守乃まも×舞台企画スタッフ対談インタビュー:LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」ができるまで①
2025.06.19


2025.06.19
6月22日にKT Zepp Yokohama、6月30日にZepp Namba (OSAKA)で開催される『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」at KT Zepp Yokohama/Zepp Namba (OSAKA)』。はまじあきによる4コマ漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』、およびアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の舞台化として2023年、2024年に上演された舞台の出演キャストによる、生演奏のライブを中心とした、初のライブイベントだ。
後編では、再演の経緯やライブイベントの見どころと意気込み、今後の展望を、後藤ひとり役を務める守乃まもと、舞台企画スタッフに聞いた。
目次

守乃まも
Mamono Mamo
LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」シリーズ 後藤ひとり役

大井 守
Oi Mamoru
アニプレックス
LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」シリーズ プロデューサー

渡邉拓也
Watanabe Takuya
アニプレックス
LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」シリーズ プロダクションスタッフ
記事の前編はこちら:守乃まも×舞台企画スタッフ対談インタビュー:LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」ができるまで①
守乃まも単独インタビューはこちら:守乃まも:後世に残せるような音楽を作りたい
“舞台×生歌唱×生演奏”のコンセプトのもと、オーディションで選び抜かれたキャストによるライブパフォーマンスは反響を呼び、2023年8月に熱狂のなかで幕を閉じた。だが、もともと再演が決まっていたわけではなかったという。
「初演の時点で再演は決まっていなかったのですが、舞台監督に『大道具どうしますか?』と聞かれたときに、『……取っておいてください』って答えたんです。撤収の際、基本的に再演しない公演の大道具は廃棄するのですが、なぜかそのとき、まだ取っておこうと思って。今でもセットが大事に運び出されていく光景を鮮明に覚えています」(大井)
「大千秋楽のお客さんの熱量がすごかったんです。最後に結束バンドがアンコールで『青春コンプレックス』を演奏したのですが、幕が降りてもその熱が冷めやらず、お客さんはみんな余韻に浸っていて、帰りたくない雰囲気といいますか、名残惜しい雰囲気が漂っていたように感じました。
その光景を見て、これは絶対に続きをやらなければと思ったんです。しかも、初演はアニメの途中まで(1~8話までのエピソードを中心に構成)だったので、その先のエピソードはまだありますし、続編をやれたらいいなと勝手に考えていました」(渡邉)
「私は、なんとか終わった! と思いました。達成感もあったし、やりきったから、家に籠ろうと思いました。ところがどっこい、またやることになりました」(守乃)
「初演が終わったとき、守乃さんは、また自分の世界に引き籠ってしまうんじゃないかって、実は心配していたんです(笑)。こんなにファンの方にも愛された“ぼっちちゃん”なので、この一回きりっていうのはちょっともったいないなとも思いました」(渡邉)
「へへへ。うれしいです。大変だったけど頑張って『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』に出て良かったなって思います。自分の視野が広がったし、いろんな人と関わることができて。皆さん、こんなに扱いにくい私といつも優しくコミュニケーションを取ってくれて……本当に感謝しています! 全部皆さんのおかげです」(守乃)
2024年の6月と8月には、アニメの劇場総集編『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:』が公開され、興行収入ランキングで1位を記録。同年9月には結束バンドが全国Zeppツアーを開催するなかで、同じく9月からTHEATER MILANO-Zaで『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』の再演&続編の上演が決定した。
「先ほど、続編ができればいいなというお話をしたのですが、好評をいただいた初演をまだ観られてない方がたくさんいることも認識していました。なので、初演から楽しんでいただきたいという思いがあり、再演と続編の2本立てというかたちになったんです。あまり事例のない取り組みだったので、キャスト、スタッフの皆さんには大変な思いをさせてしまったと思いますが……」(大井)
