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連載Cocotame Series

エンタメビジネスのタネ

ソニーミュージックグループがアウトドアイベント『SOTOWAKU PARK』で提案する未来のソト遊び【後編】

2023.02.01

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最初は小さなタネが、やがて大樹に育つ──。新たなエンタテインメントビジネスに挑戦する人たちにスポットを当てる連載企画「エンタメビジネスのタネ」。

2月18日、19日、ソニーミュージックグループが初めて主催する大型アウトドアイベント『SOTOWAKU PARK』が東京ビッグサイトで開催される。会場では、国内の注目アウトドアブランドが展示、販売ブースを連ねるほか、ソニーグループの最新技術を駆使した“新しいソト遊び体験”を提案する参考展示「OUTDOOR×テクノロジー」、キャンプサイト展示、子どもと一緒に楽しめるワークショップ、フードエリアも用意される。

今回のインタビューでは、イベントの見どころを紹介するとともに、ソニーミュージックグループが今なぜアウトドア事業に参入するのか、その意義、今後の展望についてプロジェクトメンバーに語ってもらった。

後編では、アウトドア事業の今後の展望、『SOTOWAKU PARK』への期待感について話を聞いた。

  • 齊藤建

    Saito Ken

    ソニー・ミュージックエンタテインメント

  • 鈴木陽介

    Suzuki Yousuke

    ソニー・ミュージックレーベルズ

  • 川田大洋

    Kawada Taiyo

    ソニー・ミュージックソリューションズ

  • 佐藤紘士

    Sato Koji

    ソニー・ミュージックソリューションズ

『SOTOWAKU PARK』はアウトドア事業の第一歩

──(前編からつづく)ここまで『SOTOWAKU PARK 2023』のイベント内容、見どころについて伺ってきました。その上で、この新規プロジェクトは“ソニーミュージックグループらしさを発揮しつつ、アウトドア領域に参入する”という目的で立ちあがったということは、イベントの開催がゴールではなく、ここからさらに発展していくと考えて良いのでしょうか。

鈴木:そうですね。私が新規事業公募プロジェクトに応募したのは、“ソニーミュージックグループらしくアウトドア業界に参入するには”というテーマで考えた企画でした。裾野を広げ、業界をさらに賑やかにするというのがソニーミュージックグループらしい参入の仕方ではないかと思い、その第一弾として『SOTOWAKU PARK』というイベントが立ちあがっています。

今回はイベントなので“PARK”としていますが、プロジェクトとしては今後いろいろな展開が考えられるので、『SOTOWAKU』をブランド名と捉えていただくとわかりやすいかもしれません。

──イベントの来場者はどれくらいを見込んでいるのでしょうか。

齊藤:ガレージブランドが出展するイベントのなかには、1日で3~4万人を集めるイベントもあるので、我々もそれぐらいの規模のイベントを目指していきたいと考えています。ただ、お話しした通り『SOTOWAKU PARK』は、ソト遊びの枠を広げる、エントリー層の枠を広げる、ワクワクを広げるという3つのテーマを掲げて、アウトドアにまつわるさまざまな楽しみ方をご提案します。

例えば「OUTDOOR×テクノロジー」が、ガレージブランド好きの方に、どういう受け入れられ方をするのかは、完全に未知数ですね。1回目の開催ということもあるので、蓋を開けてみないとわからない部分ではありますが、ポテンシャルは十分にあると考えています。

──別のイベントでの成功例があるのであれば、コアなガレージブランドの出展に特化する考えもあったと思いますが、敢えてターゲットを広げたのはなぜでしょう。

川田:一部繰り返しになりますが、我々はアウトドアの領域において新参者になるので、既に構築されているマーケットにズカズカと踏み入るようなことはしてはいけないし、そういったやり方ではファンの方にも振り向いてもらえないと思います。だからこそエントリー層にも楽しんでもらえる企画をご用意して、マーケットを広げられるような取り組みを選択しました。

齊藤:ソニーミュージックグループのファウンダー的存在である大賀(典雄)さんが遺された言葉で、「社員一人ひとりが白いキャンバスに絵を描く喜びを味わうべきだ」というものがあるんですが、自分はそれがすごく印象に残っていて。

