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エンタメ業界のお仕事紹介

グローバルマーケティング(音楽):語学力とコミュニケーション力で音楽の魅力を海外に届ける仕事

2024.12.13

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音楽、アニメ、ゲーム、キャラクター、イベントなど、人に感動を提供するエンタテインメントにはさまざまなジャンルがあり、そのジャンルの数だけ多種多様な職種が存在する。

連載企画「エンタメ業界のお仕事紹介」では、ソニーミュージックグループで働くスタッフの生の声から、エンタメ業界に存在する職種と業務内容、そして、その仕事にどんな“やりがい”や“魅力”があるのかを紐解いていく。

第7回は、エンタメ業界においても事業の海外展開がますます盛んになるなか、世界に日本の音楽を届けるために尽力する、音楽のグローバルマーケティング担当者に話を聞いた。

  • グローバルマーケティングKEIJINプロフィール写真

    KEIJIN

    ソニー・ミュージックレーベルズ
    グローバルマーケティング(音楽)
    キャリア:10年目

【解説】グローバルマーケティング(音楽)

企業の成長やアーティストの活躍の場を広げるため、海外のグループ会社や協力企業と連携し、アーティストや作品、その他IPの魅力を世界に広める業務。ターゲットとなる国の文化や市場を調査し、日本のコンテンツがどのようにヒットするかを考察して制作部門にレポートしている。海外進出に際しては、現地の市場やユーザーの嗜好の違いを理解し、最適なローカライズを推進。ビジネスレベルの語学力はもちろん、プロジェクトチームのハブとなる高いコミュニケーション力が求められる。

グローバルマーケティングKEIJIN1日のスケジュール

ソニーミュージックグループを志望した理由は?

私は台湾出身で、昔からJ-POPが大好きでした。学生時代はアルバイトでお金を貯めては好きなアーティストのライブのために年1回のペースで日本に遊びに来ていて。当時は、日本語を十分には話せなかったのですが、もっとアーティストが伝えたいことを理解したい、同じアーティストが好きな日本のファンと交流したいという思いから、日本語の歌詞を中国語に訳したり、日本の音楽雑誌を読んだりして勉強していました。

そして、台湾の大学を卒業してからは、デザインを学ぶために日本に留学。その後、5年ほどデザイナーとして日本で働いていましたが、30歳手前のタイミングで“自分の人生で大切なこと”“自分が本当に好きなもの”は何かを見つめ直し、やはり私は音楽に携わりたいという思いに至って、転職活動を始めました。そんなとき、ソニーミュージックグループの関連会社でアルバイトを募集していたので応募したところ採用され、その後何度かの採用試験を経て2018年に正社員となりました。

まったく違う業界からの転職でしたが、ちょうど中国語を話せるスタッフを募集していたのでラッキーなタイミングでもありましたね。

笑顔で話すグローバルマーケティングKEIJIN

現在携わっている仕事は?

グローバルマーケティングは、楽曲のリリースに伴う海外向けプロモーションが主な仕事です。具体的には、各アーティストの担当者であるA&R(音楽企画制作)が日本語で作成したプレスリリースを翻訳し、それを海外のソニーミュージックの現地オフィス経由で各メディアに配布してもらうという業務を日々行なっています。

例えば、アニソンであればアニメに強いメディアに注力してもらうなど、楽曲の特色や、その国、地域のトレンド、市場動向などを考えながら効果的なプロモーションを目指しています。

あとは、アーティストのSNS発信に翻訳や字幕をつけるサポートも私たちが行ないます。特に海外では単なる告知文は興味を持たれないことが多いですし、どんなに簡単なものでも本人の生のコメントが喜ばれます。自ら言語を学んだり、翻訳したりするアーティストも増えていますが、ちょっとしたひと言で誤解が生じないよう、ローカライズのチェックをお願いされることは多いですね。

さらに近年では、アーティストの海外ライブに同行することも増えました。海外でのアーティストの動き方は、その1回のライブで終わりではなく、現地アーティストとの楽曲制作のコラボや、メディア対応など、現地にいる間にどのような展開ができるかを模索するようになっています。アーティストサイドと現地の方々がスムーズにコミュニケーションができるように、仲介の役割として実際の現場で業務に携わることもあります。

グローバルマーケティングに必要なスキルは?

