ブルース・スプリングスティーンについて知っておきたい12のこと①
2025.12.05


2025.10.02
ノエルとリアム、ギャラガー兄弟の電撃的な和解により16年ぶりに再始動をはたし、現在、開催中のワールドツアー『Oasis Live '25』で世界を熱狂させているオアシス。そんな彼らを長年サポートしてきた日本のソニーミュージックの担当者たちに、オアシスについて知っておきたいことを聞いた。
バンドの再始動後を語る後編では、グッズ制作に込められた思いと日本公演への期待を語った。
目次

小沢暁子
Ozawa Akiko
ソニー・ミュージックエンタテインメント

石毛克利
Ishige Katsutoshi
ソニー・ミュージックパブリッシング
(写真左より)リアム・ギャラガー(Vo.)、ノエル・ギャラガー(Gt./Vo.)。ノエルとリアムのギャラガー兄弟を擁する、英国・マンチェスター出身のロックバンド。1991年結成。1994年、1 stアルバム『オアシス』(原題:Definitely Maybe)を発表し、一躍人気となる。「リヴ・フォーエヴァー」「ホワットエヴァー」「ワンダーウォール」「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」などのヒット曲を世に放つも、たびたび兄弟の不仲が報じられ、2009年に活動を停止。その後、15年の長きにわたりバンドは休眠状態となるが、奇跡的に兄弟の和解が成立し、2024年8月にバンドの再始動を発表。2025年7月4日に行なわれたカーディフ(ウェールズ)を皮切りに、16年ぶりのワールドツアー『Oasis Live '25』を開催中。
記事の前編はこちら:再始動後のオアシスについて知っておきたい11のこと①
――オアシスの地元、マンチェスター公演にまつわる話を、現地を視察した石毛さんに聞いていきます。
石毛:本当に月並みな言い方になりますが、「すごかった」のひと言に尽きます。僕は来日公演を大きく盛り上げようということで、日本におけるグッズ販売のポップアップショップの企画を進めていまして、今回は既にオープンしているロンドンとマンチェスターのポップアップショップの視察も兼ねて行ったんです。
当然オアシスはトップ・オブ・ザ・トップのバンドですし、しかも16年ぶりの再始動であることは念頭にあったんですが、それを迎える街の雰囲気は想像のはるか上を行くような賑わいというか、街全体が“オアシスのための祭”のような状態でした。
――街全体がお祭り状態というのはすごいですね。
石毛:そうなんです。イギリスに到着してまずはロンドンのポップアップショップに行ったんですけど、グッズを買いに来る人たちであふれていて。レジ待ちの列もすごいことになっていました。
しかもロンドンという大都市にもかかわらず、オアシスのTシャツを着ている人たちがそこかしこにいるんです。ロンドンの街全体が、日本で言うところの、東京ドームでアーティストのライブがあるときの水道橋周辺みたいになってました(笑)。
そこから電車でマンチェスターに行って駅を降りたら、さらに祭典の濃度が増していて。まるでスポーツの世界的な祭典が開催されているかのように、街中がロードドレッシングされていました。ストリートにはオアシスの旗が立っていましたし、オアシスで街中が飾られていましたね。
もう、ひとつのバンドレベルの話じゃないんですよ。ライブ前に改めてオアシス再始動が与えるインパクトの大きさを感じました。
小沢:マンチェスターはイギリスでも有数の都市ですが、現地の状況を日本で例えると、大阪一帯がオアシス祭りになっていた感じです。
石毛:この話、全然盛ってないんですよ。本当に、世界各地で開催されるスポーツの祭典に匹敵するレベルでした。
当然、オアシスの地元っていうのもあるんでしょうけど、街が一体となって盛り上がってて。マンチェスターのポップアップショップでは、朝から開店待ちの列ができて、こちらも常に2時間待ちみたいな状態でしたね。
――日本ではグッズを求める行列はよく見る光景ですが、海外の人が行列を作ってアーティストグッズを買い求めるというのは、あまり聞かないですよね。
小沢:普段はあまり見ないですね。日本ではグッズがすごく重要視されるし、ファンの方たちの熱量も高いですが、海外ではそこまでではなくて。それが今回は、オアシスの服を着用していないと会場に入れないルールでもあるのかと思うぐらい(笑)、みんなこぞって買っていました。
石毛:サポーターで満員になった、サッカーのビッグマッチみたいな感じでしたね。
