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連載Cocotame Series

エンタメビジネスのタネ

街とともに育てるエンタメのタネ――『東急歌舞伎町タワー』が創るベニュービジネスの未来【前編】

2023.04.05

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最初は小さなタネが、やがて大樹に育つ──。新たなエンタテインメントビジネスに挑戦する人たちにスポットを当てる連載企画「エンタメビジネスのタネ」。

エンタテインメントを育てることが、ビルを、街を活性化するトリガーになる──。

今回フィーチャーするのは、2023年4月14日、東京・新宿にオープンする『東急歌舞伎町タワー』。高さ約225mの建物に、劇場、ライブホール、映画館などの複合エンターテインメント施設とホテル、レストランなどを備えたこのタワーは、“歌舞伎町の街とともに、エンターテインメントを通して新たな都市観光拠点を創りあげていきたい”という思いが詰まった新たなランドマークだ。街の活性化、ひいてはインバウンドの高付加価値化にもつながる拠点として、国内外から注目を集めている。

ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、SME)は、東急株式会社、株式会社東急レクリエーションとともに株式会社TSTエンタテイメント(以下、TSTエンタテイメント)という合弁会社を設立。総合エンタテインメント企業の知見をいかし、同タワー内の一部のエンターテインメント施設の運営に携わっている。『東急歌舞伎町タワー』というベニューから生まれる新たなエンタテインメントの可能性について、TSTエンタテイメント代表取締役社長 木村知郎氏と、SMEからの出向で同社の運営事業本部長を務める萩原要に話を聞いた。

前編では、TSTエンタテイメントが運営する施設の特徴を紹介するとともに、劇場、ライブホール、映画館、ホテルなどの縦連携から生まれる新たなエンタテインメント施策を提案してもらう。さらに、街との横連携がもたらす可能性についても掘り下げていく。

  • 木村知郎氏

    Kimura Tomoo

    TSTエンタテイメント
    代表取締役社長

  • 萩原 要

    Hagiwara Kaname

    TSTエンタテイメント
    運営事業本部長

施設の運営にとどまらず、新たなコンテンツの創出を目指す

東急歌舞伎町タワー外観

──TSTエンタテイメントは、東急株式会社、株式会社東急レクリエーション、SMEの3社による合弁会社であり、4月14日に開業する『東急歌舞伎町タワー』 内のエンターテインメント施設の運営に携わっています。まず同社の設立経緯についてお聞かせください。

木村:東急グループは、「歌舞伎町一丁目地区開発計画(新宿TOKYU MILANO 再開発計画)」において、オフィスが入らない大型エンターテインメント複合施設に初めて取り組むことになりました。ビルのオーナーは東急グループになりますが、運営に際してはそれぞれの分野で専門知識、ノウハウを持つ企業の皆様のお力が必要です。

そこで、エンタテインメントの知見があり、さまざまな角度からコンテンツを生み出しているソニーミュージックグループの皆様とともに、『東急歌舞伎町タワー』で「Zepp Shinjuku (TOKYO)」、「ZEROTOKYO」、「THEATER MILANO-Za」の運営に取り組むことになりました。

TST木村社長写真01

──ソニーミュージックグループ側は、どのような意図でこの事業に取り組むことになったのでしょう。

萩原:ソニーミュージックグループでは、ライブホールのZeppを国内外で展開しています。首都圏ではお台場、羽田、横浜にありますが、都内中心部にはZeppがなかったため、ぜひチャレンジしたいと思いました。また、『東急歌舞伎町タワー』には劇場もあります。ソニーミュージックグループとして本格的に劇場運営を手掛けるのはこれが初めてなので、このチャンスをいかしたいという想いもありました。加えてホテルやその他のエンターテインメント施設も入るタワーなので、これまでにはなかった新しいべニュービジネスが展開できると確信しました。

──事業内容について詳しくお聞かせください。

木村:ひとつは、劇場、ライブホール、ナイトエンターテインメント施設の運営です。しかもただ運営していくだけでなく、将来的にはオリジナルのコンテンツを作ることも視野に入れています。

また、TSTエンタテイメントでは、『東急歌舞伎町タワー』のプロパティマネジメント事業(施設の価値を高める管理運営事業)も請け負っています。さまざまな施設を手掛けている東急グループのノウハウと、Zeppの運営やコンテンツ作りを行なうソニーミュージックグループのノウハウを結集して取り組んでいきたいと考えています。

