三代目 J SOUL BROTHERSがこだわり抜いた展覧会『JSB3 CLASS』――すべては“MATEに喜んでもらうため”➁
2025.02.14


2025.02.14
三代目 J SOUL BROTHERS、初のエキシビション『JSB3 CLASS』。15周年イヤーに突入したグループの過去から現在、そして未来へと続く軌跡を辿りつつ、メンバーそれぞれの頭のなかにあるクリエイティビティを展示に落とし込んだ充実の内容が、MATE(三代目 J SOUL BROTHERSのファンネーム)の間で話題となり、リピーターが続出している。
ファンだからこそ展示内容にはシビアな視点を持つ来場者に満足してもらい、多くの笑顔を生み出せているのはなぜか? 本展の監修を担った株式会社LDH JAPAN(以下、LDH)の成田和正氏と、本展を主催するソニー・ミュージックソリューションズ(以下、SMS)で制作、運営を担当した井上愛が、『JSB3 CLASS』に込められた思いやこだわりを語った。
目次

成田和正氏
Narita Kazumasa
株式会社LDH JAPAN

井上 愛
Inoue Mana
ソニー・ミュージックソリューションズ
“旅”をテーマに、三代目 J SOUL BROTHERSの過去から現在、そして未来へと続く軌跡を辿りながら、彼らのクリエイティビティも堪能できる大型展覧会。ライブで使用した数々の衣装をはじめ、1~3期の会期ごとに変わるトークセッション映像、さらにはメンバー一人ひとりのこだわりが詰まったソロブースなど、本展でしか味わうことのできない展示内容でMATEを楽しませている。2月15日(土)より最終となる第3期がオープンする。
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──『JSB3 CLASS』は、SMSが主催を務め、協力・監修をLDHの皆さんが担っていらっしゃいます。まずは、両社の関係性と、『JSB3 CLASS』が企画された経緯について教えてください。
成田:SMSの皆さんには、以前からさまざまな場面でご協力いただいてきましたが、三代目 J SOUL BROTHERSとの関係がより深くなったのは2年ほど前のことです。当時、ファンクラブを大幅にリニューアルすることになり、その際にファンクラブの運営やシステム設計、管理をお願いすることになったのがきっかけでした。
井上:私はSMSのイベント事業部に所属していて、LDHの皆さんが制作するライブやファンクラブ運営には、直接、携わってこなかったのですが、三代目 J SOUL BROTHERSが今年の11月にデビュー15周年を迎えられることもあり、イベント事業部でも何かご一緒できないかと考えて、展覧会の企画をご提案したのが『JSB3 CLASS』の始まりでしたね。
成田:井上さんからお話を伺って、確かに15周年を迎える前に、三代目 J SOUL BROTHERSのこれまでの軌跡を展覧会というかたちで見ていただくのは、素晴らしいアイデアだと思いました。
さらに、弊社では過去の資料をしっかりと残しておく文化がありまして……。各グループがコンサートで着用した衣装などを、丸々倉庫に保管していたのですが、こうして活用できる場がやっと訪れたか! というタイミングでもありました。
井上:これだけの資料が残されていることはかなり稀でして、これはチャンスと思い、“ぜひに!” とプッシュさせていだきました。
──展覧会の企画について、メンバーの皆さんからはどのような反応がありましたか?
成田:節目のタイミングで過去を振り返るのは意義深いことですし、とても前向きに受け取ってくれました。そのうえで、“ファンの皆さんは展覧会という場で何を観たいのか?”ということはすごく気にしていました。
これは、メンバーから学んだことでもありますが、“作る側のエゴだけで行なうものになってはいけない。ファンの皆さんが喜んでくれることを第一に考える”ということを意識していました。
井上:私の個人的な意見ですが、ファンとして最大の喜びを感じるのは、そのアーティストと同じ時間や空間を共有できることだと思っています。その最たる例はライブですよね。
でも、今回制作するイベントは“展覧会”でメンバーの皆さんがその場にいるわけではありません。だからこそ、来場した方に三代目 J SOUL BROTHERSというグループの肌感、ぬくもりをしっかり感じていただける空間づくりが必要だと考えました。そして、これが『JSB3 CLASS』のテーマにも直結しました。
成田:井上さんの考えはまさしくで……。資料をアーカイブしなければいけないという“事情”があり、間もなくデビュー15周年を迎えるという“タイミング”もあったうえでの展覧会企画。オーソドックスに考えると振り返り系のコンテンツが大半を占め、それであれば、SMSの皆さんに手を動かしていただくだけでも、充分立派な内容になるだろうという考えもあったんです。
しかし、メンバーがまったく携わっていないコンテンツでファンの方々が満足できるのか? 心から喜んでいただけるのか? と考えたときに、それは難しいなと思いました。また、その内容では、ファンの方もすぐわかってしまうと思ったんです。“ああ、これはメンバーが直接タッチしてないな”と。