「ちょうどアニメの総集編が映画館で上映されていたこともあって、良いタイミングなのではないかと思ったんです。ただ、皆さん驚いていましたね。『2本やるんですか!?』って(笑)」(渡邉)
「私も最初に聞いたときは信じられなかったです(笑)。“こんなにすぐに再演が決まったの!?”って。“しかも2個同時に!?”ってなりました」(守乃)
初演の再演となる「PARTⅠ STARRY」は、アニメの第1話「転がるぼっち」から第8話「ぼっち・ざ・ろっく」までのエピソードを中心に構成した内容を上演。家でひとり寂しくギターを弾くだけの毎日を過ごしていたひとりが、ひょんなことから伊地知虹夏が率いる、“結束バンド”にギタリストとして加入することになる過程を描いており、劇中では台風のなかで開催されたライブハウス・STARRYでのステージは「ギターと孤独と蒼い惑星」「あのバンド」、そして「青春コンプレックス」(再演では「ドッペルゲンガー」に変更)を生演奏。エンドロール後にスペシャルライブとして、「Distortion!!」を披露した。
そして、続編となる「PARTⅡ 秀華祭」は夏休みの最終日をつづった第9話「江ノ島エスカー」から、アニメ最終話となる第12話「君に朝が降る」までのエピソードを中心に構成。公演日程の最後の3日間はマチネ(昼公演)で「PARTⅠ STARRY」を約170分上演し、ソワレ(夜公演)では文化祭ステージで演奏する「忘れてやらない」「星座になれたら」の2曲に加えて、ミニライブで4曲、計6曲のパフォーマンスを含む「PARTⅡ 秀華祭」を約160分上演するというハードなスケジュールとなっていた。
「とにかく頭の切り替えが大変でした。PARTⅠをやったあとに、PARTⅡを思い出さなきゃいけないので。でも、PARTⅠのセリフの量がすごいことになっていたので、PARTⅡはちょっと落ち着けました。何回やっても、PARTⅠの登場のシーンは緊張して……“やばい、始まる……”って焦っていました」(守乃)
「おそらく、守乃さんはPARTⅠのほうが弾き語りも含めて出番が多かったので、そこが大変だったと思います。逆にPARTⅡは、バンドの演奏が多かったので、頭の切り替え的にはⅡのほうが比較的、気持ちが楽だったのかもしれないですね。それで言うと、喜多郁代役の大森未来衣さんは特にPARTⅡが大変だったように感じます。PARTⅠは途中から登場するんですけど、PARTⅡは最初からずっと歌っていて。
PARTⅠでは、虹夏とひとりの関係性が特にフォーカスされるのですが、PARTⅡはひとりと喜多という同じ学校の同級生の関係性がフォーカスされています。さらに、『秀華祭』でのアクシデントからボトルネック奏法という、乗り越えなければいけないハードルもあって、見どころは盛りだくさんだったかと思います」(渡邉)
「見どころと言えば、原作で描かれている通りに“弦が切れる”というシーンを追求しましたね。また、PARTⅠに比べて演奏曲が多いので、演技だけではなく演奏も楽しんでもらえたのではないでしょうか。観客を巻き込んでいく山崎さんの演出技法も含めて、各セクションがとても頑張ってくれました」(大井)
2023年の初演、2024年の再演と続編を経て、2025年6月に『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』初のライブイベントが開催される。このイベントには、作品に登場するもうひとつのバンド“SICK HACK”の追加出演もアナウンスされたが、果たしてどんなステージになるのだろうか。
「公演アンケートを見ると、“もっとライブを見たい”というお客さんの声が多かったんですよね。舞台中に演奏した曲は9曲ほどあるので、そのまま眠らせておくのはもったいないという気持ちもあって、ライブイベントの開催を考え始めました。
また、せっかくライブイベントをやるなら、会場もこだわりたかったんです。本当のライブハウスのようにぎゅうぎゅう詰めになって、楽しむような空間が醸成されたら、皆さんに喜んでいただけるのではないかと思いました。そこで候補に挙がったのが、Zeppでした」(渡邉)
「実は、続編で描かれたライブパートのシーンで、“演劇”と“ライブ”どっちのテンションで楽しめばいいのか、戸惑われるお客さんの様子が見えたんです。“ライブ”として楽しみたい雰囲気を感じていたものの、“観劇“である以上、それが難しいということも感じていて。だからこそ、純粋にライブとして楽しめる場所を作りたいと思いました。
いっぽうで、『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』の世界をゆっくり座って観たいという方もいらっしゃる。そこで検討した結果、1階はスタンディングでライブハウスのように音楽を楽しんでもらって、2階は着席指定で座って見ていただくという、2種類の席を用意することにしました」(大井)