ソニーミュージックグループにとっては、アウトドア領域というのは、まさに白いキャンバスなんですよね。だからこそ、自分たちが得意なことでキャンバスに色を付けていって、ひとりでも多くの方に楽しんでもらえるものにしていきたいですね。

鈴木:我々は既存のマーケットを奪いに行くのではなく、枠を広げる取り組みがしたいんです。そして、業界の先輩となる皆さんと一緒になって、横のつながりでアウトドア業界を盛りあげられたら最高ですよね。エンタテインメントを生業にしている企業ですから、盛りあげ役は買って出るところです。

“あったら良いな”を作りつづける

──『SOTOWAKU PARK』は、ソニーミュージックグループにおけるアウトドアプロジェクトのファーストステップです。このイベントを今後どのように育てていきたいですか?

齊藤:次回も同様の展示型イベントを開催するのかは、まだ決まっていませんが、何らかの形でリアルイベントはつづけていきたいと考えています。また、『SOTOWAKU PARK 2023』開催のタイミングでメディアも立ちあげるので、こちらにも注力していきます。

中長期的な視点では、どの取り組みを軸にするか、まだ決めていませんが、市場を拡大させていくには、リアルイベントもメディアも必要ですし「OUTDOOR×テクノロジー」もどこかでしっかり定着させたいですね。共通して言えるのは、「これがあったら面白くない?」と思うものを作りつづけ、打席に立ちつづけることだと思います。

鈴木:イベントに関して言えば、個人的には音楽と絡めたものをどこかでやってみたいですね。音楽がメインのフェスだと、テント泊はするもののキャンプは音楽のついで。逆に、キャンプがメインのイベントでは、音楽が添え物になっていることが多いように感じます。キャンプ×音楽イベントは、グラデーションがあってちょうど良いバランスのものがなかなかないんですよね。いずれは、音楽もキャンプもどちらも全力で楽しめるイベントを作れたらと思います。

川田:音楽に関して言うと、僕はフェスに行ったら後ろのほうで楽しんでいるタイプです。テントで寝転びながら良い音を聴けたらうれしいし、それが「360 Reality Audio」だったら、テントのなかにいたほうが快適な空間だと思ってもらえるようなサービスが提供できるようになるかもしれない。

まずはそういう可能性を探り、トライ&エラーを繰り返しながら仲間を増やしていけたらと思います。作ったものに対してフィードバックがもらえれば、「こういう捉え方があるのか」「こういう遊び方もできるのか」と気付きも増えます。企画を実現する過程で仲間を増やし、ビジネスパートナーになっていければなお良いですよね。

あとは、「OUTDOOR×テクノロジー」をはじめ、“あったら良いな”という企画を形にしていき、そのお披露目の場となるのが『SOTOWAKU PARK』という位置付けにもしていきたいです。そして、今後もソニーミュージックグループと親和性が高く、我々の強みを発揮できる企画を実現したいと思います。

佐藤:このチームで打ち合わせをしていると、いろいろなアイデアが次々に出てきて面白いんですよね。今回は東京ビッグサイトの2ホールという限られたスペースなので、取捨選択しながら企画を実現していきましたが、今後、回を重ねていくとなったら形を変えてさらに新たな取り組みもできるのではないかと思っています。

そうやって年々新しい体験を提供していったほうがアウトドア人口を増やすことにもつながりますし、イベントの規模も大きくなっていくはず。そこから派生して、キャンプイベントや音楽イベントなどにもつなげられたらと思います。

齊藤:ソニーミュージックグループは、地方の自治体から地方創生のご相談をいただくこともあります。アウトドア事業がうまく回り始めたら、米どころの地域で「OUTDOOR×テクノロジー」のキャンプ場を新たに創設し、稲作スペースを作って、デジタルで監視しながら地域の方と米作りをするような取り組みもできるかもしれません。アウトドア事業に関するノウハウや知見を溜めながら、幅広く取り組んでいきたいですね。

“好き”という気持ちがプロジェクトの推進力

──最後に、皆さんがこのプロジェクトに対して感じているワクワク感、未来につなげる野望などがあれば教えてください。

佐藤:私が在籍する部署は、毎年開催される大型イベントの運営を多数手掛けていて、既存のイベントを担当することはあっても、この規模の新規イベントの立ちあげに携われることはなかなかありません。このチャンスをいかして、まずは『SOTOWAKU PARK 2023』をしっかりやり遂げ、来場者の方たちにまた来たいと思ってもらえるものにしたいですね。イベントをフックに、アウトドアとエンタテインメントの架け橋になれたらと考えています。

