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大阪&名古屋巡回展の舞台裏と南町田の新『スヌーピーミュージアム』最新情報をチェック!

大阪で6月16日(日)まで開催され、名古屋で6月22日(土)~9月1日(日)まで開催される『スヌーピーミュージアム展』。本展覧会のクリエイティブ・ディレクター・草刈大介さんに、『スヌーピーミュージアム展』が開催されることになったきっかけ、“ベスト・オブ・ピーナッツ”をテーマに掲げた意図を聞いた。さらに、2019年12月に南町田にオープンする、新『スヌーピーミュージアム』の最新情報も追う!

「シャチホコ」と「食い倒れ人形」がメインビジュアルのモチーフ?

──まずは『スヌーピーミュージアム展』が、大阪と名古屋で開催されることになった経緯について教えてください。

草刈:東京・六本木に『スヌーピーミュージアム』がオープンした当初から、東京以外でも『スヌーピーミュージアム』を体験したいという声をたくさんいただきました。また六本木の『スヌーピーミュージアム』は2年半という会期のなかで、テーマの異なる5回の展覧会を開催しましたが、その内容をぎゅっと凝縮した巡回展を企画したら面白いのでは、という話になり実現したんです。

──なぜ大阪と名古屋だったのでしょう?

草刈:六本木の『スヌーピーミュージアム』で行なっていたことというのは、じつはものすごく贅沢なことでした。原画の点数がとても多かったですし、ただ作品を並べるだけではなく、展覧会ごとにアニメーションを制作したり、館内をデコレーションしたり。アートディレクターの祖父江慎さん、空間デザインのトラフ建築設計事務所、コピーライターの国井美果さんなど、各界の第一線で活躍するクリエイターの方々に集まってもらって、細部までこだわって作り込んでいました。その六本木のスタイル、スケール感をそのまま再現できる場所となると、どうしても限られてしまい、今回は大阪と名古屋での開催となったんです。

──大阪と名古屋の展覧会のイメージビジュアルはすごくインパクトが強いですね。

草刈:それは祖父江さんのアイデアですね。国井さんに考えてもらったタイトルが、「ハロー大阪! ハロー名古屋! ベスト・オブ・ピーナッツがやってきた。」でした。そこからまず名古屋のティザー広告を作ることになり、名古屋出身の祖父江さんが、「名古屋の人が喜ぶものにしなくちゃだめだ!」と言って見つけてくれたのが、なんとなくシャチホコを連想させるスヌーピーの1コマ。そこから蛍光オレンジの背景にシャチホコ風スヌーピーがいるデザインを見せてくれました。

それがすごく良かったので、だったら大阪も大阪らしい絵柄を選んで作ろうよと、食い倒れ人形を思わせるスヌーピーを見つけたんです(笑)。どちらも最初はティザー広告にだけ使用するつもりでしたが、このビジュアルのインパクトが強くてしっくりきていたので、本番のポスターやチラシでも使用することにしました。

──そんな経緯があったんですね。では、巡回展を開催することについて、アメリカ・サンタローザの『シュルツ美術館』からはどのような反応があったのでしょうか。

草刈:即答で「いいアイデアだね!」と。そもそも六本木で開催した全ての展覧会のテーマを気に入ってくれていたからというのもあり、5回の展覧会をひとつにまとめて開催するというアイデアにはすぐに賛成してくれました。タイトルは、“ベスト・オブ・ピーナッツ”にしようと思うと伝えたら「本当にそうだね」と。

これは『シュルツ美術館』のジレンマでもあると思うんですが、『スヌーピーミュージアム』でやっていた王道的な『ピーナッツ』の展覧会は、本国ではできないんですよ。なぜなら彼らは今年で開館から17年を迎えているので、『シュルツ美術館』を訪れる人がキャラクターの個性や『ピーナッツ』の基本を知っている、という前提で展示会を企画していると思うんです。

逆に日本の場合は、スヌーピーがいくら有名でも、じつは登場するキャラクターたちの性格までは知らないという人がほとんどだし、『ピーナッツ』のコミックを読んだことがないという人も多いので、基本的なところから深掘りしていく展覧会が喜ばれるのだと思います。

1回目の展覧会の内容を巡回展では最後に展示――その理由とは?

