番外編:スタミナパン×マネージャーが語る『ダブルインパクト』決勝への道②
2025.07.21


ソニー・ミュージックアーティスツ(以下、SMA)所属の芸人たちをフィーチャーする「芸人の笑像」、その番外編。活躍目覚ましい芸人とマネージャーのクロストークで、現在に至るまでの道のりを語る。
今回登場するのは、7月21日に第1回大会が放送される『アサヒビール スマドリ ダブルインパクト 漫才&コント二刀流No.1決定戦(以下、ダブルインパクト)』のファイナリスト、スタミナパン。2023、2024年と『M-1グランプリ』準決勝進出、『キングオブコント』は2021年から4大会連続準々決勝進出を果たしてきた彼らと、そばで支えてきたマネージャーとのタッグとは? スタミナパンが繰り広げるお笑いの裏側にあるストーリーを聞いた。
目次

スタミナパン
Sutaminapan
(写真左より)麻婆/1989年7月20日生まれ。神奈川県出身。身長169㎝。体重115㎏。トシダタカヒデ/1989年6月7日生まれ。千葉県出身。身長178㎝。体重58㎏。

田上洋平
Tagami Yohei
ソニー・ミュージックアーティスツ
記事の後編はこちら:番外編:スタミナパン×マネージャーが語る『ダブルインパクト』決勝への道②
――コント&漫才二刀流No.1決定戦『ダブルインパクト』の第1回大会で決勝に進出しましたね!
トシダ:あっ! ありがとうございます!
麻婆:ありがとうございます!
――そもそもスタミナパンは、2021年から4年連続で『キングオブコント』準々決勝進出を果たすなど、2014年の結成からコントをメインに活動を続けてきたコンビです。2022年に「芸人の笑像」でインタビューをしたときも、『キングオブコント』で勝ち上がることが一番の目標だと言っていましたが、今や“漫才師・スタミナパン”としての存在感も、かなり大きくなりました。ふたりのなかでは、何か意識は変わってきましたか?
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麻婆:そうですね……変えてはいないんです、そんなに。でも漫才を作ることは、前よりはるかに増えましたよね。
トシダ:確かに。2022年に取材してもらったときは、漫才の話って全然してないんですよ。そうなったのは、あの翌年、2023年に『M-1グランプリ』で準決勝に行けてしまったからで。“行けてしまった”って言い方もアレですけど(苦笑)、そこから環境が変わったというのはありますね。
漫才をやらせてもらえる機会が明らかに多くなったんで、ちょっとコントの割合が減っていって。だから、漫才師になろうと意識したというわけじゃなくて、自分たちがやれるほう、求められるほうをやってきたって感じなんですよね。
麻婆:そう。うん、多分そういう感じです。
トシダ:多分かよ……(笑)。
――SMAお笑い部門の若手芸人担当マネージャーとして、スタミナパンを長年サポートしてきた田上さんは、どう見ていますか?
田上:僕がスタミナパンを担当するようになったのは、2018年くらいからなんですけど、ずっとコントで頑張っていたので、漫才をする姿というのは賞レースのときくらいしか見ることがなかったんですよね。
それでも『キングオブコント』では、なかなか準々決勝以上は行けなくて。コントにものすごいセンスは感じるんだけど、ちょっと結果が追いついてこない感じだったんですよ。
ところが漫才で『M-1』の準決勝まで行けたので、いろいろ試してやってみるもんだなと。ずっとコントに固執するんじゃなくて、いろんなことを試していくのもいいんだなというのは、僕らマネジメントもスタミナパンを見ていてわかりました。
トシダ:そうなんですよね。もともと僕ら、ジャンルに関係なく番組オーディションに動画を送るというのは、ずっとやっていたんですよ。どれかに引っかかりたい。とりあえず、出れるヤツには全部出よう! というのがあったので。
――コント師にこだわりはなかったんですか?
