連載

みんなが知ってる“コメダ”のみんなが知らないこと<後編>【連載第18回】

2018.10.5

Interview

注目ワード
コメダ珈琲店

Other

2018年は、ソニーミュージックグループが生まれて50年という節目の年。本連載「50年の歩み ~meets the 50th Anniversary~」は、同じく50年目を迎える企業、商品、サービスを取り上げ、その歴史を紐解くことで、「時代」を浮き彫りにするという特別企画だ。

『珈琲所コメダ珈琲店』の最終回は、「みんなが知ってる“コメダ”のみんなが知らないこと」の後編をお届けする。

みんなが知ってる“コメダ”のみんなが知らないこと<前編>

『コメダ』の「味」編②

みんなが知ってる“コメダ”のみんなが知らないこと<後編>
⑯『コメダ』のコーヒーが酸味よりもコク重視なのは、名古屋めしの味が起因する
⑰“コメダ通”になるために知っておきたいメニューはこれ
⑱コンビニでも『コメダ』の味が楽しめる?
⑲“季節限定のシロノワール”始めました
⑳『コメダ』が全国展開できているのは「名古屋の味」が日本の中心的な味だから?

⑯『コメダ』のコーヒーが酸味よりもコク重視なのは、名古屋めしの味が起因する

『コメダ珈琲店』で提供されるコーヒーは、名古屋の一般的な喫茶店の味わいに似ている。

名古屋ライター大竹さん曰く、名古屋のコーヒーは、基本的に苦みやコクが濃いものが多い。酸味ではなく、“複雑な味がバランス良く混じり合う”コク重視なのだ。

その理由は、“名古屋めしの味が濃いから”だという。味の濃い味噌カツや味噌煮込みうどんなどを食べた後に、酸味の効いた淡麗なコーヒーを飲むと口のなかが一向にさっぱりしない。

そこで、食事とのバランスを考えて、コク重視のコーヒーが提供されるようになったという。コーヒー単体でもおいしいが、食事と一緒に食べたときにおいしいかどうかも重要なのだ。

なお、『コメダ』ではスナックの商品開発の際は、コーヒーとの相性を考え、香りが強すぎるメニューは採用しないのだという。

⑰“コメダ通”になるために知っておきたいメニューはこれ

「砂糖の代わりに“あんこ”を入れたコーヒー」。聞くだけだと少しぎょっとするその飲み物は、「小豆小町 葵(あおい)」というデザートコーヒーだ。カップの下に溜まったあんこをよくかき混ぜて飲んでみると、少し溶けた甘いあんこがコーヒーとともに口に流れ込んでくる。

実は、コーヒーとあんこの組みあわせは、名古屋ではそれほど珍しいものではないとのこと。例えば、名古屋人のあんこ好きにマッチしたメニューとして、「コーヒーぜんざい」を提供する喫茶店もあるのだとか。

コーヒーのほかにも、小豆とミルクティを組み合わせた「小豆小町 桜(さくら)」や、ミルクを合わせた「小豆小町 菫(すみれ)」も選べる。

小豆小町 葵(あおい)/500円

小豆小町 葵(あおい)/500円

⑱コンビニでも『コメダ』の味が楽しめる?

毎日、『コメダ』の味を楽しみたいが、近所に『コメダ珈琲店』がないという人に朗報。なんと、この8月より全国のコンビニエンスストアでコメダ監修の『シロノワール味アイスバー』(森永製菓)が期間限定販売されているのだ。

これは、年始に期間限定販売された『小枝<シロノワール味>』が大好評だったことを受けてのコラボ第2弾。その味のポイントはビスケットクランチを練り込んだデニッシュ風味のホワイトチョコのサクサク感。ミルクアイスの部分にはコクのある甘さのメープル風ソースが入っており、その味わいはまさに「シロノワール」と言えるだろう。

『小枝<シロノワール味>』(現在は販売終了)

『小枝<シロノワール味>』(現在は販売終了)

シロノワール味アイスバー(10月末までの期間限定販売 ※コンビニエンスストア限定 ※コメダ珈琲店では販売しておりません)

