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“緑黄色社会”のはじまり――4つの個性が重なり多彩な音楽を生み出す<インタビュー後編>【連載第9回】

2018.11.2

Interview

注目ワード
緑黄色社会

Artist/Talent

今後さらなる注目を集めるであろう、気鋭のアーティストの実像に迫る連載企画「Artist Profile(アーティストプロファイル)」。

長屋晴子(Vo.)、peppe(Key.)、小林壱誓(Gt.)の同級生3人と、小林壱誓の幼馴染である穴見真吾(Ba.)で結成された“緑黄色社会”をクローズアップ。

インタビュー後編では、“緑黄色社会”の始まりについて語ってもらった。

インタビュー前編はこちら

“緑黄色社会”の始まり

――peppeさんと長屋さんは高校入学前からSNSで知り合ったんですね。

長屋:私と小林もそうなんですよ。いざ高校で軽音楽部に入ったのに、メンバーが見つからなきゃイヤじゃないですか。本当にバンドを組みたかったので。

小林:それは僕も同じ気持ちでした。

長屋:だから今どきですけどSNSで探したんです。プロフィールに“○○高校の軽音楽部に入りたい”って書いていたり、“この音楽が好き”って挙げている人がたくさんいるなかで、気になったのが小林だったんですよ。

アイコンも本人の顔じゃないし、メッセージをやり取りしていても“すごい変な人だな”と思ったんですけど、それが魅力的だったのかな。なので“一緒にバンド組もうね”って約束して。

――会ってもいないのに。

小林:しかも僕はギター&ボーカル志望で、彼女もそうなのに、それを分かっていながらバンド組もうって(笑)。

長屋:今考えるとおかしな話なんですけど、相手を見つけるので必死だったんですよね。でも結果、良いメンバーに巡り会えた(笑)。

――小林さんも長屋さんのプロフィールを見て“良いな”と?

小林:どうだったかな……でも“変な人だな”とは僕も思ってました。自己紹介で「私、ゾウアザラシに似てるけど、よろしく」って書いてきたんですよ(笑)。

長屋:私、鼻が低いのがコンプレックスで(笑)。ゾウアザラシってわりと上向きの鼻なんですよね。

穴見:マニアック過ぎでしょ(笑)。

長屋:たしかそのときの返事も変だった記憶がある。よく覚えてないけど「俺もナントカに似てるよ」とかって。

小林:たぶん“変”の競い合いだったんです(笑)。自分も負けてられない、みたいな。

長屋:そういう意味でもすごく興味が持てたんですよ。peppeともSNSで出会ったんですけど、彼女に対しては同じ高校だから友達になれたらいいな、ぐらいの感覚でフォローをしてたんです。そしたら、たまたま入学してバッタリ会って、しゃべってみたらピアノをやってたって言うし、誘ったらコロッと入ってくれた(笑)。

peppe:あはは!

長屋:でも普通、バンドを組むときって、ちゃんと本格的にやろうと思ったら上手い人と組みたいじゃないですか。相手の演奏を聴いたり、どういう音楽が好きか、どんなジャンルをやりたいかで決めると思うんですけど、私はホント必死だったから誰の音も聴いてないし、誰の好みも聞かずに組みましたからね。

――それでここまで来てるってすごいですね。

長屋:だから運命だなって思います。軽音楽部内でも他のバンドはわりとメンバー交代してるんですよ。でも私たちは何も打ち合わせせずに決めたのにずっと一緒にいるから不思議だなって。当時いたドラマーは抜けていきましたけど、代わってはいないですし。

小林:なのでドラムがいないんですよ、僕たち。

――ベースに穴見さんが加わったのはどういう経緯ですか。

小林:最初は軽音楽部の女の子がベースだったんですけど「弓道部を真面目にやりたいから」ってやめちゃって。ちょうど、それを機に課外で活動しようと思ってたこともあって、じゃあベースが必要だねって僕が幼馴染みの真吾を連れて来たんです。

――そもそも課外で活動しようと思い始めたのには何か理由があったんでしょうか。

小林:2個上の先輩が“閃光ライオット”っていう大会に出てファイナルまで勝ち残ったんです。それを僕らは野音(日比谷野外音楽堂)で観ていて。だから、その影響がデカいですね。バンドをやっていて10代である以上、これに出て賞を取るのが目標、みたいに潜在意識に刷り込まれちゃって。
*閃光ライオット:10代のアーティストが、真夏の野外フェスへの出演権をかけて行なわれる“音楽の甲子園”(2008年~2014年開催)

長屋:私たちも野音でやりたい! って思ったんですよね。それでオリジナル曲を作り始めて。それまでコピーを2〜3曲しかやってないのに、勢いだけで「じゃあ曲作るか!」って(笑)。

――やろうと思ったらすぐに飛び込んでいけてしまう、思い切りのよさがありますね。

長屋:ホント何も考えずに飛び込んじゃう感じでした。若かったんです(笑)。

“緑黄色社会”が“緑黄色社会”である理由

――緑黄色社会はやっぱりこの4人だなと思った瞬間、あるいは、このメンバーでなければダメだと確信した出来事はありますか。

長屋:瞬間というか、その想いがどんどん強くなっていく感じ。

小林:常にそう思うよね。

peppe:うん、日々思う。

小林:たぶんこのメンバーじゃなかったら理解されないだろうなと思うことも平気で受け止めてくれたり、自分の意見がちょっと違ってもちゃんと話し合いができたり。

長屋:単純に初めて組んだバンドだから他を知らない、比べようがないっていうのもあると思うんですけど。でもこうやってインタビューを受けるたび思います。“ああ、この4人で良かったな”って。

