アニメ『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』で制作、宣伝を担当する新卒入社2年目同期が、熱い思いで新作アニメの現場に挑む!②
2025.10.18


アニプレックス(以下、ANX)でアニメの制作と宣伝を務める、入社2年目のスタッフにインタビュー。
10月4日より放送がスタートしたアニメ『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』では、それぞれ制作、宣伝を担当する同期のふたり。原作の持つ独特のテンションやあふれる仮面ライダー愛を、アニメではどのように表現し、その魅力を視聴者にどうやって届けていくのか。現場担当として情熱をもって取り組むふたりに、自身の役割や挑戦について聞いた。
目次

大登幹一
Oto Kanichi
アニプレックス

石田義人
Ishida Yoshito
アニプレックス
記事の後編はこちら:アニメ『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』で制作、宣伝を担当する新卒入社2年目同期が、熱い思いで新作アニメの現場に挑む!②
──大登さんがアニメの企画制作で、石田さんがアニメの宣伝を担当。ふたりはソニーミュージックグループの新卒採用を経てANXに同期入社したということですが、まずは、ANXを志望した理由を教えてください。
大登:自分は、もともと漫画やアニメが好きで、エンタテインメントに携わる仕事がしたいと思い、ANXを志望しました。
石田:僕は「Fate」シリーズが大好きで、ANXでアニメ作品に携わる仕事がしたいと思い、入社しました。制作は“作る仕事”、宣伝は“伝える仕事”という漠然としたイメージがあったのですが、自分は作品の魅力を多くの人に伝える仕事がしたいと思い、宣伝を志望しました。
──そもそもアニメの企画制作や宣伝とは、どのような仕事なのでしょうか。
大登:まだまだ駆け出しの身なので、自分の口から説明するのはおこがましいのですが……アニメの企画制作はアニメのプロデュース全般を担当します。作品の企画立案から、監督、脚本家、キャラクターデザインといった制作スタッフの方々との作品開発に加え、アフレコなどの音響作業や編集現場の立ち会いといった制作業務とともに、事業プランの策定、予算の管理なども行なっています。社内外の多くの方々と協力しながらひとつの作品に取り組みます。
石田:宣伝は、入社してすぐの研修で、「例えて言うなら“作品と人の間に橋を架ける仕事”だ」と言われました。もともと接点のなかった人たちを、作品の世界にお迎えできるように橋を作り、さらにその橋を歩きやすくすることで、作品の魅力を伝わりやすくする。シンプルに言えば、さまざまなアイデアで、できるだけ多くの人に作品のことを知ってもらって、さらに、その魅力を伝えていくのがアニメ宣伝の仕事です。
具体的な宣伝施策の話をすると、現在は、X、Instagram、TikTokといったSNSが作品の世界観を伝えるのに重要な宣伝ツールになっています。ほかにも、ターミナル駅のデジタルサイネージで広告を展開したり、YouTubeの動画広告としてプロモーションビデオを流したりするなど、その方法はさまざま。
また、現在はそうしたデジタル系の施策が主流ですが、イベントなどのリアルな施策もあって、どれをチョイスするかは作品によって異なります。なので、プロモーション映像の制作なども含めて、制作チームと密にコミュニケーションを取りながら宣伝企画を立案し、実行するのがアニメ宣伝の仕事になります。
──仕事は、どのように覚えていったのでしょうか。
大登:制作部門は、アシスタントプロデューサーから始まります。当然、初めは右も左もわからないので、先輩方にいちから教えてもらいながら、仕事の流れを覚えていきます。僕の場合は、まずはBlu-rayやDVDといったパッケージの制作に携わりました。
その後、アフレコ現場や、BGM、効果音をつけるダビング作業にも連れて行ってもらい、そういった現場では、先輩がどこをチェックして、どのような動きをしているのかを見て学ぶ。ANXの制作プロデューサーが、クリエイターの方々と日々どのような向き合い方をしているのか、実地で吸収していきました。
石田:宣伝は、作品ごとにひとり、全体の舵取りを行なう宣伝プロデューサーがいるので最初はそのプロデューサーのもとで、仕事のやり方を学んでいきます。ただ、ANXという会社全体がそうだと思いますが、先輩方が若手にもアイデアを求めてくれるので、“こういうことをやりたいです”と自ら提案すれば、実際の企画として取り組ませてもらえることもあります。基礎を学びながら、やりたいことにも挑戦させてもらえるのがANXの社風なんだと感じています。
──大登さんも石田さんも、10月から放送がスタートしたアニメ『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』に携わっていますが、それぞれどういった役割を担っていますか?