シロノワール味アイスバー
(10月末までの期間限定販売 ※コンビニエンスストア限定 ※コメダ珈琲店では販売しておりません)


ちなみに夏のピークを過ぎたこの時期に、あえてアイスバーを出したのは、メープル風シロップの優しい甘さが後を引く『シロノワール味アイスバー』の味わいが、濃い目のフレーバーのアイスが売り場に並び始めるこれからの季節にぴったりだから。販売期間は10月下旬までの予定。

⑲“季節限定のシロノワール”始めました

これまで、昔からあるメニューをブレずに提供し続けてきた『コメダ珈琲店』に、ここ2〜3年で大きな変化があった。それが期間限定メニューの増加だ。

特に“季節限定のシロノワール”の登場はファンの間でも話題に。オリジナルの「シロノワール」に加えて、季節に合わせた限定メニューが楽しめるようになった。こうした限定メニューが追加された理由は、変わらない伝統としてこれまでのスタイルは維持しつつ、時代の変化とともに多様化する顧客の新しいニーズに応えるため。

例えば、春にはミックスベリーソースをかけた「ベリーノワール」、夏は桃のクリームやラズベリーソースを使用した「ロイヤルピーチ」、冬季にはチョコレートソースをかけた「チョコノワール」や、キャラメルソースをトッピングした「キャラノワール」など、さまざまなバリエーションが揃う。

次はどんな「シロノワール」が出てくるか、想像してみるのも楽しそう。

ベリーノワール(2016年発売)

ベリーノワール(2016年発売)

シロノワール ロイヤルピーチ(2018年発売)

シロノワール ロイヤルピーチ(2018年発売)

チョコノワール

キャラノワール

⑳『コメダ』が全国展開できているのは「名古屋の味」が日本の中心的な味だから?

「名古屋はよく日本の縮図と表現されます」と語る名古屋文化に精通するライターの大竹さんから、意外な事実を聞いた。名古屋の人の味の好みは、“典型的な日本人らしい趣味嗜好”なのだという。

どういうことかと尋ねると、「名古屋は、自己主張があまり強くない典型的な日本人の気質を持ちつつ、経済圏、文化圏として独立しています。また、大都市圏なのに土着の文化がずっと守られているため、“世界から見た日本”のような立ち位置なんです」とのこと。

日本人気質な保守的で特殊なものよりも、安定した味を求める名古屋の人に気に入られれば、他県でも受け入れられる。『コメダ珈琲店』成功の秘訣には、そんな背景も含まれているのかもしれない。

『コメダ』の「実は……」編

みんなが知ってる“コメダ”のみんなが知らないこと<後編>
㉑ダンディなおじさんには名前があった! その名も「コメダおじさん」
㉒「シロノワール」ってなんで“シロノワール”なの? そこにはこんな意味が……
㉓10円でおかわりもできるおまけの豆菓子は名古屋文化の象徴だった
㉔木製のコメダの看板は、美大の学生が作っていた
㉕台湾で一番人気は、まさかのあのメニュー

㉑ダンディなおじさんには名前があった! その名も「コメダおじさん」

『コメダ珈琲店』と言えば、シルクハットをかぶり、片眼鏡を掛けて、口髭を蓄えた紳士のキャラクターが有名だ。

『コメダ珈琲店』の看板や店舗のロゴ、カップなどに入っているので、目にしたことがあるという人も多いだろう。これは創業当初、常連客だった美大生と創業者・加藤太郞さんとの会話のなかから生まれたキャラクターだという。

さらに、「コメダおじさん」をもとに作られた「Ms.コメダ」という女性のキャラクターも存在するらしい。一体どこで見られるのかというと、トイレの男女マークがそれ! 『コメダ珈琲店』に立ち寄った際は、ぜひトイレの男女マークにも注目してほしい。

コメダおじさん

コメダおじさん

Ms.コメダ

Ms.コメダ

㉒「シロノワール」ってなんで“シロノワール”なの? そこにはこんな意味が……

『コメダ珈琲店』の人気メニューと言えば、デニッシュパンの上にソフトクリームが添えられて、シロップをかけて食べる「シロノワール」。

では、この「シロノワール」の名称の由来をご存じだろうか? シロはそのまま「白」、そしてノワール(noir)は、フランス語で「黒」を表わす。つまり、黒っぽいデニッシュパンの上に白いソフトクリームがのっている様子から「シロノワール」と命名された。