──大阪の会場構成を見ると、第1回の「愛しのピーナッツ。」からではなく、第2回「もういちど、はじめましてスヌーピー。」から始まる流れになっていますね。

草刈:そこは工夫した部分です。六本木では、森アーツセンターギャラリーで2013年に『スヌーピー展』が開催され、その3年後の2016年に『スヌーピーミュージアム』がオープンしました。注目度の高い最初の展覧会には、きっと2013年の展覧会を見てくれた方たちがたくさん来てくださるだろうと考えて、その方たちに何かもう少し発展したものを見せたいという思いがありました。そのため「スヌーピーがどんな犬か?」というのは第2回の展覧会にして、第1回では「改めて『ピーナッツ』の魅力って何?」というスタートにしたんです。

ただ、当時はそれで良かったのですが、今回の巡回展の冒頭でいきなり「『ピーナッツ』の魅力って何?」から入ってしまうと、初めて来場するお客さんは戸惑ってしまうかもしれないし、最初に「スヌーピーってこんなに面白い犬だよ」というところから見せる方がいいだろうと。それからピーナッツ・ギャングのこと、恋の話、友だちの話をやっていき、最後のまとめとして、ジーニーさん(ジーン・シュルツ夫人)の想い入れのある作品を、彼女のコメントとともに紹介するコーナーを作った方がきれいな流れだと考えたんです。

また、見てもらうとわかりますが、ジーニーさんのコーナーで取り上げられているコミックは、友だちとか、恋とか、他の展覧会に出てくる要素が詰まっているんです。最初に彼女のコーナーを入れた場合、そのあとに続く恋や友だちのコーナーがダブって見えてしまうので、その意味でも、展覧会の締めに持っていきました。

──今回、新たに『スヌーピーミュージアム展』オリジナルの図録も制作されていますね。

草刈:これまで雑誌や書籍でも独自の取材をされた『ピーナッツ』の面白い記事がありましたが、スヌーピーミュージアムで作ってきた図録の優れていたところは、『シュルツ美術館』やシュルツスタジオの人たちの、日本ではまだ知られていない研究成果を発表する場になったということ。『スヌーピーミュージアム』の図録のために書き下ろしてもらったり、コメントをもらったり、撮影したり。ものすごく贅沢なコンテンツでした。それを六本木だけで独占するのはもったいないと思ったんです。六本木に来たことがある方でも、全5冊を持っている人はほとんどいないでしょうしね。

今回は図録とコミック集の2冊セットで、図録に掲載する原画は厳選しましたが、テキストの記事はほとんど収録しています。そしてコミック集には、5回の展覧会で展示した全コミックを収録しました。1回の展覧会でだいたい80作品あるので全部で約400点、それを時系列に並べています。

また、各コミックには、1回目の展覧会のものは①、2回目のものは②のようにナンバリングもしているので、どの展覧会で展示されたものかわかるようにもなっています。『ピーナッツ』のことがよくわかる資料としても貴重な図録と、読み応えのあるコミック集のセット。こちらも“ベスト・オブ・ピーナッツ”のコンセプト通りに仕上がりました。

南町田の『新スヌーピーミュージアム』について

──2019年前半の目玉は、大阪と名古屋の『スヌーピーミュージアム展』。そして後半は、東京・南町田に新たにオープンする『新スヌーピーミュージアム』です。こちらについてもファンは新しい情報を知りたくてうずうずしていると思います。

草刈:南町田の『スヌーピーミュージアム』では、六本木で“できなかったことをどう展開するか”、六本木で“やっていたことをどう充実させるか”を意識しています。六本木のときにはなかった常設展示を作ることで、いつ来ても同じものが見える“安心感”があり、企画展や季節のイベントで新しい発見のある“ドキドキ感”もある、そんなイメージです。

南町田でもオリジナルの映像作品を上映する予定ですが、六本木では展覧会の内容とリンクしたアニメーションを、イントロダクションと締めくくりとして上映していました。今作っているのは、よりエンタテインメント性の高いもので、空間の使い方やスクリーンの数にもアイデアを凝らしています。

あとは、まだ詳しくはお話しできないのですが、皆さんにものすごく驚いてもらえるような場所を作りたいと思っています。写真を撮る場所として、最高の記念になるような空間です。

