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エンタメビジネスのタネ

『DinoScience 恐竜科学博』におけるエンタメ領域の取り組みとそこで生まれたIP【後編】

2021.05.14

最初は小さなタネが、やがて大樹に育つ──。新たなエンタテインメントビジネスに挑戦する人たちにスポットを当てる連載企画「エンタメビジネスのタネ」。

今回は、7月17日(土)よりパシフィコ横浜で開催予定の『Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~(以下、DinoScience 恐竜科学博)』で、公式テーマ曲や公式キャラクターの企画立案、公式アンバサダーのアサインなどエンタテインメント領域の企画に広く携わった、ソニーミュージックグループの担当者、森田紀子と井村一登に話を聞く。

約2年という準備期間の間、関係部署との調整や連携を図りながら、ソニーミュージックグループが持つエンタテインメントのリソースをフル活用して完成したコンテンツとは、どのようなものか。

後編では、ショートアニメ『ダイナ荘びより』やお笑い芸人を起用したPR施策について語ってもらう。

  • 森田紀子

    Morita Noriko

    ソニー・ミュージックマーケティングユナイテッド
    チーフプロデューサー

  • 井村一登

    Imura Kazuto

    ソニー・ミュージックエンタテインメント

Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~

 
7月17日(土)~9月12日(日)まで、パシフィコ横浜で開催を予定している『DinoScience 恐竜科学博』は、ソニーグループが“夢と好奇心”というテーマに基づいて作り上げるまったく新しい恐竜展だ。“世界で最も完全で美しい”と言われる、全長7m×高さ3mのトリケラトプスの実物全身骨格の日本初披露をはじめ、科学の視点で恐竜の不思議や面白さを提供する体験型のエデュテインメントコンテンツになっている。会場では、ソニーのクリエイティビティと独自のテクノロジーを駆使した、数々の体感型映像コンテンツを鑑賞することができ、さらに来場が難しい人のためにオンラインツアーも用意されている。

アニメ『ダイナ荘びより』のテーマソングにCHAIの楽曲を起用

──(前編からつづく)公式キャラクターについても話をうかがいます。公式キャラクターは、『DinoScience 恐竜科学博』の開催に先駆けて、4月3日よりオンエアされているショートアニメ『ダイナ荘びより』の登場キャラクターたちが起用されていますが、こちらはソニーミュージックグループのアニプレックス(以下、ANX)とソニー・クリエイティブプロダクツ(以下、SCP)が共同制作したアニメです。『ダイナ荘びより』が制作されることになったのは、森田さんの発案がきっかけだったと聞きました。

森田:そうですね。『DinoScience 恐竜科学博』には、ソニーミュージックグループとして参加するのだから音楽だけでなく、アニメやキャラクターにも関わってほしいなというのがきっかけでした。

この案を考えたのが2019年の夏の終わりごろで、過去の経験からアニメ制作のスケジュール感は何となくわかっていて。今からだったらゼロからのスタートでも、何とかギリギリ間に合うかもと思い、関係各所にご相談したんです。

そうしたら、ANXとSCPが共同で「新規IP創発プロジェクト」に取り組んでいて、そのチームが動いてくれることになり、『ダイナ荘びより』につながっていきました。

ただ、これについては「新規IP創発プロジェクト」のチーム力が素晴らしく、私たちはそれに乗っからせてもらっただけです。ANXのアニメ制作のノウハウと、SCPの優秀なクリエイターを見つけ出す眼力、そして両社のIPを生み出す力を間近で見ることができて、改めて勉強になりましたね。

■『ダイナ荘びより』の関連記事
シュールでかわいい恐竜ショートアニメ『ダイナ荘びより』ができるまで【前編後編

――なるほど。ただ、『ダイナ荘びより』のイメージソング「愛そうぜ」を歌っているCHAIの起用については、森田さんのコーディネートだったと聞いています。

森田:『ダイナ荘びより』がゆるふわでシュールな世界観になったので、イメージソングもそれに通じるものだと良いなと考えて、アーティストの候補を挙げました。

加えて、本作のメインキャラクターの声優が、みんなダンディな大人の男性だったので、イメージソングは対比として女声がいいのでは? という観点からCHAIにお願いしたいと思いました。

CHAI

私は、過去に彼女たちのミュージックビデオ(以下、MV)の制作をお手伝いしたご縁もあって、メンバーたちにも打ち合わせに入ってもらいながら、『ダイナ荘びより』と『DinoScience 恐竜科学博』のコンセプトをしっかり伝えた上で制作してもらうことができました。そうして「愛そうぜ」が完成したんです。

■CHAI「愛そうぜ」MV

――CHAIがフィロソフィーとして掲げる“NEOかわいい”と『ダイナ荘びより』のかわいらしさの相性はとても良いですよね。

森田:彼女たちの声の柔らかさやふわふわとした雰囲気がアニメのビジュアルにもマッチしてますよね。『ダイナ荘びより』の世界観を深めるのに大きな役割を果たしてくれていると思います。

──この「愛そうぜ」というメッセージは恐竜に対してだったのでしょうか?