──運営にとどまらず、コンテンツを作るというのは面白い発想ですが、具体的にはどのようなコンテンツを想定されているのでしょう。

萩原:既存のZeppは、基本的にライブホールを興行主に貸し出すべニュービジネスです。『東急歌舞伎町タワー』にオープンする「Zepp Shinjuku (TOKYO)」は、収容人数約1,500人とほかのZeppに比べてコンパクトでチャレンジもしやすいため、我々の自主イベントとして新たなライブコンテンツを作っていきたいと考えています。また、「Zepp Shinjuku (TOKYO)」の夜間の時間帯はナイトエンターテインメント施設「ZEROTOKYO」になり、そちらはほぼ自主興行になります。

劇場「THEATER MILANO-Za」についても、貸し出しをしながらノウハウを蓄積し、将来的には自分たちで主催する芝居やイベントも開催していければと考えています。

Zepp Shinjuku写真

Zepp Shinjuku (TOKYO)

木村:4月からオーチャードホールを除いて改修工事を行なっていますが、東急グループでは長らく渋谷の複合文化施設「Bunkamura」を運営してきました。この施設でも、我々はコンテンツの創出にチャレンジし、渋谷の街づくりに取り組んできました。そのノウハウをいかして『東急歌舞伎町タワー』を運営し、歌舞伎町の街づくりに携わっていくことが、このプロジェクトの大きな目的です。

大衆文化の街・新宿にふさわしい劇場設備

──各施設について、詳しくお話を聞かせてください。先ほど「Bunkamura」のお話が出ましたが、同施設内のオーチャードホールなどは芸術性の高い演目が多く、気品の高さが感じられる施設です。いっぽう、『東急歌舞伎町タワー』の劇場「THEATER MILANO-Za」は、よりカジュアルに足を運べそうな雰囲気を感じました。こちらの劇場のコンセプトを教えてください。

木村:確かに「Bunkamura」内のオーチャードホール、シアターコクーンなどの劇場は、格式の高いホールが多いですね。出演者の方々にとってはまさに檜舞台であり、来場されるお客様も少し襟を正して訪れる場という文化が醸成されています。こうしたホールの運営により、若者文化とは対照的な大人の文化を渋谷という街に根付かせてきました。

いっぽう、新宿は大衆娯楽文化がDNAに刻まれた街です。初めて演劇をご覧になる方、初めて文化、芸術に興味を持った方を取り込み、なおかつ自分の“好き”をさらに深めていけるような、両面性を持つコンテンツを提供したいと考えています。

しかも、「THEATER MILANO-Za」は街から地続きの構造になっています。一般的に劇場の床にはじゅうたんが敷かれていることが多いですが、「THEATER MILANO-Za」は街との連動性を重視して、床面はあえて石畳のような仕上げにしました。座席についても、長く座っても疲れないシート、お客様にとって見やすい角度や高さも意識しています。路上で演劇を行なうような雰囲気、敷居の低さを表現し、新宿の大衆娯楽文化をさらに進化させていけたらと思います。

THEATER MILANO-Za写真

THEATER MILANO-Za

萩原:劇場の機能的な特徴を挙げると、「THEATER MILANO-Za」は1階席の座席がすべて1席毎に取り外すことができるので、花道を作ったり、客席にセンターステージを設置することも容易にできます。さらに、宙づりができる設備、ホール内やロビーをLEDの間接照明で彩る設備もあるので、演出面の自由度はかなり高くなっています。新宿は多様性が文化として根付いている街でもありますから、ストレートプレイ、2.5次元、ミュージカル、音楽公演、そして歌舞伎など幅広い演目で活用いただけます。

──「Zepp Shinjuku (TOKYO)」についてはいかがでしょう。

萩原:これまでのZeppは風営法上、深夜営業ができませんでした。ですが、『東急歌舞伎町タワー』では深夜営業が可能なので、ライブ公演終了後の夜間は「Zepp Shinjuku (TOKYO)」をナイトエンターテインメント施設「ZEROTOKYO」として活用することができます。

内装デザインはクラブに寄せ、設備もクラブ仕様のレーザー、ステージ背面と地下3階席前にはLEDビジョンを設置しています。地下3階席の360度LEDビジョンをはじめこれらの機器は、通常のライブでも活用できるので、「Zepp Shinjuku (TOKYO)」「ZEROTOKYO」ならではの演出が可能です。

ZEROTOKYO写真

ZEROTOKYO

──Zeppは全国にあるホールが同じ仕様になっているため、アーティストがツアーを組みやすいという利点がありました。今回オープンする「Zepp Shinjuku (TOKYO)」は、その点でほかのZeppとは異なる仕様になっているようですが、どういった使用シーンを想定していますか?