小沢:そうそう。オアシスのライブというのは、コンサートに行くというよりも“試合に行く”感じで。しかも、全員がひとつのチームを応援してるので、全員が同じユニフォームを着てるみたいな。
さらに言うなら、ただ試合に行くだけではなくて、全員で勝ちに行く(笑)。街では当然、どこに行ってもオアシスが流れてるし、パブでは全員がオアシスの服を着て飲んでるような状態でした。
石毛:道行く人がみんな、何かしらオアシスのグッズを身につけているんです。マンチェスターの街並みの記録映像を撮ろうと思っても、みんながオアシスのTシャツを着て歩いてるから、オアシスの記録になっちゃって(笑)。
――オアシスがマンチェスターの風景になってしまっていると。SNSでも、パブでギャラガー兄弟のそっくりさんコンテストをやってる光景が流れてました。
小沢:なりきりノエル、リアムみたいなのは、街のいたるところでやってましたよ。
石毛:あと、勝手にコラボみたいなのもたくさんやってましたね。
小沢:スーパーマーケットで、“ノエル”と書かれた入り口と“リアム”と書かれた入り口を作って、ゲートを通る人をカウントして、どっちが勝つか競ってたり。オアシス記念クーポンをもらうと次から10%割引きとか……。
――いわゆる野球の優勝セールみたいなことが、オアシスバージョンで発生してたと(笑)。
小沢:バーの看板がオアシスのデッカロゴそっくりのデザインになってたり、リアムの口癖で“ビブリカル(Biblical=神がかってる)”っていう言葉があるんですけど、デッカロゴのデザインで“Biblical”と書いた中古レコード屋の看板があったりとか、街全体にオアシスが染み込んでいて面白かったです。
――マンチェスター公演は、7月11日、12日、16日、19日、20日と5日間にわたって行なわれました。会場になったヒートン・パークはどんなところにあるんですか?
小沢:中心街からちょっと離れた、電車で20分ほどの場所にあって、そこに9万人ぐらいの人がドーンと集まるんです。で、会場に向かう電車やトラム、バスのなかで流れるナレーションをリアムがやってるんですよ。「次はヒートン・パークだぜ、カモーン!」みたいに(笑)。
バンドとしても自分たちの街なので盛り上げようっていうのもあるし、街の人たちもオレたちが育てたオアシスっていう思いがあるから、その相乗効果でさらに濃いオアシス祭りになってたのかなって。
――愛のあるオアシス祭りですね。
石毛:今回のイギリスのツアーのなかでは、ヒートン・パークが唯一の純然たる野外会場でした。野外という開放感もあって、すごい盛り上がりでしたね。今日、僕はオアシスのTシャツを着てますけど、普段はロックTシャツをあまり着ないのですが、そんな自分でも買って着たい! っていう気にさせる空気感が会場にはありました。
小沢:それは、バンドがちゃんとファンの気持ちをわかってるからでしょうね。Tシャツには表にライブの日付が入っていて、裏には都市名が入っているんですが、これはどこの開催地でもまずライブ会場から売り出すアイテムなんです。
キーカラーも各都市で違っていて、カーディフはウェールズの旗の色の赤、マンチェスターは蜂が街のシンボルなので黄色、ロンドンはグレー、ダブリンはエメラルドの島・アイルランドのシンボルカラーでグリーンになっています。そして、都市名と日付が入ることで、ツアーに参加した人たちが、“あのとき、自分はここにいたぜ”っていう証を持ち帰れるようになってる。
だから、訪れるすべての街で“チームオアシス”が続いていくイメージなんです。1日1日のライブで終わらすことなく、その日からその街のみんなで、ずーっと“オレたちチームオアシス”みたいな感覚になれる。
もちろん、日本でも“TOKYO”バージョンが発売されます。キーカラーは何色か候補を出した末に、今回ライブが行なわれる東京の伝統色ということで江戸紫で決まりました。どうしても数に限りがあるので、“絶対に欲しい!”という方は、早めに手に入れていただいたほうがいいかもしれません。

背面にTOKYO、TOKYO DOMEがプリントされている「Tシャツ TOKYO CITY」(価格:7,000円)。
東京のポップアップ・ショップ「Oasis Live ‘25 Tokyo Fan Store」にて販売開始

表面に開催日(ロゴ下)、背面にTOKYOがプリントされている「Tシャツ TOKYO1025/1026(各開催日の日付入り)」(価格:8,000円)。10月25日(土)、26日(日)に、東京ドーム物販売り場にて販売。営業時間や詳細な場所などは後日 「オアシス来日記念公式サイト」 で発表
――なるほど。ほかに現地の会場の様子で気がついたことはありますか?
