でした。一度、水を飲むタイミングを自分で管理できてなくて、配信されてるのに咳が出そうになったんです。たぶん、我慢しすぎて顔が真っ赤になってました(笑)。何回やっても最初に登場するシーンはすごく緊張しますね。あと、滑舌が悪いから疲れてくるとカミカミになっちゃって……恥ずかしい。
――結束バンドはどうでしたか。最初に音を合わせたときのことを覚えていますか?
覚えてます。初合わせなのに「あ、意外といけるかも?」と思いました。あと、公演が進むにつれて、どんどん上手くなっていったかなと思います。最後の公演は特に息が合ってたと思います。
でも、なにより、みんないい人ばかりで。奇跡ですよね。周りの人が優しかったから最後までできたんだと思います。だから本当に“皆さん、ありがとうございます”って感じです。
――評判や反響は届いていましたか?
最初は怖くて。アニメの舞台化なので、いったいどんな反応が返ってくるのか。怖い怖いと思いながらもエゴサーチしたら、めっちゃ褒められてて。しかも、トレンド入りまでしてて。“まじ? いいっすか?”ってうれしかったです。でも、ここで調子に乗らないようにしないとって思って頑張りました。
――お父さんとお兄さんは、守乃さんが“ギターヒーロー”になったことに対して、何か言っていましたか?
舞台は家族みんな観に来てくれて。恥ずかしいけど、感動して泣いてたみたいです。みんな、涙もろいんですよね。お父さんはそこから『ぼっち・ざ・ろっく!』に興味を持って、アニメも全部見てました。お兄ちゃんはめっちゃギター上手いんですけど、褒めてくれました。「ギター、うまくなったね」って。うれしいです。
――本当にうれしそうですね。再演とPARTⅡが決まったときはどんな心境でしたか?
「どうしよう!」って思いました(笑)。PARTⅠは出番とセリフの量が多かったのに加えて、PARTⅡでやる曲はすごく難しくて。「星座になれたら」はおしゃれだし、やったことないジャンルだし、無理だと思いました。“PARTⅠも再演するんでしょう? え、待って!”ってすごく不安だった。PARTⅠをまた思い出すっていうのもすごく大変で、やばかったですね。
――PARTⅠに関して、初演と変化はありましたか?
本当に細かいところで、セリフとダンスがちょっと変わって。あと、台風のライブシーンの3曲目が、初演のときは「青春コンプレックス」だったんですけど、初演と再演の間で総集編のアニメーション映画が公開されて、3曲目が「ドッペルゲンガー」だったことが判明したんです。なので、変更になったんですけど「ドッペルゲンガー」もすごく難しい曲で。前半の公演が中止になってしまって、結局3回しかできなかったんですけど、やって良かったと思います。
――PARTⅡはミニライブがありましたね。
PARTⅠよりちょっと出番もセリフも減って。PARTⅠより、落ち着いて楽しくできました。その分、バンド演奏が多くなったんですけど(苦笑)。もう頑張るしかなかったのに、まだまだだなと思いました。“ああ、今日も失敗した”って。毎日、落ち込んでましたね。
――カーテンコールを含めて、再演となるPARTⅠ「STARRY」が170分、PARTⅡ「秀華祭」が160分ほどありました。1日で約6時間という長い公演に挑んだ日々を終えて、何か感じたことはありましたか?
いい意味で“終わったー!”って、やりきった感がありました。あと、PARTⅠとPARTⅡの間にお弁当をいっぱい食べたんですけど、お弁当が毎日おいしくて太っちゃいました。写真を見て、「めっちゃ太った」って思って。本当に反省して痩せました。
――再演前にはデジタルシングル「いちごジャムにチーズ」でソロアーティストとしてもデビューしました。
守乃まも「いちごジャムにチーズ」Music Video
役者志望なわけではなくて、音楽を一番にやりたいと思っていたので、自然の流れというか。舞台もお芝居だけじゃなくて、音楽もできると聞いて“よっしゃ!”って感じでした。しかも、バンド形態でライブができたのが、すごくありがたかったです。
――ソロのシンガーソングライターというよりは、バンドっぽいイメージでしょうか?