萩原:確かに今までのZepp規格とは異なる部分がありますが、多彩な演出ができる設備、機器がプラスに働くと考えています。例えば、これまでのように全国Zeppツアーを行ない、都内では「Zepp DiverCity(TOKYO)」や「Zepp Haneda(TOKYO)」で公演をしつつ、「Zepp Shinjuku (TOKYO)」では演出を変えたスペシャルライブを行なうといった使い方もできます。また、東京の中心地、新宿の歌舞伎町という好アクセスで、飲食店も娯楽施設も豊富な立地条件は来場者の皆さんにも喜ばれると思います。

木村:昨今は、ミュージックビデオだけでなくSNSを中心にさまざまなビジュアルコンテンツがあふれていますよね。そのため、ライブホールでもサウンド以外に、お客様と新たな形で空間を共有する設備が求められます。

「Zepp Shinjuku (TOKYO)」はそのための設備も整っているので、コンテンツを用意していただければ、LEDビジョンなどを使って新しい空間を創出できます。将来を見据え、これからのライブエンターテインメントを作っていくお手伝いができればうれしいですね。

萩原:そして何より『東急歌舞伎町タワー』内の縦連携も積極的にアピールしていきたいと考えています。「Zepp Shinjuku (TOKYO)」のこけら落とし公演のトップバッターはSUPER BEAVERですが、ボーカルの渋谷龍太は東京都新宿区の出身で歌舞伎町の街で生まれ育ったというルーツを持っています。

同じ街に生まれた縁がこけら落とし公演のトップバッターという目に見える形になり感慨深いですが、彼らのこのライブは『東急歌舞伎町タワー』内の映画館「109シネマズプレミアム新宿」でライブビューイングも行なう予定です。また、タワー内のホテル施設「HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel」にコラボレーションルームを設置し、宿泊付きライブチケットも販売します。メンバーのサイン入りグッズやポスター、限定メッセージムービー、ウェルカムカードといった、ここでしか手に入らない特典もご用意する予定で、ファンの皆様にはご期待いただければと思います。

ほかにも、タワー内の施設をフル活用すれば、さまざまな展開が可能です。主催者、ファン双方に喜んでもらえる『東急歌舞伎町タワー』ならではのエンターテインメントを展開していきたいと考えています。

萩原本部長写真

タワー内の施設を縦連携した、新たな企画が可能に

──『東急歌舞伎町タワー』には、ライブホール、劇場、映画館、ホテル、レストランなどさまざまなエンターテインメント施設があります。今「Zepp Shinjuku (TOKYO)」とホテルの連動企画について話していただきましたが、ほかにはどのような企画が考えられますか?

萩原:「Zepp Shinjuku (TOKYO)」でライブを行ない、流れで「ZEROTOKYO」でクラブイベントを行なうといった使い方も可能です。「ZEROTOKYO」は、「Zepp Shinjuku (TOKYO)」のスペースを含む地下2~4階の3フロア構造です。地下4階のホールは1時間以内で「ZEROTOKYO」のダンスフロアに転換できますし、地下2、3階のスペースはライブには使用しないため、「Zepp Shinjuku (TOKYO)」からそのまま地下2階のBOX、R Bar、GALLELYや地下3階のRING、Z ROUNGEといったスペースに流れることもできます。

また、17階のJAM17 TERRACEは多目的に活用できるので、「Zepp Shinjuku (TOKYO)」と連動して回遊型のフェスを開催したり、ライブ後にクローズドなファンミーティングを行なうといった使い方も想定されます。

