ファンクラブ運営:ファンの熱量を増幅し、アーティストとの絆を深める仕事
2024.12.26


音楽、アニメ、ゲーム、キャラクター、イベントなど、人に感動を提供するエンタテインメントにはさまざまなジャンルがあり、そのジャンルの数だけ多種多様な職種が存在する。
連載企画「エンタメ業界のお仕事紹介」では、ソニーミュージックグループで働くスタッフの生の声から、エンタメ業界に存在する職種と業務内容、そして、その仕事にどんな“やりがい”や“魅力”があるのかを紐解いていく。
第15回は、アーティストのCD、DVD、Blu-rayなどのパッケージ商品の制作進行を担当するスタッフに話を聞いた。
目次

MOMOKA
ソニー・ミュージックソリューションズ
パッケージ制作進行
キャリア:3年目
音楽企画制作/経理・財務/アニメ・ゲーム宣伝/音楽営業(マーケティング)/マーチャンダイジング/音楽宣伝/グローバルマーケティング(音楽)/アニメ企画制作/人事/プログラマー/著作権・契約・法務/ゲーム企画制作/キャラクタービジネス/マネージャー/ファンクラブ運営/デジタルコーディネーター/クリエイティブ(クリエイティブ/アートディレクション・制作プロデュース)/グローバルマーケティング(アニメ・ゲーム)/エンタプライズITシステム/音楽営業(セールス・マーケティング)/イベント・展示会運営/クリエイティブ(空間設計/企画)
 
音楽営業(セールス)/音楽営業(マーケティング)/音楽宣伝(デジタルプロモーション)/海外ライセンス(アニメ・ゲーム)/国内ライセンス(アニメ)/スタジオエンジニア
単純に楽しいことがしたかったからです! 就職すれば忙しくなるのはわかっていたので、やっぱり自分が楽しめること、興味があることを仕事にしたいなと思っていました。もともと音楽が大好きだったこともあり、仕事内容をイメージして“ワクワクする”と感じたソニーミュージックグループを志望しました。
ただ、好きなことを仕事にするのは勇気がいりますし、就職活動の時期はちょうどコロナ禍だったので正直、不安もありました。ですが、私自身、大変だと感じることでも好きなことだったら乗り越えられるタイプだったので、実際に働いてみてソニーミュージックグループがあっているなと感じています。
CDやDVD、Blu-rayなどのパッケージ商品を作る際に、進行を管理する仕事です。例えばCDのパッケージには、CD、ブックレット、帯、シリアルコードの書かれたチラシなどが入っていますよね。
また、最近ではグッズが同梱する特装版も増えています。こうした商品一式について、予算内でどこまでできるのか相談し、スケジュールを管理するコーディネーターのような役割です。
商品のリリースが決まると、まずレーベルのアーティスト担当であるA&R(音楽企画制作)から私たちパッケージ制作進行のところに連絡がきます。既に“こういうパッケージを作りたい”と明確なプランがあるケースもあれば、まだ何も決まっていない状態から相談して決めていくこともありますね。
近年は、CDの売上が落ちていると言われていますが、だからこそファンの方たちが持っていたいと思える物、付加価値を高めて、より楽しんでいただけるよう工夫を凝らしたパッケージの制作が求められます。
そういった商品開発を実現するために、私たちの部署では“こういうパッケージも作れますよ”と具体的にサンプルを提案し、発売日に間に合うように、いつまでにデザインを組んでもらえばいいか、いつまでに印刷を開始すればいいか、いつまでに工場に納品すればいいかと、逆算しながらスケジュールを立てていきます。
入社2年目のときに好きなアーティストのCD制作に携わることができたことは貴重な経験になりました。また、購入した方の反応をSNSでダイレクトに見ることもできるので、その点もやりがいにつながっています。
ただ、一番大きいのは、楽しみにしてくれていたファンの方やアーティストを悲しませるようなことがなく仕事を終えられたときですね。パッケージの箱がへこんでいた、ブックレットの歌詞に誤字脱字があったなど、ミスやトラブルがなく無事に発売を迎えられるよう、努めています。
A&Rとコミュニケーションをしっかり取りながら、提案されたアイデアをできる限り実現できるよう努めています。アーティストサイドは、パッケージ商品を通して作品のコンセプトや世界観などを表現したいという思いが強く、“こんなことをしたい!”“こんなことはできないか?”と、どんどんアイデアが湧いてきます。
そんななか、限られた予算とスケジュールで、どこまでそれを実現できるのか、またどこで折り合いをつけるのかを考えるのも私たちの仕事です。A&Rから、どこが譲れないポイントなのかをヒアリングし、そのうえで“この箱を使うなら、ブックレットの中面はモノクロにして費用を抑えましょう”というように、具体的な提案を繰り返し行ないながら調整しています。
あとは、丁寧に1作品と向き合って仕事をすることも心がけていることです。私たちパッケージ制作進行にとって、商品のリリースは毎週のようにあること。でも、アーティストサイドにとっては数カ月、ときには数年に1枚のリリースかもしれません。それはつまり、ファンの皆さんにとっても待望のリリースということなので、その気持ちに応えたいですよね。
だからこそ、グッズつきのパッケージ商品などは、中身が乱雑にならないようボックスの仕様にも工夫を凝らします。人の手で行なっていることなので、ミスを完全にゼロにすることは難しいのですが、商品を手に取る方々をがっかりさせないために、常にトラブルゼロを目指すよう取り組んでいます。
SOSをすぐに出せる人だと思います。A&Rとデザイナーとはもちろんやり取りしますが、基本的にパッケージ制作進行という立場としては、ひとつの商品をひとりで担当します。“これって大丈夫かな”と少しでも疑問に思うことがあったら、躊躇せずに、周りに声をかけられる人、トラブルがあったときには自分で抱えずに、即刻、助けを求められる人がいいですね。
例えば、制作が遅れて納期に間に合わないとか、表現として問題になるかもしれない歌詞がブックレットに記載されているといった場合、早めに周囲に相談できる人でないと結果的に大きなトラブルにつながりかねません。
素直に周囲に相談し、ときには助けを求めながら、そのなかで自分なりのやり方を見つけて進めていくことができる人は、この仕事に向いていると思います。
先ほどもお話しした通り、パッケージ制作進行は一人ひとりが個人商店のように動いています。でも、お互いの苦労もわかるので、みんなで助け合おう、頑張って乗り越えようという空気がありますね。
また、ひとりで複数のパッケージを並行して進めるので、周りが見えている人、気が利く人が多いですね。みんな優しすぎてちょっと過保護なくらい(笑)。フォローが手厚いので、私にとっては働きやすい職場です。
ずっと音楽に携わる仕事をしていきたいですね。今はパッケージ制作進行というかたちで音楽に携わっていますが、いずれは、新人アーティストの発掘や育成も手がけてみたいです。今の仕事はA&Rなど、ほかの職種のスタッフと関わることも多いので、仕事についていろいろと話を聞く機会があり、とても勉強になります。
ただ、まだ社会人3年目で経験も浅いので、今は音楽に関わる分野をひと通り理解して、経験を積む時期だと思っています。そして、いずれは音楽アーティストに寄り添いながら、ヒットを生み出せるような人になりたいです。
文・取材:野本由起
撮影:干川 修
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