「個人的には、ライブならライブっぽくやりたいなって思っています。舞台とはまた違うものになるなら、その未知なる体験を感じてもらえたらうれしいです。ただのライブイベントじゃないと聞いているんですけど、まだ想像がつかないことが多くて……どうなるんですか?(笑)」(守乃)
「『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』として、後藤ひとりはじめ、キャラクターが生きている物語の世界観を持っていながら、純粋にライブとして楽しめるものを目指しています。アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の楽曲を演奏しました、というだけではなくて、ライブイベントならでは、舞台版キャストならではの見せ方をしつつ、『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品の世界を広げていけたらと思います」(大井)
「演出・構成の山崎さんと打合せを重ねるなかでひとつ言えるのは、より音楽を楽しんでもらうためのシナリオになるということですかね。ライブパフォーマンス中は全力で楽しんでもらいたいですし、途中に舞台版ならではの演劇の要素も入ってくると思いますので、そちらもぜひ楽しんでいただきたいです。
今回のイベントはスタンディングでも指定席でも楽しめる、いいとこ取りのイベントになると思っています。観に来てくださった全員が没入できるようなかたちで作ることができればと。あとは、守乃さんが言っていたように、ライブと演劇が融合した新たな世界をお見せすることが、スタッフ一同の最終目標ですね。みんなで力を合わせて、良いものを作り上げたいと思っています」(渡邉)
「ライブに行くのは初めてという方もいると思うんですけど、とにかく楽しんでほしいです。きっといろいろな楽しみ方ができると思いますし、気軽に来てほしい。音楽だけじゃないライブイベントだけど、“音楽、聞きたい”って方もぜひ来てください。頑張ります!」(守乃)
原作コミックのアニメ化、アニメをもとにした『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』、また舞台版キャストによるライブイベントを経て、今後はどのようなことに挑戦したいのかも聞いた。
「日本だけでなく、ワールドツアーがしたいです!!」(守乃)
「海外公演ね。確かに、2.5次元舞台の海外進出は実際にありますし、例えば『美少女戦士セーラームーン』、『進撃の巨人』なども海外公演を行なっていますよね。守乃さんが言うように、いつか海外にこの作品を持っていけたらいいなと思っています」(大井)
「このライブイベントが成功したら、できることの幅が広がると思うんです。舞台の本公演と、ライブ主体のライブイベントという軸が確立されるだけではなく、もしかしたらほかにも新しいかたちの『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』がお届けできるかもしれません。守乃さんが言っていたように海外公演については、実際に『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』の公式Xに海外の方から反応をいただくことも多いので、そういった機会に恵まれれば、ぜひチャレンジしてみたいですね!」(渡邉)
「あとは、『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』を開催したことで、守乃さんという才能に出会えたことも大きいです。ソニーミュージックグループでは、ライブハウスも展開しているし、アーティストを育成している部署や、ライブや舞台制作を担当する部署もあります。音楽やアニメの海外展開も数多く扱っているので、グループ全体のリソースを使い、力を結集して作っていけたら、もっとすごいことができるんじゃないかなと……今後が楽しみです」(大井)
記事の前編はこちら:守乃まも×舞台企画スタッフ対談インタビュー:LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」ができるまで①
文・取材:永堀アツオ
撮影:干川 修
©はまじあき/芳文社・アニプレックス ©LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」製作委員会
LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」at KT Zepp Yokohama/Zepp Namba (OSAKA)
【公演日程】
6月22日(日):神奈川県・KT Zepp Yokohama
6月30日(月):大阪府・Zepp Namba (OSAKA)
詳細はこちら
【守乃まも】

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