東急歌舞伎町タワー17F写真

木村:映画館の「109シネマズプレミアム新宿」には8つのスクリーンがあり、全席CLASS A・Sと2種類のプレミアムシートをご用意しています。一番大きなスクリーンでも約130席なので、ゆったりと映画を楽しんでいただくことができます。「Zepp Shinjuku (TOKYO)」と連携すれば、この素晴らしい環境でライブビューイングを楽しむこともできるでしょう。

東急歌舞伎町タワー写真

109シネマズプレミアム新宿

またホテルの部屋やレストランにも「Zepp Shinjuku (TOKYO)」の映像を配信できるため、興業主のご希望があればそちらでもライブ映像を流すことができます。さらに映像を配信するホテルの部屋は1部屋ごとに設定ができるため、ファンエンゲージメントを高めるスペシャルな演出が可能となりますし、レストランにライブ映像を配信すれば、新しい形のディナーショウも実現できると思います。

スペシャルな演出の一例として、今、「Zepp Shinjuku (TOKYO)」で自分が熱狂したアーティストから、ホテルの部屋に戻った瞬間に「今日はありがとう、おやすみ」なんて映像が配信されてきたら、ファンなら堪りませんよね。

萩原:「THEATER MILANO-Za」では1階席の座席が取り外せるので、例えば最前からの数列にはテーブルをセッティングして、その席にだけレストランの食事を提供するといったことも可能です。アイデア次第で、さまざまな高付加価値イベントを行なうことができるので、幅広いお客様を呼び込めるのではないかと思います。

──ファンエンゲージメントの高いアーティストやイベントであれば、タワーを1棟貸し切って丸ごとそのアーティストに紐付けたイベントを行なうこともできるのでしょうか。

木村:2ブランドあるホテルのうち、ラグジュアリーホテル「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」の貸し切り対応は難しいと思いますが、ライフスタイルホテル「HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel」との連動ということであれば、そういった企画も容易に実現できると思います。「この時間にここに行けば、ライブが見られる」「ここではファンミーティングがある」とタイムスケジュールを組み、タワー内のさまざまな施設を活用してイベントを行なうのも面白いかもしれませんね。

そして今後は、訪日観光客に向けたMICE(Meeting/会議・研修・セミナー、Incentive tour/報奨旅行・研修旅行、Convention/国際会議、Exhibition/展示会の頭文字をとった造語)の誘致にも、力を入れていきたいと考えています。

HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel写真

ライフスタイルホテル「HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel」の客室。

BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel写真

ラグジュアリーホテル「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」の客室。

街と連動し、ポップカルチャーを発信

──『東急歌舞伎町タワー』は、街との連動性も高い施設です。目の前には「歌舞伎町シネシティ広場」(以下、シネシティ広場)が広がり、このスペースを利用したイベントも企画されています。街を挙げての施策は、どれくらいの規模まで展開できるのでしょうか。

東急歌舞伎町タワー写真広場

「シネシティ広場」と連動したイベントなども企画できる。

木村:「シネシティ広場」との連動に関しては、再開発計画の当初から提案させていただきました。国家戦略特別区域、都市再生特別区域として事業を認めていただき、約200㎡の屋外ビジョン、屋外ステージの設置も実現しました。新宿区が目指す「エンターテイメントシティ歌舞伎町」を具現化するために、街全体でポップカルチャーを発信できるよう我々もお手伝いできればと思っています。

また、一般社団法人「歌舞伎町タウン・マネージメント」と連携して、「シネシティ広場」や区立大久保公園におけるイベント、文化の発信も行なっていく予定です。我々だけでなく、多くの皆さんに「シネシティ広場」や屋外ビジョン、屋外ステージをご活用いただき、連動的に運営できればと考えています。

──既に計画している街ぐるみの施策はありますか?

木村:東急グループは渋谷というイメージが強いと思いますが、1956年から2014年まで映画館とボウリング場などの娯楽文化施設「新宿東急文化会館」を手掛けてきました。新宿でも半世紀以上、ビジネスを行なってきた実績があるので、街の皆さんとの信頼関係もしっかり築けています。そういった背景もあって、『東急歌舞伎町タワー』のオープンに向けて、街を挙げた施策にもご協力いただくことができました。

新宿東急文化会館写真

1956年に開業した「新宿東急文化会館」。

──具体的な内容を教えてください。

木村:『東急歌舞伎町タワー』のビルのデザインは、噴水や水しぶきをモチーフにしているので、水をイメージした青がブランドカラーですが、これにちなんで4月6日から普段は赤い歌舞伎町一番街アーチをはじめ、街が青に染まります。

