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The Band ~始まりの場所~

ハンブレッダーズ:“3つの原点”から振り返る、結成15周年の歩み①

2024.10.30

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今年、結成15周年を迎え、先日初の日本武道館公演『ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Bタイム ~15th Special~』を開催した4人組ロックバンド・ハンブレッダーズ。

今回は、彼らそれぞれの原点3カ所にスポットを当て、バンドの結成、メンバーの加入や現在につながる思い出から“今”と“未来”を紐解いていく。前編では、ムツムロ アキラと木島のバンド結成に関わる「寝屋川のマクドナルド」と、でらし加入後の下積み期間となる「京都市青少年活動センター」でのエピソードを聞いた。

ハンブレッダーズプロフィール写真

ハンブレッダーズ HUMBREADERS

(写真左から)ukicaster(Gt.)、木島(Dr.)、ムツムロ アキラ(Vo.&Gt.)、でらし(Ba.&Cho.)による大阪出身の4人組ロックバンド。高校1年生のとき、文化祭に出演するために結成。2020年2月、トイズファクトリーよりメジャーデビュー。2024年2月21日、4thフルアルバム『はじめから自由だった』をリリース。3月24日には大阪城ホールにてバンド史上初のアリーナワンマン公演を開催し、10月9日には初の日本武道館公演『ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Bタイム ~15th Special~』を開催した。

記事の後編はこちら:ハンブレッダーズ:“3つの原点”から振り返る、結成15周年の歩み②
注目記事はこちら:ハンブレッダーズを発掘したスタッフインタビュー

「寝屋川のマクドナルド」からスタートする“判断基準がぶれていた”ハンブレッダーズ

――高校1年生のとき文化祭に出演するために組んだバンドが今年で結成15周年。振り返ってみて、今どのような気持ちですか?

ムツムロ:ちょっと不思議な感じはしますけどね。当時のメンバーで残っているのは僕と木島だけですし、もともと長くつづけようと思って組んだわけではなかったですから……木島は違うかもしれないけど(笑)。

真っすぐ見つめながら話すムツムロ アキラ

木島:僕もまったくです(笑)。

――おふたりはバンドを組む以前から仲が良かったんですか?

ムツムロ:ふたりとも同じ中高一貫校に通っていましたけど、高校までは特に接点がなくて。ただ、実は中学受験のために行っていた塾が一緒だったんですよ。クラスは違うけど合同授業で僕は木島の存在を知っていたので、中学に入ってから声をかけたら、すっごい無視されたんです。

木島:ははははは!

ムツムロ:「あ、しゃべったらあかんねや」と思って、そこから3年ぐらい接点はなかったんですよね。でも高校1年でバンドメンバーを探しているときに“木島がドラム叩けるらしい”って話を聞いて、改めて声をかけてみたら意気揚々と現われて(笑)。

木島:僕は僕で聞いていたんですよ、“ムツムロってやつがバンドを組もうとしているらしい”って。そしたら、たまたまドラムが空いているっていうから。

――今回、始まりの場所として3カ所を挙げていただいていますが、ひとつ目の「寝屋川のマクドナルド」は、まさに高校時代のハンブレッダーズにまつわる思い出の場所なんですよね。

ムツムロ:はい。通っていた高校から1駅離れたところにある、寝屋川市駅のスタジオでバンド練習をしたあとにマクドナルドに寄るのが恒例で。寝屋川ってその近くで一番栄えてる駅だったんです。

木島:急行が停まるからね(笑)。

ムツムロ:そう。だから、うちの高校ではカップルになったらとりあえず寝屋川に立ち寄るルートで遠回りして帰るっていう(笑)。僕たちも高校時代の思い出は割と全部、寝屋川にありますね。初めてスタジオに入ったのも寝屋川やし、バンド名を決めたのもそのマクドナルドやったし。

――“判断基準がぶれてきたから”というのがバンド名の由来だとのことで。

ムツムロ:そうなんですよ。今日はバンド名を決めようって当時のメンバーで「寝屋川のマクドナルド」に集まっていろいろ考えてたんですけど、全然決まらなかったんです。あっちに行ったりこっちに行ったりしているうちに、まあこれで良いかって(笑)ってことでブレたので、“ハンブレッダーズ”になりました。

――当時はどんなバンドをやりたいと考えていたんですか?

ムツムロ:どんなバンドにしていきたいという具体的な考えはまったくなかったんです。最初はコピーバンドで、文化祭では僕が好きなELLEGARDENの曲と当時流行っていたアニメ『けいおん!』の曲をコピーして演奏したんですよ。

でも、その後、同級生のバンドがオリジナル曲を作っているらしいって聞いて……対抗意識というか負けん気だけでオリジナル曲を作り出したくらいなので。当時は本当に何も考えてなかった気がします。

――でも文化祭後もバンドをつづけようと思う何かがあったから、今こうして15周年を迎えているわけですよね。

ムツムロ:そうですね。文化祭からしばらく経って、ライブハウスのイベントに出ることになったんです。高校1年の終わり……2年生の頭だっけ?

