仕事も恋もすべてここにつながった――電子コミック化される国生さゆり渾身の小説①
2025.01.08


SNSの総フォロワー数が130万以上を数え、女子小学生を中心に圧倒的な人気を誇る、お絵描き動画クリエイター・みいるかへのインタビュー。
後編では、クリエイターとしての夢や今後の活動について語る。
目次

みいるか
Miiruka
オリジナルキャラクター『ゆるいるか』をメインに海の生き物をゆるふわ可愛く描く、イルカに恋するお絵描き動画クリエイター。TikTok、YouTube、Instagram、X などの SNS を通して、みいるかが描くイラストとともに海の生き物の大切さを広めたい思いで活動中。
記事の前編はこちら:『ゆるいるか』で海のことをもっともっと知ってほしい――“みいるか”がクリエイター活動に込める想い①
2020年から始まったみいるかの活動において、ひとつの転機となったのが2024年春のことだ。それまではクリエイティブからイベント、グッズ化にまつわる外部企業との交渉まで、すべてをひとりで行なっていたみいるかは、「ピーナッツ」など国内外のキャラクタービジネスを手がけるソニー・クリエイティブプロダクツ(以下、SCP)とエージェント契約を結んだ。
「たまたま私がご一緒していたイベント会社の方を通じて、SCPの方に声をかけてもらったのがきっかけです。それまでも、いろいろな方のご協力があって活動を続けることができて、ありがたかったんですが、私がやっているSNSでの個人活動でみいるか自身は成長できても、『ゆるいるか』シリーズという作品やキャラクターの成長には、限界があるなとも感じていました。
『ゆるいるか』を愛してくださっているのはほとんどが小、中学生の皆さんで、そういった層に向けてのキャラクタービジネスの知見、ノウハウを持っているSCPの皆さんとご一緒できたら、『ゆるいるか』をもっと幅広い方々に届けることができると思ったんです」
その決断は、みいるかの創作活動にもとてもいい影響があったそうだ。
「個人的なことでいうと、クリエイターとして創作に集中できる時間が増えたことですね。イベントやグッズ化などの依頼をいただいたとき、メールのやり取りや契約の難しいお話、細かな打ち合わせまで全部自分で対応しなければいけなかったんですけど、そういう事務的なことをすべて整頓して、助けてもらっています。
やはりメーカーなど、企業の方と何かをやっていくうえでは、誰かに相談したいことがあっても情報漏洩になってしまうことがあるので、ひとりで悩まなきゃいけないことが多くて。でも今は、スタッフの方に何でも相談できますし、色々な方向からの意見やアドバイスももらえるので、精神的にも心強いです! もちろんお仕事面でも、本の出版や全国各地でのイベント開催など、これまで出会う機会のなかったお仕事が増えて、活動の幅が広がりました」
SCPとのエージェント契約がスタートした今年は、みいるか本人が出演するトークショウやイベントの規模、会場数、動員数も飛躍的に増えている。各地のイオンモールなど大型ショッピングモールでのトークショウには、数100~1,000人に及ぶファンが毎回詰めかけるという。
「ショッピングモールでのイベントは、約30分程度のトークショウがメインです。それこそ元解説員なので司会も自分でやります。お絵描きの話や質問コーナー、あとみんなで動画を撮ってみよう! というワークショップ的なこともやったり、会場の雰囲気に合わせてメニューを組み立てていきますね。スペースがいただけた場合は、サイン会や撮影会もやらせてもらっています」
みいるか自身も、ファンとの触れ合いにはとても魅力を感じているそうだ。
「水族館もそうなんですけど、YouTubeでお魚が泳いでいるのを見るのと、実際に水槽で暮らしているお魚を見るのとでは、得られるものが全然違うと思うんです。私の活動もSNSを通じてコメントはいただけますが、実際にお会いするのとでは、受ける印象も、得られるものも全く違うんです。
ファンの方には、画面の向こうにいたみいるかってこういう人なんだ! というのをわかっていただける機会ですし、私にとっても今まで文字でしか知ることができなかった皆さんの顔を実際に見られる機会。『ゆるいるか』を好きでいてくれる方たちなんだと実感できますし、すごくエネルギーをもらえます。毎回、いろいろな記憶や感情が刺激されますね」
そういった喜びがあるからこそ、SNSでのコミュニケーションとイベントでの生のコミュニケーション、どちらも両立させていきたいと、みいるかは言う。