近年、J-POPシーン全体が海外展開に積極的になっているのを感じている方も多いと思いますが、ソニーミュージックグループもここ5年ほどで状況が大きく変わりました。

社内を見渡しても、私が入社したころは外国籍の社員はほとんどいませんでしたが、最近では外国籍の方が、ソニーミュージックグループに新卒入社するケースも増えてきています。また、私が所属する海外マーケティングの部署には、帰国学生や海外留学経験のある日本人の方も多いですね。

そのうえで、この仕事に求められるスキルはやはり語学力です。日本語、英語が必須で、プラスもう1言語できると心強いですね。ちなみに、部署内のコミュニケーションは英語と日本語がごちゃ混ぜ(笑)。英語がネイティブの人も多いので、雰囲気はとても賑やかです。私自身は、英語を学校で習った程度なので完璧ではありませんが、仕事に支障がない程度には使えるようになりました。

身振り手振りで話すグローバルマーケティングKEIJIN

仕事をするうえで心がけていることは? どんな人が向いている?

文化や歴史の異なる国や地域に対して発信するうえで、配慮すべきこと、注意すべきことはたくさんあります。SNSの不用意な発信がきっかけでファンが一気に離れてしまうという事例は珍しくありません。

海外公演ではアーティスト自身が、現地の言葉であいさつをしたり、思いを伝えたりすることが多いですし、最近はライブのMCがSNSにアップされることも多いので、発音や言葉の選び方、さらには「こういう言い回しは避けたほうがいいかもしれません」とアドバイスさせていただくこともあります。

そのときどきにアーティストの考えや思いもあるかもしれませんが、私たちとしては誤解や理解不足から生まれる軋轢からアーティストを守りたいですし、現地の方々には純粋に音楽を楽しんでいただきたい。そのためにも世界で今どんなことが起きているか、時事問題などを含め、アンテナは常に張っておくことを心がけています。

また、アーティストサイドと現地の仲介役といっても、単にそれぞれの意見を伝達するだけではスムーズに行かないことがほとんどです。双方の思いを自分のなかで咀嚼して、“こういう方法だったらお互いにとってベストなのではないか”といった提案まで持っていくのが実はとても重要だと思います。そういう意味では語学力に加えて、調整力やコミュニケーション能力も必要ですし、広い視野で物ごとをとらえられる人が向いているのかもしれません。

打ち合わせ相手と話すグローバルマーケティングKEIJIN

印象深かった仕事は?

とあるアーティストがデビュー25周年というタイミングで、初のアジア単独公演を行なったのですが、その際に現地プロモーション業務で台北、香港に同行しました。

現地のファンの方々にインタビューをする機会があったのですが、“やっと会えた”と涙を流しているファンも多く、本当にそのア―ティストが大好きで、心から音楽を楽しんでいるというのが伝わってきて幸せな気持ちになりました。海外のファンの方々に音楽を楽しんでいただく機会を提供する仕事に携われたことは、本当に貴重な経験となりましたね。

真剣な表情で話すグローバルマーケティングKEIJIN

思い描くキャリアプランは?

グローバルマーケティングとして、今後もアーティストの海外進出を全力でサポートしていけたらと思っています。

近年、アジアツアーを成功させる日本のアーティストが増えてきました。少し前までは台湾、香港、上海あたりが定番でしたが、最近はインドネシアやタイなどでもチケットが即完売。サウジアラビアでも日本のアニソンの人気が高まっているなど、これまでお付き合いのなかった国や地域とやり取りすることも増えました。世界のマーケットはまだまだ開拓の余地があります。

海外事業を幅広く手がけているソニーミュージックグループのなかでも、私たちは海外での音楽プロモーションに特化した部署です。アーティストや楽曲が持つ純粋な魅力、アニメやゲーム作品との相乗効果など、そこで生まれる熱量をアーティストのファンベースにまで発展させるのが私たちの使命だと感じています。

笑顔でこちらを見つめるグローバルマーケティングKEIJIN

文・取材:児玉澄子
撮影:干川 修

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