森田:いえ、日常を愛そうということなんです。『ダイナ荘びより』は恐竜たちが過ごす他愛のない日常をシュールに描いたアニメで、彼女たちは「シュークリームを買って帰えれるような、何気ない時間を愛そうよ」と歌っています。CHAIのみんなも恐竜のキャラクターや動きにハマってくれて、せっかくなので思いっきり恐竜とCHAIをコラボしたいと思って、サイケなMVも作らせてもらいました。

──それにしても、公式アンバサダーのアサインから公式テーマ曲のコーディネート、キャラクター&アニメ制作まで、本当に『DinoScience 恐竜科学博』に対して、ソニーミュージックグループのエンタテインメントリソースがすべて導入されているという印象です。

森田:そこはベテランとしてキャリアで培ったものをフル活用しました!(笑)。これも社内交流で培ったものの賜物で、ご協力いただいた皆さんに本当に感謝しています。

PR活動にはマツモトクラブなどのお笑い芸人を起用

──井村さんは、SNSの運営を担当されていますが、Twitterを拝見するとソニー・ミュージックアーティスツ(以下、SMA)所属のお笑い芸人による恐竜にまつわるネタの動画も投稿されていますね。こちらはPRの一環だと思いますが、ここにもソニーミュージックグループのシナジーをいかしたんですね。

森田:井村くんと一緒にランチしているときに、彼が、お笑いが好きだという話を熱っぽく語っていて。しかも、SMAに所属しているお笑い芸人がシュールで最高だと言っていたんです。だったら、今までのエキシビションのPRではお笑いの企画をやっていないから、やってみたら? とけしかけてみました(笑)。

それともうひとつ、SMAのお笑い芸人が世間的に話題になっているいっぽうで、ソニーグループ全体とのシナジーがあまりないなと思っていたんです。そこに割って入っていったらおもしろいんじゃないかと思いました。

井村:SMA所属のお笑い芸人さんが、最近、来てるな、というのは世間的にもふわっと認識されていると思うんですよ。ハリウッドザコシショウやバイきんぐのお茶の間での認知度はかなり高まっていますし、昨年の「M-1グランプリ」では錦鯉が決勝に進出して4位を記録。R-1グランプリでもマツモトクラブが毎年注目を集めて活躍していたり、最近では元自衛官という経歴をいかしたキャラクターでブレイクしているやす子がいたりと、すごい勢いを見せています。

■ソニー・ミュージックアーティスツ所属のお笑い芸人の関連記事
Cocotame連載企画「芸人の笑像」

SMAの芸人さんは賞レースに強い、実力派揃いとずっと言われていますが、それは自分も実感していて。というのも、自分は本当にお笑いが大好きで、なかでもSMAの芸人さんたちのネタがすごく趣味が合うんです。実際、この仕事をする前から、お笑い劇場「びーちぶ」(SMA所属のお笑い芸人が日々ネタ見せを行ない、腕を磨く劇場)にも自腹で通っていましたから。

そんな大好きな芸人の皆さんとお仕事ができるなんて、自分としては夢のようで、絶対に実現したいと思いました。それで、SMAに相談したところ、即、快諾していただけて。芸人さんにお力を借りるなら、やっぱりネタをやってもらいたいとお願いして、“恐竜ネタ”を作っていただき、Twitter上で公開しています。現時点(5月10日現在)では、マツモトクラブさんだけですが、今後、順次公開していきますので、『DinoScience 恐竜科学博』の公式Twitterをぜひチェックしてみてください。

──芸人の皆さんの動画で、ここを見てほしいというポイントは?