「SNSで発信することとイベントでお話しすることは、機能的にも違いがあります。SNSのほうは、あくまでも、私のことや『ゆるいるか』のことをちょっとでも知ってもらえたらいいなと考えています。
もちろんそこでも楽しんでほしいし、癒されてほしいという気持ちはあるんですが、プロモーションという役割もあるので、エンタテインメントとしてのコンテンツをたくさん上げています。
そこをきっかけにイベントに来てもらえたら、海の生き物のクイズなどを通して、より深いことをお伝えできます。そういう導線的なこともあるので、これからもSNSとリアルイベントは両立していきたいですね」
もうひとつ、SCPとのエージェント契約後に実現したのが、本の出版だった。コミック『ゆるいるか 夢いっぱい 海のだいぼうけん』と絵本『ゆるいるかと300のときめきシールえほん』が発売してからは、みいるかの既存のファン以外からも、海の生き物をもっと知りたいとアクティブに行動した報告が、たくさん届いたそうだ。それも、みいるかにとってはうれしい報せだった。
「SNSのコメントでも“もっと海の生き物のこと知りたくなった”とか、私もコラボをさせてもらっている“海の生き物について教えてくれるクリエイターさんのイベントに足を運んできたよ”とか“水族館に行って来たよ”、“夏休みの自由研究の課題を海の生き物にしたよ”というように、本を読んで、より能動的に海の生き物を知るために行動したよ、というコメントが増えた印象があります」
さらに2024年は、初の個展も開催。8月3日~14日にかけて行なわれた兵庫県・神戸北野異人館での『ゆるいるかと海の入り口展』には、家族連れなど多くの人が足を運び、『ゆるいるか』たちの世界に浸ることができた。
「個展をやらせていただけたことも、すごく良かったなと思っています。トークショウなどのイベントだと、サイン会や撮影会で皆さんと直接、お話しする時間がひとり1分くらいしか取れないんですが、今回は完全事前予約制で対面する時間をいただけたので、よりファンの方とゆっくりお話ができました。
それに、イベントだと私本人にスポットが当たることになりますが、個展では絵がメイン。皆さん、絵に対する想いを話してくれますし、子どもたちからも“なんでここがこうなってるの?”と聞かれたことに、私が直接答えたりと、いつもと違うコミュニケーションができて、すごく楽しかったです」
個展以外にも、今後、みいるかがトライしてみたいことはたくさんある。そのひとつが、『ゆるいるか』のアニメ化だ。
「動画内でも話したんですけど、地上波でのアニメ化が実現したら、めちゃくちゃいいなって思っていて。小さなお子さんたちが大好きな『はなかっぱ』や『おでんくん』のようなショートアニメだとうれしいですね。
例えば、朝の番組内で1日1種類ずつ海の生き物の豆知識を知ることができるコーナーとか。もし実現したら、『ゆるいるか』シリーズにも仲間がもっと増えて、楽しい世界観が作れるんじゃないかな。
そのためにも、今の活動を続けていくことが一番大切だと思います。引き続き、SNSでの活動にも力を入れたいですし、書籍化やグッズの制作、イベントもどんどんやっていきたいですね」
みいるかにとって、大好きな海の生き物たちを子どもたちに愛してもらうことは、彼女自身の心の支えにもなっている。インタビューの最後に、彼女は自分の幼少期を振り返り、こんなことを語ってくれた。
「動画では私自身、顔出しをしていないので、アオイルカちゃんやピンクイルカちゃんたちのぬいぐるみに出てもらって、お喋りをすることが多いんです。それを見た小さい子が、私の真似をして遊んでくれているらしくて、とても励みになりますね。
ぬいぐるみなどのグッズを発売したのも、3歳のころから辛いときも楽しいときも一緒にいる、イルカのぬいぐるみをずっと大切にしてきた思い出が、自分のなかにあるからなんです。
イベント会場でも、少し汚れているイルカちゃんを大事そうにギュッとしながら来てくれる小さなお子さんを見かけるんですね。きっと色んなところに連れていってくれているんだろうなと伝わって、めちゃくちゃほっこりするんですよ。
私と同じように『ゆるいるか』がたくさんの子どもたちの支えになってくれたら、それ以上にうれしいことはないですね」
記事の前編はこちら:『ゆるいるか』で海のことをもっともっと知ってほしい――“みいるか”がクリエイター活動に込める想い①
文・取材:阿部美香

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