鈴木:僕は入社以来、ソニー・ミュージックレーベルズで宣伝やA&R(アーティスト&レパートリー)、ディレクターなどを担当してきました。今回のプロジェクトでは、今までとはまったく違う業界に関わることで、視野も人脈も大きく広がり、新しい価値観に出会えたことがとても楽しいですね。そして、アウトドアやキャンプといった自分の好きなことを仕事にできている幸せも感じます。恵まれた環境だなと思いますし、アウトドア事業に関わることで本業である音楽とのシナジーも生み出せたらと思います。

川田:コロナ禍が始まってしまった当初、エンタテインメントは無力だなと感じることがありました。しかし、緊急事態宣言などで行動が制限されるようになったとき、改めてエンタテインメントは必要なものだし、むしろ絶対になくてはならないものだと思うようになりました。

コロナ禍になって「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が急速に拡大して、人は自宅にいながらさまざまなことができるようになりつつあります。しかし、外に出て、リアルじゃなければ楽しめないものがありますし、そうしたエンタテインメントが生きる支えになっているという方もたくさんいます。イベントの制作や運営に携わっていると、自分は多少なりともそこに関われているんだと実感するんですよね。

そして私は、ソニー・ミュージックソリューションズの社員ですが、このプロジェクトを通じて「OUTDOOR×テクノロジー」に取り組み、改めて自分は“ソニーグループの一員なんだ”という意識も持つようになりました。だからこそ、ソニーグループと一緒に取り組んだ施策を成功させたいですし、せっかくソニーというグローバル企業とのつながりでいろいろな取り組みができたのだから、このプロジェクトを世界に持っていけるものにしたいという野望ができました。

齊藤:ソニーミュージックグループは、上意下達ではなく、一人ひとりが事業を行なっているという気概を持って仕事に取り組める組織だと私は感じています。今回は、自分たちが「これをやりたい! これが好きなんだ!」と発案した企画がタネになって、1年後には東京ビッグサイトでイベントを開催するという花を咲かせることができました。自分でも思ってもみない展開です。

この企画について周囲に話すと、みんな「面白いね」と言ってくれて、プロジェクトメンバーではないスタッフも自発的に参加し、いろいろとサポートをしてくれます。もちろんアウトドア業界が右肩あがりだというのもありますが、そのエンタテインメントが“好きだ”という気持ちで集まった人たちのパワーはやっぱりすごいなと実感しています。

自分は今40代半ばですが、この年代に新規事業に挑戦できるのも幸せなこと。もっと若いころは経験不足だったし、もう少し年齢が上だとこのパワーは発揮できなかったかもと思います。良いタイミングで良い企画に参加させてもらえて、本当にありがたいです。まずは『SOTOWAKU PARK』を成功させ、次につなげられたらと思います。

文・取材:野本由起
撮影:干川 修

SOTOWAKU PARK 2023 実行委員会  SOTOWAKU PARK ALL Rights Reserved

『SOTOWAKU PARK 2023』

開催期間:2023年2月18日(土)、19日(日)
開催時間:9:00~18:00 ※最終入場17:30
会場:東京ビッグサイト 南展示棟3-4ホール
展開内容:出展ブース(展示・物販など)/OUTDOOR×テクノロジー展示・体験型施策/キャンプサイト展示/ワークショップ/フード/オフィシャルグッズ など
前売り入場券:一般入場券:2,500円 先行入場券:3,500円
グッズ付き前売り入場券:一般入場券:4,000円 先行入場券:5,000円
※「SOTOWAKU PARK 2023 オリジナルステンレスシェラカップ 300」付き
当日券:3,000円
※小学生以下入場無料
※すべて税込
※前売り入場券の販売は2月9日(木)23:59まで

関連サイト

『SOTOWAKU PARK 2023』公式サイト
https://sotowakupark.jp/(新しいタブで開く)
 
『SOTOWAKU PARK 2023』公式Twitter
https://twitter.com/sotowakupark(新しいタブで開く)
 
『SOTOWAKU PARK 2023』公式Instagram
https://www.instagram.com/sotowakupark_2023/(新しいタブで開く)

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