――でもホント、みなさんそれぞれに個性が際立っているというか、キャラクターがまったく違いますよね。

peppe:ちゃんと棲み分けされているんですよ、4人のキャラが。それぞれが自然と上手くバランスを取ってるんです。

――では、お互いの魅力を挙げていただくとしたら? 例えば穴見さんの良いところとか。

長屋:真吾はいちばん音楽人というか、音楽を心から好きなのが見ていて分かるからすごく気持ちが良いし、音楽に対してストイックなところが魅力だなって。

小林:だから全然生意気でもいいっていうか(笑)。

長屋:許せちゃうんです。

小林:何かひとつを決めて、それをやるっていうのがすごく上手。自分の意見は自分の意見として、しっかりまっすぐ通すところが良いと思います。

peppe:私はそれほど自分の意見がないというか、自分が折れちゃうときもあるんですけど、真吾はホントに貫いてる。

長屋:まっすぐだよね。まっすぐ過ぎて他のことが抜けるときはあるけど(笑)。

――では長屋さんは。

小林:長屋は……ずっと一緒にいるんだけど、ずっと尊敬できている人。歌声もそうだし、その歌声をもってしてこういう佇まいでいられるところもそう。自分の能力をひけらかすでもなく、ちゃんと第三者的に自分を見つめている平静さがすごくカッコ良いなって。

peppe:視野も広いし、かつ深くまでよく見ているので、いろんなことに気づいてくれるんですよ。ウチらメンバーのことも気にかけて気づいてくれるから、そういう意味でもフロントマンだなって。第一印象は“変わった子やなぁ”でしたけど(笑)。

長屋:前髪、短かったもんね。

peppe:そうそう(笑)。私だったら持たないような、カメラの形をしたキルトのポーチを首に掛けてたりとか。

小林:しかも制服で、ですよ?廊下ですれ違ったときとか、“あ、また掛けてる”って(笑)。当時から一目置かれる存在でしたね。

穴見:僕が思う長屋の良さは、物事と向き合うことから絶対に逃げない。あと、このバンドを良くするため、お客さんに喜んでもらうためのことをちゃんと考えてる。

僕、ボーカリストは自分勝手だっていうイメージだったんですよ。でも、それとは真逆でめっちゃ周りのこと、人のことを考えているんですよね。そういう真面目な長屋と、ボーカリストとして憧れるようなカッコ良い長屋が、ふたりいるんです、僕のなかに。人間としての広さが素晴らしいなといつも思いますし、それはたぶん歌にも出てるんじゃないかな。

――分かる気がします。じゃあ小林さんの魅力について。

穴見:変人(キッパリ)。

長屋:すごく良い意味で変人ですね。人にない世界観を持ってるんです。彼は彼で人見知りなので、その世界観は小林と友好関係を築かないと見えてこないかもしれないんですけど、私たちにしか見せないような変なところがたくさんあって、それが毎回面白くてビックリさせられてます。音楽に関してもそうだし、発言にしてもアイデアにしても“なるほどね”って思うことがすごく多いから。

peppe:壱誓は人を喜ばせるのが好きみたいで。バンドでいちばんエンターテイナーだなって思います。演出とかも得意そうだし、今後の彼の意見が楽しみ。頼りになります。

穴見:人を笑わせるとか、そういうユーモアは小さいときからずっと変わってないですね。ちょいちょい面白いことを入れてくる(笑)。音楽面に関しても感覚が面白くて、ダンスをやっていたのもあるんでしょうけど、ミュージシャンにはないようなアプローチとかすごく良いんです。

――最後はpeppeさん。

長屋:あんまり、こういう業界にはいないようなタイプかな。だからこそバンドを組んだ当初は、いつ抜けるかってハラハラさせられたんですけど(笑)。すごい自由人だし、ずっと明るくて、笑顔が似合う女の子。

私から見たpeppeはまさに“ザ・女の子”ですね。私は中・高でも友達付き合いがそんなに上手いほうではなかったけど、peppeは私ができないことができるタイプだし、女子としての世界観や価値観を広げてくれる人ですね。常に彼女からは明るさのパワーをもらってます。

小林:peppeって良い意味であっさりしてるんですよ。感情の振り幅はいちばん豊かなのかもしれないんですけど、瞬発的で。その日泣いたら、もうスッキリとか、その日に起こったことを次の日にはもう忘れてるとか(笑)。後腐れないタイプで、それが良い意味で彼女のポジティブさに繋がってる気がする。そのポジティブさが曲とかにも表現されてるのも良いなと思うんです。

穴見:あとpeppeはまったく捻くれてないんですよね。生き方がマジで直球(笑)。そういうところも曲に出てくるので、peppeの作ってくる曲は大体どうしたいかがアレンジ前の段階で分かるんですよ。それはすごく良いなと思うし、ライブの演奏もすごく楽しそうで。

――バンド名に引っ掛けるわけではないですけど、本当にカラフルな人たちで構成されているバンドなんだなってすごく思いました。まさに無敵のバランス。

小林:すごいバランスだよね。赤道に卵立ってる、みたいな(一同爆笑)。

peppe:よく出会えたなって思います。

次回は、11月7日にリリースするMiniAlbum『溢れた水の行方』に込めた想いを語ってもらった。

Mini Album『溢れた水の行方』

発売日:2018年11月7日(水)

1. あのころ見た光
2. 視線
3. Never Come Back
4. サボテン
5. Bitter
6. リトルシンガー

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