また、“白と黒”という反対の意味を持つ組み合わせとして、デニッシュパンの“温かさ”とソフトクリームの“冷たさ”という相反するふたつのものという意味も込めているという。

シロノワール/650円

シロノワール/650円

㉓10円でおかわりもできるおまけの豆菓子は名古屋文化の象徴だった

ドリンクを注文したのになぜか豆菓子がついてきた――初めて『コメダ珈琲店』を訪れた人は、不思議に思うだろう。

しかし、実はこの豆菓子は、名古屋の喫茶店では珍しいことではない。これは、名古屋の“オマケ文化”なのだ。

豆菓子に限らず、ピーナッツや柿の種の場合もある。加えて『コメダ珈琲店』では、お客さまの健康と、勤勉なスタッフの“マメさ”にもかけて“豆”を提供しているという。豆菓子は1袋10円でおかわりも可能だ。

『コメダ珈琲店』のこの豆菓子にはファンも多いらしく、ひそかに人気なのだとか。なお、テイクアウト用に大袋に入った豆菓子も販売されており、お茶請けとして自宅用に購入していく人も多い。パッケージは季節によって変わるなど、ちょっとした遊び心が効いている。

㉔木製のコメダの看板は、美大の学生が作っていた

古い『コメダ』に訪れると、木製の『コメダ』の看板が掲げられている。この看板は、当時の美大の学生によって制作されたのだという。

名古屋めしに詳しいライターの大竹さんいわく、「創業者である加藤氏の娘さんが美大に通っていて、その友人に作ってもらった」のだとか。

㉕台湾で一番人気は、まさかのあのメニュー

台湾にも『コメダ珈琲店』は出店しており、一部をのぞき、日本の店舗と同じメニューを提供している。その上で、朝食をお店で食べる文化がある台湾では、『コメダ珈琲店』の「モーニング」の文化も自然と受け入れられたという。ならば、台湾の店舗で一番人気のメニューは「モーニング」かと思いきや、台湾で一番人気は、まさかの「みそカツパン」だという。

なぜ、数あるスナックのなかで、「シロノワール」なども差し置いて、“ザ・名古屋めし”な「みそカツパン」が一番なのか。台湾ではあっさり目の味付けが好まれると言われているだけに、なおのこと解せない。『コメダ』でも、その理由はわからないそうだ。

みそカツパン/880円

みそカツパン/880円

『コメダ』の「マニアへの道」編

みんなが知ってる“コメダ”のみんなが知らないこと<後編>
㉖1年に360日来店する常連さんが、残りの5日店を訪れなかった理由とは?
㉗コメダ愛が止まらない! 常連が集う「コメダ部」が存在する
㉘東海3県限定で、『コメダ』が発行するオリジナル雑誌が読める
㉙『コメダ』の店舗が唯一ないのは青森県。その理由は?
㉚「古コメ」を巡るのが通の楽しみ方

㉖1年に360日来店する常連さんが、残りの5日店を訪れなかった理由とは?

「年末年始やお盆、クリスマスなどはさすがに別の場所で過ごしたからでしょ?」と思いきや、それが違う。

1年のほとんどを『コメダ珈琲店』に通うこの常連さんが来なかった理由……。それは、悪天候などによって、「行きたくても行けなかった」からだという。むしろ親戚が集まるお正月には、家族を連れて『コメダ珈琲店』に来店したとのこと。普段は会えないからこそ、“いつものあの場所”に親戚を連れて行きたくなるのだろう。まさに、お客さんの日常に溶け込んでいる『コメダ珈琲店』ならではのエピソードだ。

ほかにも、朝昼晩晩と1日に4回訪れる人や、朝刊を必ず『コメダ』のモーニングで読むと決めているお客さんもいる。多くの人にとって、『コメダ珈琲店』とは日常のなかで心からくつろげる場所なのだ。