小沢:“ギャラガーヒル”って勝手に呼ばれていましたけど、マンチェスターでは会場に入れない人が、スクリーンの見える丘にものすごい数集まって、ライブの音漏れを聴くっていう場所もありました。
それと面白いのが、オアシスのライブっていつもそうなんですけど、オーディエンスはとにかくライブの最中にビールを買いに行きたくない人が多いんですよ。だからライブが始まる前にまとめてビールを買う。気が抜けてまずくなるけど、それよりも、1曲たりとも聴き逃したくないから。みんなカップが6杯入るホルダーを足元に置いて、ずっと飲みながら見ているんです。そうすると、どうなるかっていうと、ライブ中はビールとグッズ販売のテントがめちゃめちゃ暇になるんですね(笑)。
石毛:すると、販売スタッフの人たちも交代でステージを観に行くという現象が起きるんです。なんなら警備のスタッフも当たり前のようにステージ観てますからね(笑)。
――みんな自由ですね(笑)。
小沢:オーディエンスはトイレも我慢して、自分の席から動かない。「ああ、そうだ。オアシスのライブってこうだったな」って思い出しました。でも、今回は今まで以上の熱量を感じました。みんなとにかく、もったいなくて動けないって感じで。
――先ほど、ワールドツアーの各開催地限定カラーTシャツの話が出ましたが、それ以外のグッズ展開も注目を集めています。
小沢:今回のツアーでは、オフィシャルグッズに加えて、アディダスとのコラボグッズが販売されています。
オアシスのライブは“試合”なので(笑)、やっぱりユニフォームが欲しいんですよね。彼らのコンサートは一体感がすごいので、チーム感を強めるグッズが求められるんです。今回のツアーの日付入りTシャツやサッカーシャツ、ジャージ、ハットなどはどれもかわいくて、うっかり私もイギリスでたくさん買っちゃいました(笑)。
私も普段はアーティスト系のTシャツを全然着ないんですが、彼らのライブに行くと、自分も参加しとかないとまずいかもって感じになるんですよね。まんまとはめられました(笑)。
アディダスとのコラボグッズの詳しい情報はこちら
――オアシスが大好きなアディダスとのコラボって絶妙すぎますよね。
小沢:そうなんですよ。超ハイブランドとコラボして高級感を演出するパターンもありますが、このコラボはちょっと違いますね。
単に有名バンドと有名ブランドとのコラボで商品を売るということではなく、このバンドとこのブランドの結びつきありきで実現したコラボレーション。
もともとオアシスはサッカーが好きで、アディダスが好きだということをブランド側も完全に理解していて、バンドのすべてを尊重してくれているから、一緒に共同戦線を張るみたいな感じなんですね。
adidas Originals x Oasis | Original Forever
石毛:ビジネスよりもそっちが前に来てるコラボなのがすごくよくわかる。だからファンからしてみても、絶対に欲しいっていう気持ちになるんだと思います。
――血の通ったコラボですよね。
小沢:だから今回のは、オアシスの公式ユニフォームを、アディダスと一緒に作っちゃったというようなことだと思うんです。アディダスのブランドロゴに元々入っている“THE BRAND WITH THE 3 STRIPES”という一文は、オアシスとのコラボグッズでは“THE BAND WITH THE 3 STRIPES”となっている。“BRAND”が“BAND”に変わっているんです。
――気の利いた一文です。
小沢:彼らを理解して、バンドの意志を100%尊重している関係値が、こういう細かいところからも伝わるじゃないですか。ジャージも、リアムが昔から大好きで着ていた当時のシルエットに合わせて、若干オーバーサイズ気味に作ってあるし。こんなにお互いがわかり合えているコラボって、本当に珍しいと思います。
――ツアーの各地で出店しているポップアップストアを、日本でも期間限定でオープンするということですが、概要を教えてください。
石毛:10月11日から渋谷のMIYASHITA PARKで来日記念ポップアップストアがオープンするんですが、そこではさまざまなアイテムをラインナップします。小沢さんたちが30年以上の月日をかけて培ったオアシスとの関係性のおかげで、世界共通アイテムに加えて、日本限定オリジナルグッズも多数展開することができます。
それとECのほうでは、公式オンラインストア“Oasis Live ‘25 JAPAN Official Online Store”がオープンしていて、こちらでも一部の日本限定商品を販売します。あとは、東京ドームの会場での物販ですね。