なので、メンバーそれぞれが完全プロデュースするソロブースを設けられたことはその目標を達成できた要素でした。ただ7人から出てくるアイデアやクリエイティブが豊富だったため、それらをまとめる“額縁”の部分は井上さんたちにしっかり固めてもらって、メンバーのクリエイティビティをしっかりいかそうという流れになりました。
井上:個々のカラーが明確ですし、それぞれが持つアーティストパワーも絶大なので、ソロブースというアイデアはファンの方々に必ず刺さると思いました。そして、そんな個性豊かなそれぞれのブースをつなぐために、“旅”というコンセプトを設けたんです。実際、最初に皆さんをお出迎えするオープニング映像には滑走路が映し出され、そこから7つのソロブースを旅して回るようなイメージで空間を構成しました。
──飛行機の座席のクラスになぞらえた『JSB3 CLASS』というタイトルは、メンバーの皆さんから出たアイデアだと聞きました。
井上:そうなんです。待機列スペースで流れるアナウンスでは、空港の案内に見立てた内容をメンバーの皆さんに読んでもらいました。アナウンスはランダムに流れるので、コンプリートしたいと何度もその場に戻ってくるファンの方もいらっしゃいます。
──『JSB3 CLASS』は、日時指定の完全予約制を導入しています。これはどういう理由からだったのでしょうか。
井上:これも完全にファンファーストの発想です。『JSB3 CLASS』は、三代目 J SOUL BROTHERS初の大型エキシビションということで、ファンの方々は隅から隅までじっくり時間をかけて観覧したいと思うのではないかと想定しました。そうすると、できる限り人の滞留を減らす必要があったので、今回は、あえて完全予約制を導入しました。
実際、現場で見ていると多くの方が2~3時間は滞在されているので、この方法で正解だったと感じています。
──“グッズの会計はひとり1回の来場につき1回限り”というルールも、限定グッズの買い占めや転売が業界の課題になっている今、配慮が行き届いていると感じました。こうしたファンファーストの運営について、メンバーからはどんな反応がありましたか?
井上:誰よりもその点を大切にされていたのが、メンバーの皆さんです。例えばNAOTOさんのソロブースはVR体験ができる8つの個室があるんですが、当初、私たちは個室ではなくパーテーションで仕切ったものを想定していたんですね。しかし、NAOTOさんから「VRゴーグルに視界を奪われている状態だと、ぶつかったりして危ないんじゃない」という指摘を受けて、個室に設計し直しました。
さらに、この体験部屋は10室の設置を予定していたのですが、「可能な限りゆったりした空間で楽しんでもらいたい」というNAOTOさんの意向から8室に減らしました。また、それぞれの個室にはカーテンを取りつけているのですが、これも「VRに没入している姿を周りの人に見られたら恥ずかしいでしょ」というNAOTOさんの意見を取り入れたものです。
井上:メンバーの皆さんから“ファンの気持ちになって考えてもらいたい”という指摘を何度かいただいたことがあって。そのたびに“この展示は誰に喜んでもらうためのものなのか”という原点に立ち返ることができました。
三代目 J SOUL BROTHERSの皆さんには、本展覧会の制作を通してエンタテインメントの作り手にとって大切なことをたくさん教えていただきましたし、長年に渡って応援されているファンの方が多くいらっしゃる理由が伝わってきましたね。
──『JSB3 CLASS』は、ここでしか見られないソロブースもされることながら、巨大スクリーンに映し出されるメンバーによるトークセッションも見どころのひとつです。こだわった点について教えてください。
井上:スクリーンは通常の長方形の平面ではなく、鑑賞者の周囲200°を取り囲むような設計になっています。高さも3.6mと巨大で、メンバーが会話している空間にいるような感覚を味わっていただけるのではないかと思います。
また、それだけ迫力がある設備を導入した反面、映像の内容は、メンバー同士の会話やメッセージをストレートに受け取ってもらえるものになっています。映像は3回の会期に合わせて変わっているのですが、この映像だけでも再訪する価値のある充実したトークセッションになっていると思います。
──開催期間も約3カ月と長期に渡りますが、実際、リピーターも多いのでしょうか。
井上:一部のチケットには、特典としてパスポートが付属しているんですが、このパスポートをお持ちの方は、1回の来場につき、ひとつスタンプを押印できるようになっています。そして、第2期が始まったばかりの時点で、既にスタンプがいっぱいになっている方が何人もいらっしゃって、うれしい限りですね。
成田:開催期間の長さはメンバーも気にかけていたところでしたね。ファンのなかには何度も来場してくれる方もいるだろうし、その人たちをがっかりさせてはいけないと。その点でもソロブースを設けたのは良かったと思っています。
メンバーもそれぞれ時間を作っては会場に足を運び、展示物を入れ替えたり、内容をアップデートさせたりと、3カ月という期間だからこそ表現できることにどんどんアイデアを出してくれました。
後編では、7つのソロブースに詰め込まれたメンバーのこだわりを紹介する。
文・取材:児玉澄子
撮影:干川 修

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