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芸人の笑像

えぐろ:“建築女子あるある”ネタで話題の一級建築士芸人の素顔②

2025.02.27

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建設現場監督という経歴をいかした“建築女子あるある”ネタで注目のえぐろ。後編では、念願のお笑いの道へ踏み出した彼女の現在とこれからを聞く。

  • えぐろプロフィール画像

    えぐろ

    Eguro

    1998年9月15日生まれ、埼玉県出身。血液型O型。2023年12月より芸人としての活動をスタート。一級建築士の免許を持つ“建築女子”。2月27日放送の『見取り図の間取り図ミステリー』に出演する。

記事の前編はこちら:えぐろ:“建築女子あるある”ネタで話題の一級建築士芸人①

“早く売れたい!”とコンビを結成するも5カ月で解散

白のトップスにデニムのパンツを履くえぐろ

ふんわりとSMAへの所属が決まったのが2023年の冬。その2週間後、観客の前でネタを披露する、初めての事務所ライブに出演することになった。

「最初は本当にお客さんも数人しかいない時間帯だったんですけど……ほんとに緊張したし、舞台に出る不安もすごかったんですけど、何度か出演するたびに、徐々に慣れていった感じです。そのころには実家の近くから通うようになってたんですけど、親には、どんな芸名でやってるかも、詳しいことはまったく教えてなくて。ライブを観に来られたら恥ずかしいので、今はまだ修行中だから私が出てるわけじゃなく、事務所ライブの裏方の手伝いをしに行ってるって、また嘘ついてました(笑)」

公演の遊具で遊ぶえぐろ

所属当初はピン芸を披露していたえぐろだが、2024年6月、彼女のYouTubeチャンネル『えぐろのえぐTUBE』にもトークゲストとして出演しているSMAの同期芸人と“モノトーンディスコ”というコンビを組んで『M-1グランプリ2024』に出場した。そもそもコンビ活動を始めようと思ったのはなぜなのか。

「やっぱり漫才をやりたかったし、『M-1』にも出たかったんです。漫才するならコンビを組まなきゃと、SMAの同期芸人を私から誘いました。せっかく芸人を始めたからには、できるだけ早く売れたいという気持ちもありました」

公園の遊具にのぼるえぐろ

モノトーンディスコで最初に取り組んだのは、いわゆるコント漫才。

「なんか……ネタ中に背負い投げじゃないですけど、体を使って投げまくるみたいなのをやってました(笑)。コンビを組んでからは、ネタをやるために事務所ライブ以外のライブにも出るようになったんですけど、『M-1』の結果は……1回戦敗退。お笑いの世界の厳しさを実感しましたね。結局、組んでから5カ月ぐらいで解散しました」

解散の理由も明らかだった。

「そもそも、売れたい!  というノリが合うだけの理由で組んだから、ネタの好き嫌いとか笑いのセンスが全然違うってことが、ライブをやるほどわかってしまって。元相方は尖ってるというか、ネタも、わかる人だけにわかってもらえればいいし、際どいことも言いたいタイプ。でも私は、ちょっとでも危ないことは言いたくないし、誰にでもわかりやすくて、みんなが笑顔になれるネタをやりたいという気持ちがあったんですよね」

やす子がブレイクした『おもしろ荘』でネタ披露

楽しそうに滑り台をすべるえぐろ

「早く売れたい!」気持ちを胸に秘め、改めてピン芸人として受けたブレイク芸人の登竜門『おもしろ荘』こと『ぐるナイ年越しおもしろ荘!今年も誰か売れて頂戴SP』オーディションに、えぐろは見事合格し、出演を果たす。えぐろがリスペクトするやす子がブレイクしたきっかけも2021年の『おもしろ荘』だった。

当日、えぐろが披露したネタは、今や彼女の代名詞にもなっている“建設女子あるある”。現場監督そのままのリアルなヘルメット&作業服姿で登場し、“建築女子”がキュンキュンする設定を、腰につけた工具でハートマークを作りながら見せるフリップ芸だ。

滑り台をすべる後姿のえぐろ

「SMAに入った当初は、お見合いをテーマにしたひとりコントとかをやってたんですけど、やっぱりコントは苦手だなと思いまして。そんなとき、ネタ見せで作家さんに“せっかく現場監督やってるんだから、建設女子みたいなのをやれば?”とか “やす子のネタを参考にしてみたら?”とアドバイスをいただいたんです。確かに、現場経験があって一級建築士免許を持ってる芸人さんってきっといないだろうし、そのほうが自分もネタを作りやすい。それですぐにホームセンターにヘルメットを買いに行きました(笑)。

ネタの内容は、ゼネコンで働いていたときの記憶からですね。ネタ中にタワークレーン、ラフタークレーン、クローラークレーンとクレーンの種類を出してますけど、あれも現場に入った1日目に先輩から教わることなんですよ」

滑り台をすべり終わったえぐろ

芸人になったのが周囲に知られ“もうあと戻りできない”

『おもしろ荘』でインパクトを残したことで、えぐろを取り巻く環境も、えぐろ自身の心構えも変わったという。

「会社を辞めたときは、上司以外には辞めた理由を内緒にしていたので、『おもしろ荘』を見てくれた前の会社の知り合いから、たくさん連絡をもらいました。まさか芸人になってるとは! みたいな。それがオープンになったのが一番デカくて、もうあと戻りできないなって(苦笑)。

今は芸人の仕事に理解のある会社で、家のリフォームとかの現場監督のアルバイトをさせてもらっていて、それはすごく恵まれているんですけど……やっぱり、早く芸人一本で食べていけるようになりたいです!」