歌舞伎町一番街アーチ写真

歌舞伎町一番街アーチが青色に染まる。

──一番街アーチが青くなるんですね。それは見てみたいです。

木村:この施策は、『東急歌舞伎町タワー』がオープンすることに端を発したセレブレーションですが、私たちはこれを歌舞伎町という街の新たな門出を記念するものとも考えています。

ほかの繁華街やそこで事業を営む皆様と同様、歌舞伎町という街もコロナ禍で非常に大きなダメージを受けました。感染拡大当初から密を生み出す繁華街のひとつとして集中的な指摘を受けることになってしまったので、歌舞伎町で事業をされている方々も本当につらい思いをされたと思います。そうした思いに寄り添いながら、そしてコロナ禍前の日常がどれほど尊いものだったのかを改めて心に刻む意図も込めて、このセレブレーションを楽しんでいただきたいと思います。

──先ほど「『シネシティ広場』や屋外ステージを活用してほしい」というお話がありました。コンテンツホルダーから「こういうことがしたい」という企画の提案があれば、使用申請などを含め、しかるべき形で対応されるということでしょうか。

萩原:そうですね。既に月に1度のペースで、ストリートミュージシャンの方々とのコラボも始めています。新宿、歌舞伎町に限りませんが路上でのパフォーマンスは無許可のケースが多いので、途中で止められてしまうことってよくありますよね。

そこで、彼らのパフォーマンスを街のイベントとして公認し、「シネシティ広場」でパフォーマンスを披露してもらっています。そして『東急歌舞伎町タワー』がオープンしてからは、この活動をさらに拡大していきたいとも考えています。将来的にはZeppのステージに立てるようなアーティストの発掘、育成、サポートも行なっていければ良いですよね。

また、サーキットイベントも行ないたいと考えていて。これまでも歌舞伎町のライブハウスの皆さんが連携してイベントを行なってきましたが、フラッと街を訪れた人に気付いてもらうのはなかなか難しかったと思います。「シネシティ広場」や『東急歌舞伎町タワー』の屋外ステージを活用してパフォーマンスを行なえば、「あ、今こういうイベントをやっているんだ」とより伝わりやすくなり、イベント自体に広がりがでます。アイデア次第で、さまざまな展開ができると思っています。

萩原要写真2

木村:実際に実現させるのは、オープンから少し先になると思いますが、『東急歌舞伎町タワー』の周囲にも少しスペースがあるので、そこでもアーティストの方々に自由にパフォーマンスしてもらえる場を作れたら良いなと考えています。例えば、場所を予約できるスマホアプリを開発して、「今日、何時から1時間だけパフォーマンスをする」といった具合に手軽に場所を有効活用できたらと。もちろん、ルールを守っていただくことが大前提ですが、自分の表現を自由に行なえる場になれば理想的ですよね。

私たちは『東急歌舞伎町タワー』を起点にしながら、歌舞伎町という街を人が夢を持って集まれる場所に進化させたいんです。路上アーティストが安心してパフォーマンスできる場を作るのも、その一環。“見出す~育てる~羽ばたかせる”というストーリーを描き、夢を集め、夢が叶う街づくりを行なっていきたいと考えています。

その上でも、ソニーミュージックグループとご一緒できたのは非常に大きなこと。街の皆さんとも協力し合って、コンテンツの創出、人々の夢を叶える街づくりができたらと思います。

木村社長写真02

文・取材:野本由起
撮影:干川 修

後編につづく

関連サイト

東急歌舞伎町タワー
https://tokyu-kabukicho-tower.jp/(新しいタブで開く)
 
TSTエンタテイメント
https://tst-ent.co.jp/(新しいタブで開く)
 
Zepp Shinjuku (TOKYO)
https://www.zepp.co.jp/hall/shinjuku/(新しいタブで開く)
 
ZEROTOKYO
https://zerotokyo.jp/(新しいタブで開く)
 
THEATER MILANO-Za
https://milano-za.jp/(新しいタブで開く)
 
109シネマズプレミアム新宿
https://109cinemas.net/premiumshinjuku/(新しいタブで開く)

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