井村:映像でどこまで伝わるかわかりませんが、まず芸人さんの声の大きさに着目してほしいですね。大きい声を出すのって、実はテクニックが必要なんですよ。ミュージシャンなどは、喉を傷めるので避けるような負担のかかる声の出し方なんですが、それができるというのは「びーちぶ」の舞台で鍛えられた証だと僕は思っています。

あとは、普段は比較的、長尺のネタを得意とされている方たちにも、今回はTwitter上で見るのに最適な短尺のネタをお願いしました。今までやられてきたネタのエッセンスが詰まっていて、『DinoScience 恐竜科学博』とは接点のなさそうなお笑いファンの方が見ても笑ってもらえると思いますし、逆に恐竜好きな方にSMAのお笑い芸人を知ってもらえるチャンスになったら良いなと思います。

■『DinoScience 恐竜科学博』公式Twitterはこちら

──お笑い以外にSNSの施策は考えられているのでしょうか。

井村:ここまでお伝えしてきたように、ソニーミュージックグループのエンタメリソースをフル活用しているので、関係者のコメントとして用意している動画なども豪華な顔ぶれです。それぞれ多くのファンに支えられている方たちばかりなので、そのファンの方々が『DinoScience 恐竜科学博』にクロスオーバーしていただけるような、情報の出し方を工夫していければと考えています。

あとは、これを宣伝してほしい、これを告知してほしいというように便利に使ってもらえるような、フットワークが軽いSNS運営も目指しています。まだまだできることがありそうなので、森田さんとも相談しながら話題を作っていきたいですね。

『DinoScience 恐竜科学博』を起点に今後もグループシナジーをいかした展開を

──SNSでの連携を含めて、ソニーグループから9社が参加していますから、色々な調整が必要だったのではないでしょうか。

森田:そこは、SMEでCMのタイアップ、アニメ、映画のテーマ曲をコーディネートする部署に所属していた経験がいきましたね。クライアントとアーティストの間に入って交渉、調整を行なう役を長年やってきたので、その勘所が今回はいかせたんじゃないかと思います。

タイアップ制作にはさまざまな調整が必要で、その際に多くの方たちと面識ができて、今回もその縁をたどりながらやっていきました。

井村:森田さんがいろいろな調整をする際のスタンスはまるでアートの展覧会を作るときのキュレーターのようでした。調整する相手先のことを事前にしっかり調べて、相手が何を望んで、何を欲しているのかを的確に把握する。お願いするアーティスト側については、直近の動向だけでなく、過去作品も見たり、聴いたりして、現場がスムーズに回るように気を配る。何かを作るときの心構えは共通だということを学びました。

──『DinoScience 恐竜科学博』はソニーグループが一丸となって作り上げるIPになりましたが、グループ各社が手を携えて作ったことで、今後もこうした連携をつづけることができそうですね。

森田:そうですね。エキシビジョンビジネスは一度コンテンツを作ったら、それ自体が財産になって、別の地域の会場で行なうなど運用することができますし、このフォーマットをほかのコンテンツに応用することもできます。『DinoScience 恐竜科学博』自体もそうですが、こうしたプロジェクトが一度きりではもったいないので、これを機にグループの各社とソニーミュージックグループでもっと面白いことを仕掛けられたら良いですよね。

──最後に、『DinoScience 恐竜科学博』へのおふたりの意気込みを聞かせてください。

井村:ここまでの規模のものを、ソニーグループ横断で作るのは初めてのことだと聞いています。そのような取り組みに参加できたことをチャンスと捉え、このプロジェクトで学べることをすべて吸収したいと思います。

森田:繰り返しになりますが、本当に多くの方の力をお借りして、ここまでたどり着けました。そのことに改めて感謝したいです。それと『DinoScience 恐竜科学博』自体も、サイエンスコミュニケーターの恐竜くん(田中真士氏)が、すごい熱量で各コンテンツを監修してくださって、本当に見応えのある展覧内容になっています。7月17日からの開催を、ぜひ楽しみにしていてください。

文・取材:油納将志
撮影:干川 修

※本展は、政府や神奈川県、会場のガイドラインに沿って、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底して開催されます。詳細は公式サイトをご参照ください。

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©ダイナ荘管理組合

関連サイト

DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~ 公式サイト
https://dino-science.com/
 
DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~ Twitter
https://twitter.com/DinoScience_jpn
 
ダイナ荘びより 公式サイト
https://dinosaur-biyori.com/
 
ダイナ荘びより Twitter
https://twitter.com/dinosaur_biyori
 
ダイナ荘びより Instagram
https://www.instagram.com/dinosaur_biyori/
 
宮本笑里 公式サイト
http://www.emirimiyamoto.com/
 
DAITA 公式サイト
https://www.daita-ism.com/
 
CHAI 公式サイト
https://chai-band.com/
 
CHAI Twitter
https://twitter.com/chaiofficialjpn
 
CHAI Instagram
https://www.instagram.com/chaiofficialjpn/
 
CHAI YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCVieoyO8NvikN4kCG61ArPw

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