石田:上司にあたる宣伝プロデューサーのもとで、宣伝アシスタントとして作品に携わっています。ノウハウを教えてもらえる機会が増え、これまでとは違う刺激を受けることができています。
大登:自分は、クレジット上はプロデューサーと記載してもらっていますが、まだまだひとりで判断して動くことができない部分も多くて……。チーフプロデューサーをはじめ、皆さんにサポートしていただきながら日々取り組んでいます。
──この作品にどんな魅力を感じましたか?
大登:一番の魅力は、仮面ライダーが大好きな大人たちがものすごい熱量で突き進む姿が、まっすぐ、真剣に描がかれているところです。熱くて不思議な魅力があるんですよね。
純粋な読者目線で漫画を読んでも、本気で仮面ライダーになりたい人たちが、「俺は仮面ライダーだ!」と言って、ときには号泣しながら戦う姿がシンプルに面白くて。原作漫画を読んだときから熱い気持ちになりましたし、アフレコ現場で声優さんがものすごい熱量で演じられているのを見て、“これは本当に面白い作品になる”と思いました。ちょうど1年前くらいのことですが、今でも鮮明に記憶に残っています。
石田:この作品は、“仮面ライダーになる”という夢を捨てられない40歳が主人公です。僕自身、40歳の東島丹三郎が愚直に夢を追う姿を見て、“20代の自分は野心もなく今を過ごしてしまっていないだろうか?”と刺激を受けましたし、“いくつになっても夢を抱いていいんだ”という希望にもなりました。柴田先生の作品には力強さがあって、読んでいると自然と元気をもらえますし、それでいて笑えるのが魅力だと感じています。
────大登さんは、原作サイドとどのようなやりとりをしていますか?
大登:この作品は、原作漫画の『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』を出版するヒーローズ、「仮面ライダー」の映像作品などを手がける東映、そして「仮面ライダー」の原作者である石ノ森章太郎先生の作品を管理する石森プロの3社が原作元にあたります。
週に一度、原作元サイドとアニメサイドが集まる監修会が開かれ、制作の初期段階から設定や色彩、コンテの方向性、宣伝施策などを3社と連携しながら進められてきました。現在は、この会議に僕も参加していて、皆さんとのやりとりを介して、いろいろなことを勉強させてもらっています。
最近、完成した映像を皆さんにお送りしたのですが、脚本会議やアフレコを重ね、何年もかけてようやくかたちになったので、“ここまでやってきて、本当に良かった!”ととても熱い反応をいただきました。
原作はもちろん素晴らしいのですが、アニメになることによって声や動き、音楽が加わり、柴田先生が描く作品の熱量や魅力が、漫画とは異なるかたちで伝えられる。池添(隆博)監督やライデンフィルムの皆さんが最高のアニメーションを制作してくださいましたので、これまで積み重ねてきたものを視聴者の皆さんに届け、作品の面白さをどんどん広めていきたいですね。
──本作では、作品のプロモーションとして、作品名よりも先にキャストを発表するという試みが話題を呼びました。
石田:ANXとしても異例の取り組みでした。まずキャストを発表し、作品の詳細は3日後に60秒のスペシャルCMで発表するという流れだったのですが、これはキャストの皆さんのお力で実現できた施策です。
このときは、茅野愛衣さん、鈴村健一さん、斉藤壮馬さん、ファイルーズあいさんの出演を発表したのですが、皆さん人気、実力ともに折り紙つきなので大きな反響を得ることができました。実際にSNSなどでは、“こんなに豪華なキャスト陣が出るなら、どんな作品でも楽しみだ!”という声もいただきましたね。
また、“作品とキャストを一緒に発表してほしい”というお声もいただきましたが、“ANXはしかけるのが好きだよね”“面白いことをやっている”と評価してくださる声も多く、結果的に作品の認知度を広げるきっかけになり、トライした価値はあったと感じています。
原作のタイトルが、そもそもインパクトの強いものなので、それを最大化するという視点でも意味のあるプロモーションのひとつになったと思います。
──この宣伝施策には、石田さんのアイデアも入っていたのでしょうか。
石田:キャストを先に発表するという案は、宣伝プロデューサーとの雑談から生まれたものでした。“こういう施策、面白くない?”といった何気ない会話がきっかけになって、斬新なプロモーションが展開できたのは、うれしかったです。自分自身のアイデア出しはまだまだですが、これからも自分なりの面白い宣伝施策を出せるように頑張りたいです!
後編では、本作のみどころをはじめ、今後のキャリアや目標、作品に携わるなかで感じた仕事のやりがいについて聞いた。
文・取材:野本由起
撮影:冨田 望
©柴田ヨクサル/ヒーローズ・Tojima Rider Project
©石森プロ・東映

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