六本木の『スヌーピーミュージアム』では、入り口で5体のスヌーピーが出迎えてくれた。

──以前のインタビューで、南町田では『シュルツ美術館』の要素も取り入れていきたいというようなお話もありました。

草刈:そうですね、精神としては常にそれはあります。ただ、アメリカ人にとっての『ピーナッツ』と日本人にとっての『ピーナッツ』はやはり違うので、同じ見せ方はできないというのも改めて感じています。

日本では、より丁寧に説明する必要がありますし、演出としてのエンタテインメント要素も必要です。『シュルツ美術館』は作品を理解するための資料的な見せ方にこだわり、『スヌーピーミュージアム』は、ミュージアム自体を体験して楽しんでもらうことに重きを置いています。ただ作品を展示して、資料を並べるだけでなく、今までの展覧会で積み重ねてきた工夫や経験を新しい『スヌーピーミュージアム』にしっかりと入れていく。そうでなければ『シュルツ美術館』の世界初のサテライト館としてやっている意味がありません。

『シュルツ美術館』の人たちも、六本木でやってきた展覧会を気に入ってくれて、映像や館内装飾、グッズ作りにおいて影響を受け、取り入れてくれてもいます。『スヌーピーミュージアム』は、彼らにとっても『ピーナッツ』を別の視点から見る貴重な機会。そういう意味でもしっかりとやっていかないといけないと思っています。

12月オープン決定! 南町田グランベリーパーク内に『新スヌーピーミュージアム』

1:40辺りから新しい『スヌーピーミュージアム』のイメージCGが登場。

大阪で『スヌーピーミュージアム展』が盛り上がるなか、去る5月14日には、スヌーピーミュージアムが移転する「南町田グランベリーパーク」の説明会と現場見学会が開催された。

「南町田グランベリーパーク」は、東京の西側に位置し、神奈川県横浜市や相模原市に隣接。大型商業施設と公園からなるひとつの街であり、商業施設と公園は今年の11月に、『スヌーピーミュージアム』は12月にオープンすることが発表されている。電車でも車でもアクセスしやすいのが魅力で、渋谷からは東急田園都市線で最短約35分(急行に乗車した場合)、東名高速道路横浜町田ICからは車で約1分、さらには羽田空港や成田空港からリムジンバスの直行便も発着している。

そしてひとたび南町田駅(南町田グランベリーパーク駅に改名予定)を降りれば、約22ヘクタールの土地に、アウトレットやフードマーケットを中心とした約230店舗の商業施設、映画館やアウトドア体験といったエンタテインメント施設、さらには子どもたちがのびのびと遊び、大人がのんびりとくつろぐことのできる緑豊かな公園が広がる。『スヌーピーミュージアム』は、そんな新しい街の一角にできることになるのだ。

会見では、プロジェクト全体の説明が行なわれたあと、『スヌーピーミュージアム』の中山三善館長が登壇。『スヌーピーミュージアム』の移転先に南町田が選ばれた理由や、移転したからこそ実現できるプログラムなどについて語ってくれた。

中山三善館長

広さは六本木の約2倍! 町田市と連携した英語教育も

中山:東京の都心で六本木と同じような場所を探そうとすると、どうしてもビルのなかの施設になってしまうのがネックでした。私たちがイメージする新しい『スヌーピーミュージアム』はそうではなく、「南町田グランベリーパーク」の完成図にあるような緑あふれる場所。アメリカ・カリフォルニア州のサンタローザにある『シュルツ美術館』と同じように緑豊かな環境が良いと思っていました。その後、いくつか候補が挙がるなかでご縁がありまして、こちらに移転することになりました。

イメージパースのなかで、スヌーピーの絵が壁面に描かれているのが『スヌーピーミュージアム』の本館です。地上3階、地下1階で、延床面積は2,640㎡になります。その隣にあるアネックスの1階には、ミュージアムと連携した『ピーナッツカフェ』が入ります。カフェは約200㎡あり、トータルすると2,840㎡。六本木は1,500㎡弱でしたので、約2倍の大きさになります。

六本木では、半年ごとに展示品をすべて入れ替えていましたが、南町田では2階と3階に常設展示室を含む約1,000㎡のギャラリーを作ります。六本木の約1.5倍の広さになり、さらに見晴らしの良いテラスも設けますので、ゆったりとくつろぎながら展示を楽しんでいただけると思います。