木島:2年生やな。2年生の6月。

身振り手振りで話す木島

ムツムロ:そうだった! 高校2年の6月にイベントに出て、そこで初めて自分が作った曲を演奏したら友達がえらい褒めてくれたんですよね。それがうれしくて、もしかするとバンドがつづいている理由の原点はそこかもしれないです。

でらし:それは俺が知ってる曲?

ムツムロ:いや、知らない曲。俺ももう覚えてない。

――それをきっかけにバンド活動にハマっていったということでしょうか。

ムツムロ:たぶん高校生って“自分が何かに夢中になりたい”って気持ちだけはあると思うんですよ。「自分はこのまま勉強して会社員になっていくのかな? でも何か違うことをしてみたいな」って思ってるところに、うってつけの理由として現われたのが僕にとっては“バンド”だった気がします。中高一貫校で、受験せず大学にも内部進学をしたのでモラトリアム期間というか、うつつを抜かせる時期が長かったですし。

――木島さんはいかがでした?

木島:高校のころは、みんなで楽器を演奏してるのが楽しいなってくらいの感覚だったんですよ。ムツムロと前にいたギターの吉野(エクスプロージョン)のふたりが軸になって動いていたバンドなので、僕と当時のベースはそれについていく、みたいな。その後、ライブハウスに出るようになってからは、ちゃんと4人でやっていくという気持ちがどんどん強くなっていきました。

――まだはっきりとした意志が芽生える前の、ある意味、無邪気な黎明期の思い出の地が「寝屋川のマクドナルド」とも言えそうです。

ムツムロ:そうですね。ただ今はもう閉店してしまって、僕らが行っていたその場所にはないんですけどね。

――ちょっと切ない……。そのころ、でらしさんとukicasterさんは、それぞれどんなふうに過ごしていましたか?

でらし:うきくんはふたりと同学年でしょう? 出身も同じ大阪だし。

ukicaster:うん。バンドはやってたけど、今につながるものってこのときは特になかったんじゃないかな。でも中学2年のころにギターを始めて、ずっとギターを弾いていこうという決意は割と早い段階からしていましたね。

笑顔で話すukicaster

でらし:僕もそんな感じですね。僕は年齢もみんなの一個下だし、出身も僕だけ栃木県で。高校が田舎の進学校だったので、周りにバンドをガチでやってるようなやつもあんまりいなかったんですよ。なので、家でひとりベースを弾きながら、“大学に行ったら絶対バンドをやってやろう!”って決めてました。

――そうしたら大学でまんまとハンブレッダーズに出会った。

でらし:そうなんです。大学の軽音サークルの先輩がハンブレッダーズで。でも当時は前のベーシストがいたし、僕も別のバンドを組んでいました。

ムツムロ:22歳のときにベースが抜けることになって、でらしに相談したんです。そしたらひと言目で「僕に弾かせてください」って言われたので、じゃあ弾かせてやろう! って(笑)。

でらし:(笑)確か、烏丸御池駅で相談されたんだよね。

職員の方にも顔を覚えられた「京都市青少年活動センター」での思い出

――では、ふたつ目に挙げてもらった下京にある「京都市青少年活動センター」は、でらしさん加入後の思い出の場所ですか?

ムツムロ:はい、ここのスタジオにはかなりの頻度で入っていましたね。

でらし:僕が加入してからの曲づくりは「青少年活動センター」でやることが多かったです。後半、僕だけ学生でほかのメンバーが働き出してからは、土日は基本、ずっとここにいた気がします。

「青少年活動センター」って京都市内にいくつかあるんですよ。京都で育ったバンドはよくこのセンターを使っているイメージがあって、四条烏丸近くのセンターとかは結構、競争率が高かったんです。でも下京区のセンターは割と空いていて、ハンブレッダーズはもっぱらこっちを使わせてもらってたんですよね。

穏やかな表情で話すでらし

ムツムロ:京都駅から15分くらい歩くからな(笑)。

――市の施設ですし、かなりリーズナブルなんでしょうね。

でらし:そうなんですよ。当時は学生がひとりいれば1時間500円くらいで使えたんじゃないかな。通常の値段でも全然安いんですけど、さらに半額くらいに安くなって。だから土曜日なんて7時間くらいまとめて押さえて入ってましたもん。センターの職員の方にも顔を覚えられて、僕らが入るときはわざわざCDを流してくれて(笑)。