㉗コメダ愛が止まらない! 常連が集う「コメダ部」が存在する

『コメダ珈琲店』には“『コメダ』を心から愛する人たち”の集まり、その名も「コメダ部」が存在する。強いコメダ愛のもと、『コメダ』の未来のためにボランティア活動をするという「コメダ部」の発足は2017年末。

後述する『コメダ』のオリジナル雑誌「くつろぎの時間」創刊に伴い、その企画としてコメダ珈琲店Facebookでコメダ部1期生を募集したことから始まった。普段は別の店舗に通う常連さんたちが一堂に会するその集いでは、商品開発の疑似イベントを開催するなど、普段はできない体験ができるそう。

また、座談会や試食会などの限定イベントなどにも参加可能。その様子は「くつろぎの時間」誌面、または公式Webサイトで読むことができる。本拠地名古屋だけでなく、東京や大阪でのイベントもあり、今後も拡大予定そうだ。

コメダ珈琲店Facebook

㉘東海3県限定で、『コメダ』が発行するオリジナル雑誌が読める

『コメダ珈琲店』は喫茶店業界では珍しく、自社でオリジナルの雑誌を発行している。

創業50周年を記念して刊行された雑誌「くつろぎの時間(とき)」はコーヒーのお供に気軽に読めるサイズ。“いいもの、いいこと、いいところ”という、サブタイトルの通り、『コメダ』に関するエピソードに留まらず、愛知、岐阜、三重県の旬のイベント情報や観光スポット、おいしい食べ物などの“ちょっといい情報”を紹介している。

「くつろぎの時間」は、2018年2月に創刊号を発刊後、現在はVol.04まで発行されている。現在は、愛知、岐阜、三重の東海3県のみで展開中。雑誌は店舗に置いてあり、誰でも読める。興味を持った人は、内容の一部が読めるWeb版にアクセスしてみよう。

「くつろぎの時間」Webサイト

雑誌「くつろぎの時間(とき)」

㉙『コメダ』の店舗が唯一ないのは青森県。その理由は?

全国で約800店舗(2018年9月20日時点)を展開する『コメダ珈琲店』が出店していない県は、2018年初頭の時点で残りふたつ。そのひとつが沖縄だったのだが、2018年8月6日、待望の「コメダ珈琲店 沖縄糸満店」がオープン。ということで、『コメダ珈琲店』唯一の空白地帯は、青森県のみとなった。しかし、なぜ青森県には出店していなのか? その理由を尋ねると、「意図的に青森県に出店してこなかったのではない」とのこと。

しかし、実はこれ、喫茶店業界のマーケティング視点から考えると理にかなっている。というのも、青森県は喫茶店の年間利用額が全国で一番少ない県なのだとか。全国平均が6,000円弱、トップを走る岐阜県が約13,500円、『コメダ』のお膝元・愛知県が約12,500円というなか、青森県は2,000円にも満たないという(総務省 家計調査より。データは2016年のもの)。いつか、『コメダ珈琲店』が青森県に出店すれば、この利用額も倍増する?

沖縄糸満店外観

沖縄糸満店外観

㉚「古コメ」を巡るのが通の楽しみ方

「古コメ」――愛知県には、『コメダ珈琲店』が本格的にチェーン展開する前にできた店舗がいくつか現存している。現在は、どの店舗も仕様が統一されているが、当時は色合いやデザインが異なる店舗もあった。

そうした店は、コメダの歴史を感じる渋い雰囲気を醸し出しており、店舗の中心に大きな木が生えていたり、噴水がしてあったりと、一般的な『コメダ珈琲店』とは少し異なる雰囲気に。名古屋の住宅街や愛知県の郊外にふと現われる「古コメ」。地元ならではの『コメダ珈琲店』を訪れれば、通に一歩近づける?

取材/文:中川美紗(ゴーズ)
撮影:増田慶

連載バックナンバー

掲載されている価格(税込)は、名古屋本店のものです。
価格は店舗によって異なります。
詳しくはコメダ珈琲店公式Webサイトをご確認ください。

関連サイト

Related Sites

閉じる