そうです。でも、私はバンドが組めない人間だから、なんと言っていいのか、自分でもよくわかんないです(笑)。とりあえず、今は、ライブもレコーディングも同じメンバーにサポートしてもらっているんですが、みんな優しくて、上手くて。しかも、私のデモ音源を尊重してくださってて、レコーディングもライブもそれに近づけてくれるのがうれしいです。だから、“まもが5人いる”みたいなバンドです。
――今年の3月には1st EP『まもってほしいの。』がリリースされましたが、どんな1枚になっていますか?
私がよくわかる1枚ですね。私の説明書みたいな感じで、いろんなジャンルの曲が入ってるので楽しいと思います。統一性がなくて、ごちゃごちゃな感じが私っぽい。だから、最初のEPにぴったりだと思います。
――楽曲制作はどんなときにしているのでしょうか。
映画を見たり、漫画を読んだり、音楽を聴いたりして、“おお!”って衝撃を受けたときに作ります。
――好きな漫画や映画はありますか?
小学生のころは『週刊少年ジャンプ』をずっと買ってて。『銀魂』と『ギャグマンガ日和』がすごい好き。銀さんがすごい好きだから、声優の杉田智和さんもめちゃくちゃ好きになりました。めっちゃ面白いから好きです。逆に少女漫画はあんまり読んだことなくて。
――でも、『まもってほしいの。』の収録曲は、すべてラブソングですよね?
あ、はい。確かに。でも、それはアニメとか映画とかかな? アニメは『銀魂』『ギャグマンガ日和』『七つの大罪』『涼宮ハルヒの憂鬱』『パプリカ』『地獄先生ぬ~べ~』。映画は小学生のときに見たなかで言うと『グーニーズ』『スタンド・バイ・ミー』『ショーシャンクの空に』、あと『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が好きです。
――1980年代の映画が多いですね。
なんかワクワクするんですよね。『十五少年漂流記』もそうなんですけど、ああいう作品に出てくる食べ物って美味しそうじゃないですか。『スタンド・バイ・ミー』のチャンクが食べてるスプレータイプのホイップクリームとか、冷凍庫をあさってアイスクリームを食べるシーンとか、すごく好きです。
――「いちごジャムにチーズ」も食べ物ですし、ミュージックビデオにはピザを食べるシーンもありました。映像制作も自身で手がけてますよね。
そうですね。もともと絵を描くのが好きで、せっかくなら何かやれたらいいなって思って。EPの歌詞カードとジャケットとCDの盤面を描けて、楽しかったです。
――その後、対バンライブもありました。守乃まもバンドとしてライブをやってみてどうでしたか?
全部楽しかったんですけど、特に(神聖)かまってちゃんとのツーマンは、すごく楽しかったです。夢のようで、でも、まだ実感がわかなくて……。1枚、フィルムを挟んでいるというか、まだ映像を見てるって感じです。好きな人、尊敬する人というのはこれからも変わらない。だから、これからも実感は沸かないと思います。
――自身の今後はどう考えていますか?
5月病や低気圧と戦いながらやっていきます。すごく優しい人たちとこんなにいい環境で自分の音楽を生み出せる。人生において、こんなことはなかなかないことだと思うんです。だから、精いっぱい楽しくやって、いろいろな音楽や絵などを生み落として、後世に残していきたい。だから……頑張ります!
――後世に残したいんですね。
私のことを思い出してほしいという欲求です。世界が滅んでも、CDなら地面を掘り出して音楽が聴けるかもしれないし……。私の曲を聴いて、音楽っていいなって思う人がいたらうれしいし、自分が生きた証を残したいです。
――なにか明確な目標のようなものは決めましたか?
やっぱり日本武道館ですかね。一番に浮かびました。バンドとして日本武道館でワンマンライブをやりたいので、精いっぱい頑張ります!
文・取材:永堀アツオ
撮影:干川 修
©はまじあき/芳文社・アニプレックス
©LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」製作委員会

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