麻婆:そうですね。僕も相方も、最終目標は絶対コント師だとか漫才師がいいとか、そういう感じじゃなかったんですよ。売れて、テレビで自分たちの番組を持ちたいとか、ラジオをやりたいとか、そういう野望はもちろんありますけど、別に売れるルートは何でもありというか。そういうつもりだったので。
トシダ:ホントにそうなんですよね。コントをメインにしてたというのも、麻婆が漫才よりコントのほうが好きで、ネタをやるときも演技が入ったほうが楽だというイメージがあったから、コントのほうが向いてるかな? とやってきただけで。僕は漫才でもコントでもどっちでも良かったですね。
麻婆:結局、ウケた漫才ネタでも、何かキャラクターを入れて演じているところがあるから、そんなに大きく意識が違うっていうこともなかったというのが、実際のところですよね。
トシダ:漫才はコントより自然な感じが求められるから、麻婆っぽくないのかな? と思ってコントを続けていた。でも、漫才をちゃんとやってみたら、そうでもなかったという(苦笑)。
田上:スタミナパンはコントでも麻婆が怪物になるネタ(「腕相撲」)がウケていたり、数年前までは“扮装芸人”の印象が強かったので、そのふたりがすっぴんで漫才をやる未来というのが、僕は正直、想像できなかったんですよね(笑)。
麻婆:見た目のことでいうと、コントをやってるときより漫才で注目してもらえるようになってからのほうが、明らかにコンビの見た目を褒められることはマジで増えましたね。バランスがいいって。この間も『ツギクル芸人グランプリ2025』の決勝に行かせてもらったんですけど、MCの爆笑問題・太田(光)さんが、めっちゃ褒めてくれました。
トシダ:それはある。コントをやってるときはキャラのことって、今ほど言われたことなかったんですよ。
麻婆:トシダさんはちょっと嫌がるかもしれないですけど、僕、めちゃくちゃかわいいって言われますし(笑)。
トシダ:別に嫌じゃないけどな!
麻婆:で、トシダさんは、仕事のできないサラリーマンって(笑)。そう言われるようになったのも、漫才を人前でやるようになってからですね。
トシダ:そうなんですよ。見た目がどうとかツッコミがどうとか、ほかの芸人さんに褒められたり、いじってもらえたりするようになったのは、漫才からですね。
コントでも、別に僕は特別演技を入れるタイプじゃないから僕のままだったんですけど、漫才で普通にスーツを着ているほうが、キャラとして認識してもらえたり、覚えてもらえるというのは、考えてもいなかったですね。あと、漫才を本格的にやってみてよくわかったのは……漫才は準備が楽です。
――楽ですか(笑)。
トシダ:圧倒的にそこは楽ですね。コントをやるとなると、あの衣装が必要だとか、あの小道具がいるとか。準備ができなくて、やるのをやめたネタもたくさんあるんですよ。ほかの芸人なら無理してでも用意してやるんでしょうけど、なんせ経費もなくて(苦笑)。
麻婆:僕ら、女装ネタができないっていうのもありますしね。このふたりのどっちが女装してもかわいくもキレイにもならないから、先輩にもそっちに目がいきすぎてネタが入ってこないって、止められたり(笑)。最近のコント芸人って、女装してもみんなキレイですからね。
トシダ:そう、ちゃんとキレイに見えるように努力してるんですよ。女性用の下着を身につけたりね。そこも僕らはちゃんとできなくて。衣装もいい加減だし、ヒゲもちゃんと剃らないし。そういう雑さが良くないんですよね(苦笑)。
麻婆:ちゃんと台本も作らないしね(笑)。
トシダ:コントって、こだわりのある人が多いから。
田上:道具を集めるのが面倒とか、そういうのをきっかけにしてコントから漫才のほうにウエイトを置くようになる人は結構いたりするんですけど、スタミナパンの場合は、それがすごくいい方向に行きました。
トシダ:僕らも8年くらいずっと、この道具どっちが持って帰るんだ? とか、どっちが買ってくるんだ? とかやってましたから(笑)。だから、性格的にも実は漫才に向いてたんでしょうね。結果として、賞レースでコントよりもいい成績が残せているから言えることですけど。漫才をやるようになって、身軽にはなりました。
――田上さんにとっては、漫才よりもコントのスタミナパンのほうが印象的だったということでしたが、最初、スタミナパンのどこに見どころを感じましたか?