「京都市下京青少年活動センター」館内の写真

写真提供:「京都市下京青少年活動センター」

――ちなみに、この場所ではどんな曲が生まれたんですか。

ムツムロ:「DAY DREAM BEAT」とか「スクールマジシャンガール」とかですね。「DAY DREAM BEAT」のイントロは吉野が作って持ってきたんよな。

ハンブレッダーズ「DAY DREAM BEAT」Music Video

ハンブレッダーズ「スクールマジシャンガール」Music Video

木島:そうそう。

ムツムロ:なんか懐かしい。

――ほかにも当時の思い出があれば、ぜひ聞きたいです。

木島:僕はもう運転してた記憶しかないです(笑)。

一同:爆笑

ムツムロ:運転して、Tシャツ作って、CD発送して(笑)。

でらし:木島さんがいなかったらこのバンドはないですよ。

目線を外してポーズをとるムツムロ アキラ

ムツムロ:ライブハウスに出始めたころは、僕しかノウハウを知らなかったんですけど、徐々にそれが分業できるようになっていったからめちゃくちゃ助かったんです。そうじゃなかったらバンドをやめてたかもしれないと思うぐらい、木島にはホントいろいろ担ってもらって、感謝してます。

木島:最初は何をどうするとか全然わからなかったですけどね。でもムツムロと一緒に3年ぐらいやっているうちに、なんとなく掴めてきて物販とかCDの発送とかお金の管理とか……運転もそうですけど、やれることをやっていったという感じで。ほかのメンバーはほかのメンバーでライブのお誘いメールを送ったりとか、それぞれがきれいに役割分担できるようになっていきました。

ムツムロ:僕は絵を描くのが得意だったからフライヤーを描いたりとか、みんながそれぞれに向いてることをやるっていう。そういうところで役割分担がうまくいったのもバンドをつづけられている要因なのかもしれないですね。

ハンブレッダーズステッカー写真

――お互いが対等にバンドを担えるかどうかって大事なことですよね。

木島:そうですね。でも別に義務としてではなく、それが楽しかったので。

外を見つめながら座る木島

――このころにはもう本気でバンドでやっていこうという意志も固まっていたんですか?

ムツムロ:はい。前のベースが辞めた理由も将来を見据えてのことだったので、でらしが加入した時点でそのあたりは固まっていたと思います。

――今のハンブレッダーズになる核が形成されつつあった、重要な時期を支えたのがこの場所だったということでしょうか。

ムツムロ:今思うとそうですね。下積みと言えるほどのものかどうかはわからないくらいの下積み期間ですけど、とにかくライブもたくさんしていましたし。ただ、音楽で生活できたら素晴らしいんだろうなという気持ちもあるにはあったけど、“もっと上に行ってやる”みたいな感じともまた違ったんですよ。

逆に、「京都市青少年活動センター」で練習して、いろんなライブハウスに出ていたころは、“こんなに音楽が好きな人がいるんだ”とか、“こんなに素晴らしい音楽がライブハウスにはいっぱいあるんだ”って本当によくわかったことが自分にとっては大きくて、すごく美しいなと思ったんですよね。

だから僕らも“売れてやる”というより、出会えたその人たちと一緒に音楽をやりたいっていう気持ちのほうが強かったんです。お金や数字がすべてじゃないんだということが、マジで肌感でわかったというか。

でらし:思い返せば、好きな音楽をやっているカッコ良い仲間たちと一緒にライブハウスでやるのが楽しくて、だからつづけていたという気持ちのほうが圧倒的に大きかったですね。外から見たら内輪ノリかもしれないですけど、本当に最高な仲間がいっぱいで。

ムツムロ:ホント2回目の青春でしたね。それを延長して延長して、ここまで来たような気がしています。

「京都市下京青少年活動センター」

「京都市下京青少年活動センター」スタジオ内写真

写真提供:「京都市下京青少年活動センター」

「スポーツ・レクリエーション」をテーマに、楽しみながら交流できる機会の提供、若者の社会参画を目指したイベントの開催や、若者発案による企画のサポートを行なう。また、ダンスや武道、卓球、バンド練習など多様な目的に合わせた部屋の貸出も実施している。

後編では、3つ目の原点「スタジオ246 GEN」でのukicaster加入エピソードや日本武道館公演での想いを語る。インタビューの答え合わせとなる、日本武道館公演のライブレポートも公開。

後編へつづく

注目記事はこちら:ハンブレッダーズを発掘したスタッフインタビュー

文・取材:本間夕子
撮影:干川 修

リリース情報

「フィードバックを鳴らして」ジャケット写真

「フィードバックを鳴らして」
発売日:10月9日(水)
配信・再生はこちら(新しいタブを開く)
ミュージックビデオはこちら(新しいタブを開く)

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