音楽営業(マーケティング):インパクトのあるリリース施策で人々に楽曲の魅力を伝える仕事
2024.12.06


音楽、アニメ、ゲーム、キャラクター、イベントなど、人に感動を提供するエンタテインメントにはさまざまなジャンルがあり、そのジャンルの数だけ多種多様な職種が存在する。
連載企画「エンタメ業界のお仕事紹介」では、ソニーミュージックグループで働くスタッフの生の声から、エンタメ業界に存在する職種と業務内容、そして、その仕事にどんな“やりがい”や“魅力”があるのかを紐解いていく。
第3回は、アニメ作品のプロモーション業務を行なうアニプレックス(以下、ANX)のアニメ・ゲーム宣伝担当に話を聞いた。
目次

SEIGO
アニプレックス
アニメ宣伝
キャリア:11年目
音楽企画制作/経理・財務/音楽営業(マーケティング)/マーチャンダイジング/音楽宣伝/グローバルマーケティング(音楽)/アニメ企画制作/人事/プログラマー/著作権・契約・法務/ゲーム企画制作/キャラクタービジネス/マネージャー/パッケージ制作進行/ファンクラブ運営/デジタルコーディネーター/クリエイティブ(クリエイティブ/アートディレクション・制作プロデュース)/グローバルマーケティング(アニメ・ゲーム)/エンタプライズITシステム/音楽営業(セールス・マーケティング)/イベント・展示会運営/クリエイティブ(空間設計/企画)
 