ちなみに『おもしろ荘』への出演が決定したことも、両親に内緒にしていたそうだ。

「ずっと修行中って言ってましたから(苦笑)。でもSNSとかで番組の予告動画が出たときに、そのURLを母に送ったら、近所の人や知り合いにめちゃめちゃ拡散しちゃって。多分、LINE知ってる人全員に送ったんじゃないですかね? 近所のお店の店員さんとかにも自慢してたみたいです。恥ずかしいからやめてほしいんですけどね(苦笑)」

草の上で四つん這いになるえぐろ

芸人としてスポットを浴びるようになり、えぐろの目標とも言えるお仕事女子ネタの先輩、やす子とも関係が深まっている。

「初めてご挨拶できたのは、私がSMAに入ってすぐ、2023年末の『SMAホープ大賞』の会場でした。同じSMAにいても、私は若手が所属するHEETプロジェクトで、やす子さんや売れっ子の先輩方はNEETプロジェクト所属なので、ほとんどお会いする機会がないんです。でも『おもしろ荘』のおかげで、そのあとすぐ『サンジャポ』(『サンデージャポン』)でも共演させてもらえました。

やす子さんはすごく優しくて、この間もある番組のロケに一緒に行かせていただいたんですけど、帰りにお土産を買うときに『このカゴに好きなもの入れていいよ』って私の分まで買ってくださったんです! 空港からのタクシーにも一緒に乗せていただいて、同い年だというのに自分と違って、なんて気づかいのできる素敵な方なんだ! って思いました」

建築女子ネタで使う音源はマツモトクラブが制作

穏やかな表情で微笑むえぐろ

やす子だけでなく、「SMAの先輩芸人は、皆さんいい方ばかりなんです!」とえぐろはうれしそうに話す。

「建設女子ネタの最後のほうで、養生テープを振りかざしながらラップをするんですけど、その伴奏の音源はマツモトクラブさんに作っていただいたんです。マツクラさんは音を使うネタがお得意なので、マネージャーさんが頼んでくれまして。テレビでネタをやるときは尺がキッチリ決まっているから、何度かネタを修正するんですね。そうするとラップの尺も変わるので、“明日までにあと5秒伸ばしてください”とか、無理なお願いもしてたんです。そしたら、明け方の4時ごろに修正版を送ってくださって……本当にありがたいです。まだちゃんとお礼ができていないので……何か考えなきゃ!」

テープを手に取りポーズをとるえぐろ

ほかに仲良くなったSMAの先輩は? と聞くと、着ている作業着の前をパッと開けて、自慢げに着ているTシャツを見せてくれた。

「前はヨレヨレの黒Tシャツを着てて、見映えが悪いからと、もじゃさんの単独ライブに出させてもらったときにライブTシャツをいただきました! それ以来、衣装の作業着の下にはいつももじゃさんのTシャツを着てます!

今年の『R-1グランプリ』は準々決勝まで進めたんですけど、予選前にはいろいろな先輩方のライブに出させてもらって準備ができたし、事務所のネタ見せのときはビューティフルボーイズのホットパンツしおりさんが、すごく私のことを気にかけてくれたり、皆さん本当にあったかくて! ほかの事務所を経験したことはないんですけど、“Beach V”で腕を磨けるSMAに入って良かったと思うし、SMAは自分に合ってる気がします。

SMA以外でも、馬鹿よ貴方はの新道(竜巳)さんに、“バラエティ番組に呼ばれたときのためにトーク力をつけたいんです”と相談したら、トークライブにたくさん呼んでくださったりして、いろいろな方にすごく良くしていただいてますね」

安全第一のパネル前で座るえぐろ

テレビ初出演を果たした2025年は『The W』の決勝進出を目指す

大らかな笑顔とハキハキした元気いっぱいの芸風。先輩にもかわいがられ、期待の若手芸人として、大きな一歩を踏み出したえぐろ。そんな彼女が目指す芸人像はどんなものだろうか。

「まずは今、人前でできる大きなネタが“建設女子”しかないので、新ネタを試行錯誤中です。フリーライブとかではコントもやっていて、とにかくもっといろんなネタを作りたいですね。今年目指しているのは『女芸人No.1決定戦 THE W』の決勝進出です! 実は私、会社員のころから1年ごとの目標を決めるようにしていて、実際その通りに来てるんですよ。2023年は一級建築士に合格して、2024年はお笑いの事務所に入って、2025年はテレビ初出演。2026年の目標も立ててます!」

丸太の上でバランスよくポーズをとるえぐろ

ここまで順調に達成されているえぐろの目標。今後、出てみたいと思っている番組もあると言う。

「たくさんありますけど、『世界の果てまでイッテQ!』は出てみたいです。どんな国でも楽しく旅ができる自信があるので! そして『有吉ゼミ』のヒロミさんのDIY企画に弟子入りしたいです。図面を引いたり現場監督としての知識はあるけど、実際の家づくりは職人さんにお任せしてきたので、実技のほうをこれから身につけたいですね。

あとは無人島企画にも参加したいし、体を使った体当たりの企画はきっと得意だと思うので、出させていただけたらうれしいです。あと、個人的には……大ファンの中島健人さんとご一緒してみたいです。芸人になるメリットととして書き出していたことのひとつが、“中島健人さんに会えるかもしれない”だったので(照)、いつか叶うとうれしいです!」

手を上にあげて満面の笑みを浮かべるえぐろ

記事の前編はこちら:えぐろ:“建築女子あるある”ネタで話題の一級建築士芸人①

文・取材:阿部美香
撮影:遠藤勇司

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