また、1階のワークショップルームでは、自分だけのスヌーピーのぬいぐるみなどを手作りすることができます。ワークショップは、六本木でも開催していてとても人気があったのですが、スペースが狭くて残念ながら平日しか開催できず、なかなか抽選に当たらないので、お客様にはご迷惑をおかけしました。今回は常設になるので、多くの方に楽しんでいただけると思います。もちろん、これだけ環境に恵まれた場所なので、館内にとどまらず、屋外でのアクティビティやアプリを使った仕掛けなども企画したいと考えています。

シュルツさんによって、1950年から2000年までの50年間、毎日描かれた新聞連載コミックの『ピーナッツ』は、最盛期には世界の約2,600紙で連載されていました。登場人物は、スヌーピーとその飼い主のチャーリー・ブラウンを中心とした子どもたちで、大人はひとりも出てきません。ひとことで言えば、『ピーナッツ』は子どもが主役のコミック。もちろん会話はすべて英語なので、子どもたちにとって親しみやすい英語の教材という要素もあります。ここ町田市でも、地域の子どもたちにスヌーピーと親しみながら英語に触れてもらえたらと思っています。オープンの12月を楽しみにしていてください。

建設中の新『スヌーピーミュージアム』。

いよいよオープンの具体的な時期も発表された新『スヌーピーミュージアム』。Cocotameでは、今後も最新情報が入り次第、独自取材で続報をお届けしていくのでお楽しみに!

「スヌーピーミュージアム展」大阪会場

会期:4月13日(土)~6月16日(日)
時間:10:00~20:00(会期中無休)
※火曜日は17:00まで(入場は閉場の30分前まで)
場所:グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ

[アクセス]
大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 北館
※ 1階カフェラボ横にある専用入口をご利用ください。
JR「大阪」駅(2階中央北口)より徒歩約3分
地下鉄御堂筋線「梅田」駅(北改札)より徒歩約3分
阪急「梅田」駅(2階中央改札口)より徒歩約3分
阪神「梅田」駅(地下1階百貨店口)より徒歩約5分
問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00~18:00)

[観覧料金]
一般:¥1,600円(当日券)/¥1,400(平日当日券)/¥1,300(前売券・団体券)
大学生:¥1,300(当日券)/¥1,100(平日当日券)/¥1,000(前売券・団体券)
中学・高校生:¥1,000(当日券)/¥900(平日当日券)/¥800(前売券・団体券)
4歳~小学生:¥600(当日券)/¥500(平日当日券)/¥400(前売券・団体券)
※料金は全て税込み
※団体料金は10名以上
※平日当日券は土曜・日曜・祝日・休日を除く日が対象
※前売券は全日に有効 
※3歳以下は入場無料
ローソンチケット、セブンチケット、チケットぴあ、イープラスなど主要プレイガイドにて販売

「スヌーピーミュージアム展」名古屋会場

会期:6月22日(土)~9月1日(日)
時間:9:30~17:00
休館日:毎週月曜・第4火曜日
場所:名古屋市博物館

[アクセス]
名古屋市博物館
NAGOYA CITY MUSEUM
名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1
TEL:052-853-2655 FAX:052-853-3636
http://www.museum.city.nagoya.jp/
名古屋駅から地下鉄桜通線で直通17分
桜山駅下車4番出口徒歩5分
※入場は閉場の30分前まで
※月曜日が祝日にあたるときはその直後の平日が休館
※8月13日は特別開館
問い合わせ:052-853-2655

[観覧料金]
一般:¥1,300(当日券)/¥1,100(前売券・団体券)
高校・大学生:¥900(当日券)/¥700(前売券・団体券)
小学・中学生:¥500(当日券)/¥300(前売券・団体券)
※名古屋市交通局の一日乗車券・ドニチエコきっぷを利用して来館された方は当日料金より100円割引。
※身体等に障害のある方または難病患者の方は、手帳または受給者証のご提示により、本人と介護者2名まで当日料金の半額。
※各種割引は重複してご利用いただくことはできません。
名古屋市博物館、中日新聞販売店、主要プレイガイドなどで販売

南町田 新スヌーピーミュージアム

延床面積:約2,600㎡+カフェ約200㎡(アネックス)
企画協力:チャールズ M. シュルツ美術館(アメリカ、カリフォルニア州)
開館予定:2019年12月

『スヌーピーミュージアム』の公式サイトはこちら

©Peanuts Worldwide LLC

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