トシダ:おっ、それは聞いたことがなかったですね。
麻婆:ぜひ聞きたい。
田上:最初はやっぱり、麻婆が顔に色を塗って怪物をやっていた「腕相撲」ですよね。あれが5、6年前で。その前から、SMAに若手で面白いヤツが入ってきてる、みたいな話はふんわり聞いてはいたんです。でも当時は、あんまりしゃべったりもしていなかったので、ネタを見てインパクトを受けた感じでしたね。
トシダ:どこの事務所も最初はそうだと思うんですけど、マネージャーさんひとりでたくさんの若手芸人を担当するから、面と向かって関わったり、現場についてくれるってことも、まずなくて。
麻婆:LINEでスケジュールをやり取りするくらいですからね。
田上:だから最近ですよね、ちゃんと話をするようになったのは。ランチを一緒にするようにもなりましたし。
トシダ:3人で酒も飲むようになったし。
麻婆:僕らだけで地方に行くってなったときは、地方のうまい店情報を送ってくれるんですけど、あれは非常にありがたいですね。
田上:初めて行く土地で、その土地のものに触れると、楽しいからまた頑張ろうとなりますから。
麻婆:……まだ教えてもらった店には行ったことないですけど(笑)。
田上:ないのかい!(笑)
麻婆:行ってる時間がないんですよ(苦笑)。でもうれしいですよね、それが。
田上:でも「腕相撲」当時のふたりは、コントにしろ漫才にしろ、とにかく目立ちたいって気持ちで、「目立つためのことだけ考えて、それをネタにするっていうのを考えてました」って言ってたよね?
麻婆:そうでしたね。『M-1』もまずは3回戦進出を目指して、3回戦で顔に色塗って漫才してやろう! っていうのが目標みたいな。
トシダ:そこで目立つだけ目立って、テレビに出られるようになったらいいなと。でも結局『M-1』で結果を出せたのは、色塗りではなかったという(笑)。思ったようには、なかなかいかないもんですね。
――マネージャーさんにネタの相談はするんですか?
麻婆:ネタを作っている段階では相談はしないですけど、できてから、こっちとこっちどっちがいいですかね? みたいな相談はしますね。
トシダ:田上さんはもともと芸人をやってた人だから、芸人目線とスタッフ側の意見と、両方がわかるんですよ。だから、両方からの意見を言ってくれるというのはありますけど……具体的なエピソードはないです(笑)。
麻婆:うん……ないなぁ(笑)。
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田上:このふたりが「こういうネタをやりたいんだ!」と言ってきて、僕が「いや、そんなんじゃダメだ、こっちにしろ!」って言って、終いには取っ組み合いになって、それがあって『ダブルインパクト』で勝ち上がりました! なんていうのが、最高のストーリーですけど(苦笑)。
トシダ:ないですね~。
麻婆:僕ら、ネタを誰かに相談することが、多分ほかの芸人より少ないんですよね。するとすれば、先輩芸人さんくらいで。
トシダ:だいたい、ふたりで話して決まりゃあ決まる。まわりに聞くのは意見が割れたときとかですね。
麻婆:でも、去年の『M-1』の敗者復活戦の前は、ネタを錦鯉の(渡辺)隆さんと野田ちゃんさんと、ロビンフットのおぐさんに見てもらって。
トシダ:隆さんにダメ出しもいろいろもらったりしながら、じゃあこれで行こう! と決めたんですね。そして敗者復活戦当日の午前中に、トム・ブラウンの布川(ひろき)さんのライブがあったんで、そのネタで出させてもらったんですけど、僕らとしては「これでいいのかな?」と、まだちょっと自信がなかったんですよ。
そしたら布川さんが、気が済むまでやったらいいよと、もう1本悩んでたネタのほうもやらせてくれたんです。それが「キャバクラ」のネタ。それで当日になって、やるネタをそっちに変えたんです。トム・ブラウンのおふたりは所属事務所は違いますけど、そういう方も含めて、ホントに先輩たちにはお世話になってます。でも、基本的には人に何かを相談するタイプのふたりじゃないのは確かですね。
田上:それでも、『M-1』で注目されるようになってからのここ2、3年くらいは、売れっ子の先輩方と会う機会は増えたよね? 営業終わりでシショウ(ハリウッドザコシショウ)とご飯に行ったり。
トシダ:そう、確かに交流は増えましたね。コウメ(太夫)さんに新年会に誘っていただいたり。
田上:麻婆は(錦鯉・長谷川)雅紀さんと旅行に行ったりね。
麻婆:はい。雅紀さん、もじゃさん、しゃばぞうさんらと今年のお正月、伊豆に行ったんですよ。僕がホテルを取ったんですけど、ホントに偶然、隣の部屋がコウメさんご一家で! あれにはビックリしましたね。
田上:お正月とはいえ、日本中にホテルがあるのに、同じ日に同じ事務所の先輩が同じホテル、しかも隣の部屋に泊まるなんて、すごい確率ですよ。
トシダ:そこまでいったら、もはや呪いと言っていいかもしれない(笑)。
後編では、決勝進出を果たした『ダブルインパクト』への意気込みを語る。
文・取材:阿部美香
撮影:遠藤勇司

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