“Oasis Live ‘25 JAPAN Official Online Store”はこちら
小沢:今回も、特別に日本だけ追加になっているグッズがかなりあります。追加になっているものはすべてノエルとリアム、ふたりのお眼鏡にかなったものなので、そちらも楽しんでいただければ。
――16年ぶりとなるオアシスの東京ドーム公演に向けて、ファンの皆さんがどのように楽しんだらいいかを聞かせてください。
石毛:まず我々としては、日本のファンの皆さんに、本国イギリスの盛り上がり以上に楽しんでいただきたいという思いが一番にあります。現地で味わった空気感を、東京ドーム周辺、MIYASHITA PARKのポップアップショップなど、東京でも感じられるように展開していきたいと頑張っていますので、ぜひ、来ていただきたいです。
小沢:やっぱりエンタテインメントは楽しいものですし、基本的には“良かったね”“素晴らしかったね”って、その場で満足して終わることも多いと思うんです。ただ、今回のオアシスに関して言うと、一過性の楽しさで終わるものではなくて、“once in a lifetime experience”みたいな、人生に1回あるかないかぐらいのことだと思うんですよ。
16年のブランクって、我々にとっても大きいですけど、やっぱり一番大きかったのはノエルとリアムのふたりにとってだったと思うんです。彼らの確執がどれくらい深くて、どんなことを考えてきて、何に傷ついたか、みたいなことは当事者にしかわからないですし、それを経ての再始動で、本人たちも最初は本当に大丈夫か? って思ってたと思いますが、ライブを重ねるごとに、今、手応えを感じてきている。
そして、日本に来るころには“何があっても100%大丈夫!”という状態になっていると思うんです。つまり我々はラッキーなことに、完璧な状態のオアシスを観られると思っています。人生に1回しかない経験って言いましたけど、決して大げさではなくて。それぐらい濃密に楽しめるライブになると思います。
――2025年の洋楽ライブのエポックとなりそうですね。
小沢:確実にそうなると思います。ノエルもリアムも根っからの音楽バカですよね(笑)。 100%お客さんが楽しんで帰れるものを届けることに、とにかく全力を注ぐ人たちです。でも、正直言って16年前はそれができていなかったかもしれなくて。キーを下げて歌ったり、できる曲も限られていたり。それが2025年の今はできてるって、チープな言い方ですけど、やっぱり“奇跡”だと思うんです。
ノエルは音楽のためだったらどんな苦労も厭わないタイプだし、今のリアムは一生懸命声を大事にして、ストイックにパフォーマンスを高めている。だから今回の東京ドームでは、100%もしくは200%の力で、今まで見たことないような演奏をしてくれるんじゃないかなと思ってます。2時間はあっという間なので、その1秒1秒を楽しんでいただきたいですね。
今回のツアーのドキュメンタリー映画『OASIS LIVE '25』(タイトルなど未定)の製作も発表されています。東京ドームに行けない人も、形は違うかもしれないけど、きっと復活したオアシスのライブを必ず楽しめる日が来るのではと思います。
――東京ドーム以外でも楽しみが控えているわけですね。
小沢:はい。あと付け加えると、東京ドームに行く人は「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」だけではなく、あと2曲ぐらいは歌詞を覚えていくと楽しいと思います。今回のツアーで合唱ボリュームが大きかったのは、「リヴ・フォーエヴァー」と「ハーフ・ザ・ワールド・アウェイ」。これは頭から最後まで歌えるとより楽しめます。それと「ワンダーウォール」とか「リトル・バイ・リトル」……もう覚えられるものは全部ですね(笑)。
――話を聞いていて、とにかくオアシスのライブは、みんなが参加型で楽しむものなんだと改めて思いました。
小沢:そうです。絶対最高のライブになるのは間違いないので、みんなで“チームオアシス”の日本支部に入るイメージで、頭から最後まで思いっきり楽しんでください!
記事の前編はこちら:再始動後のオアシスについて知っておきたい11のこと①
文・取材:土屋恵介
撮影:干川 修
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