音楽営業(セールス)/音楽営業(マーケティング)/音楽宣伝(デジタルプロモーション)/海外ライセンス(アニメ・ゲーム)/国内ライセンス(アニメ)/スタジオエンジニア
もともとアニメはそれほど詳しいわけではなかったんですが、大学時代にアニメ好きの友人の影響で深夜放送のアニメを見るようになりました。また、作品そのものが面白いことに加え、アニメ作品が音楽やライフスタイルにおいて、さまざまなムーブメントを巻き起こしているのがとても興味深く、惹かれていったのを覚えています。
就職活動をするにあたっては、大学時代にイベント企画サークルに所属していたことや、音楽が好きだったこともあり、エンタメ業界を志望していました。そのなかでアニメに関わる仕事という選択肢が生まれたのも、映像から音楽、イベントなどあらゆるエンタテインメントに派生しながら社会現象を起こしていく“アニメの力”を実感し、自分も携わってみたいと思ったことが大きかったです。
入社当時はアニメの知識がほとんどなかったため、アニメに関することをインプットするのに苦労しましたが、それはあくまで前提情報。アニメというエンタテインメントをリスペクトし、多くの人に届けたいという意思を持っていれば、“アニメ偏差値”は問われないのがANXという会社の特徴だと思います。
アニメ宣伝は、平たく言えばひとりでも多くの方にその作品を見てもらうのが目的です。では具体的に何をするのかというと、ANXでは“なんでもあり”だと思っています。宣伝手法にセオリーはありますが、決まったやり方がない分、いかに多くの人に作品を届けるかをイチから考えて実行するのが仕事です。
また、宣伝はお金を使うことが多い役割ですが、当然、宣伝にかけられる予算は決まっています。だから、限られた予算内で“いかに効果的な宣伝をするか”“どうしたらもっと面白くできるか”というのを考えるのも仕事です。
例えば、イベントを開催することになって造作物にお金をかけたいとき、それ以外のどこを削るか。どうしようもないときは、自分でできることはやるということもあって、イベントの司会進行を買ってでるぐらいはざらにありますね(笑)。
それぐらい予算をシビアに計算しながらではありますが、作品をより多くの人に知ってもらうためにできることと、自分が本当にやりたいことの配分を上手くコントロールして、日々、アニメ宣伝の仕事に取り組んでいます。
ソニーミュージックグループに入社して、ANXに配属されてから2年半ほどは店舗営業を担当していました。具体的にはBlu-rayやDVDなど、アニメのパッケージを販売する店舗を回り、その作品の魅力をお伝えして、1枚でも多くお店に並べてもらうのが仕事です。
販売店は膨大な数の作品を扱っていますし、置いてもらえるスペースは限られています。そのなかでできるだけ大きく扱ってもらうためには、販売店側のメリットをこちらから提示することも重要。
例えば、お店ごとに売り場に工夫を凝らして競うディスプレイコンテストに取り組んでいただき、その際、作品に出演している声優さんたちにも投票に参加してもらえたら販売店側も喜んでくれるのでは? と企画したこともありました。
このときに培った企画力や店舗、そこで働く方々との交流が、今の宣伝の仕事でも大いに役立っています。
関わったアニメのなかには、大ヒットを記録した作品もあります。初めは、アニメショップ店頭でひとりでも多くの方に触れてもらえるようにチラシを配布するようなところから始まったのですが、放送が進むにつれてどんどん見てくださる方々が増え、毎日、出社するたびに反響が膨れ上がってくような状況でした。
あの凄まじい渦中にいたときは“いったい何が起きているんだろう?”という感覚でしたが、大ヒットの現場に携われたのは、すごく印象深いできごとでしたね。
アニメ宣伝において絶対に必要なスキルや資格はないかもしれません。ですが、語学力はあるといいだろうなと実感しています。そして、その流れは今後、加速するかもしれませんね。
最近でも、アニメ化の情報解禁後、すぐに欧米圏のSNS上でトレンド入りする作品があって。その期待に応えるべく、日本から始まることが多い先行上映会を世界10会場で同時開催するというプロジェクトがありました。
現地での視聴ランキングも常に上位を記録する環境のなかで、さまざまな経験をさせていただきましたが、その一連の取り組みで心残りだったのが、自分自身の語学力不足。現地スタッフとの会議では相手の話していることすら理解できずに通訳の方にお世話になることが多かったですし、やりたいことを実現するために必要なスキルはまだまだたくさんあるなと痛感しました。
最近では、海外とのオンライン会議も頻繁に行なわれます。仕事を円滑に進めるためだけでなく、こちらの熱量をしっかり伝えるためにも、日本語以外の言語も扱えるというのは大きな武器になると思います。
ANXの社風を、ひと言で表わすと“自由”ですかね。そう感じる理由はフラットな人間関係にあると思っています。自分のときもそうでしたが、入社1年目の駆け出し社員でも会議や打ち合わせで意見を求められますし、思ったことをどんどん言っていい雰囲気。そして、そのアイデアが面白ければ、先輩たちが実現に向けて全面的に協力してくれます。
また、社内には所属部署にとらわれることなく、自分がやりたい企画を提出できるシステムもあって。例えば、アニメ化したい原作の企画が通って、他部署から制作部に異動する人もいます。もちろん宣伝部でも他部署からの宣伝アイデアは大歓迎です!
企画が通らなくても否定されるわけではないですし、むしろ自分が“面白い”と確信しているなら練り直して再チャレンジするくらいの気概がある人がアニメ宣伝……というかエンタテインメントの会社に向いていると思いますね。
また、自分のようにアニメに詳しくなくてもまったく問題はないですが、外向きの視野は持っているといいと思います。世界で何が起きていて、それが日本からアニメを発信するうえでどう関わってくるのか。何より、アニメで世界をワクワクさせたいという気持ちが大事なのではないでしょうか。
今後もアニメ宣伝という仕事を続けていきたいなと思っています。積み重ねてやってきたものや、出会ってきた人、携わった作品が増えていけば、見える世界がどんどん広がっていくと思いますし、アニメ宣伝としてできることも増えていくというのは上長や先輩を見ていて日々感じます。
経験を積んで、そのノウハウをいかし、自分にできることをより増やしつつ、さらにはリアルタイムな感性を持った後輩たちの“面白い”と思うものを一緒に実現させていけるのが理想ですね。
文・取材:児玉澄子
撮影:干川 修
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