マーチャンダイジング:オリジナルグッズを企画、制作しファンの“好き”をかたちにする仕事
2024.12.06


音楽、アニメ、ゲーム、キャラクター、イベントなど、人に感動を提供するエンタテインメントにはさまざまなジャンルがあり、そのジャンルの数だけ多種多様な職種が存在する。
連載企画「エンタメ業界のお仕事紹介」では、ソニーミュージックグループで働くスタッフの生の声から、エンタメ業界に存在する職種と業務内容、そして、その仕事にどんな“やりがい”や“魅力”があるのかを紐解いていく。
第4回は、音楽商品の発売時にさまざまな販売施策を考案する、音楽マーケティング担当に話を聞いた。
目次

MIYU
ソニー・ミュージックソリューションズ
音楽営業(マーケティング)
キャリア:4年目
【マーケティング(販推)】
CDやDVD、Blu-rayなどの発売元であるレーベルとセールスの間に立ち、商品の販売方針についてプランニング、提案を行なう。ヒットを目指して、1枚でも多くの作品をファンの手に届けるために、レーベルと目標枚数や特典、イベントといった施策内容などを打ち合わせ、セールス担当と連携をとりながら調整、推進する。
【セールス】
CDやDVD、Blu-rayなどのパッケージ商品をショップに販売するセールス活動を行なう。店頭、オンラインで行なう施策や、リリースイベント、クライアントのSNSを使った施策などの提案、調整、実施に加え、商品の出荷指示も行なっている。
【Eコマース運営】
ソニーミュージック公式直販サイト「Sony Music Shop」や、特典つき商品の応募、購入専用サイト「forTUNE music」などEコマースサイトの運営、マーケティングを行なう。また、各種Eコマースサイトの制作、運営を行なうと同時に、自社物流を持つ強みをいかし、タイムリーなサービス提供を実現する。
音楽企画制作/経理・財務/アニメ・ゲーム宣伝/マーチャンダイジング/音楽宣伝/グローバルマーケティング(音楽)/アニメ企画制作/人事/プログラマー/著作権・契約・法務/ゲーム企画制作/キャラクタービジネス/マネージャー/パッケージ制作進行/ファンクラブ運営/デジタルコーディネーター/クリエイティブ(クリエイティブ/アートディレクション・制作プロデュース)/グローバルマーケティング(アニメ・ゲーム)/エンタプライズITシステム/音楽営業(セールス・マーケティング)/イベント・展示会運営/クリエイティブ(空間設計/企画)
 
音楽営業(セールス)/音楽営業(マーケティング)/音楽宣伝(デジタルプロモーション)/海外ライセンス(アニメ・ゲーム)/国内ライセンス(アニメ)/スタジオエンジニア
大学生のときに1年間イギリスに留学していたんですが、当然ながら留学中は日本のエンタテインメントに触れる機会が極端に少なくなって。そのときに“あぁ、私は日本のドラマや映画、音楽が大好きなんだな”って改めて気づいたんです。
大学では化学を専攻していたので、就職先は化学メーカーとか製薬メーカーが一般的で、私もその道を考えてはみたんですが、留学時の“エンタメ不足”の経験が強く残ってしまって。将来は自分の好きなこと、とにかくエンタテインメントに関わる仕事がしたいと思い、この業界を志望しました。
なかでも、アーティストを身近でサポートするマネージャー職に就きたいと思っていたので、芸能プロダクションを中心に、テレビ局や映画制作会社、映像制作会社など、幅広く受けていたなかで、内定をもらったのがソニーミュージックグループでした。
ソニーミュージックグループには、マネジメント会社のソニー・ミュージックアーティスツ(以下、SMA)もありますし、音楽、アニメ、ゲーム、キャラクターなど幅広いエンタテインメントを扱っているので、自分の好きなことに関われることを想像しただけでも、とにかく楽しそうだなとワクワクしたことを覚えています。
私はソニー・ミュージックソリューションズのセールス&マーケティングカンパニーという部門に在籍していて、販売推進の仕事をしています。
そのうえで、私が所属している部署は、主に音楽レーベルのA&R(音楽企画制作)と販売営業の間に立つ役割をしています。部署には、パッケージ担当とデジタル担当がいるのですが、私はパッケージ担当です。CDやBlu-rayなどのフィジカル商品について、発売日や価格、目標の販売枚数を考えたうえで、各店舗での売り方やどんな特典をつけるのか、どんなリリースイベントを行なうのかという施策を考えていくのが主な業務となります。
世間に与えるインパクトの強い作品に携われることにやりがいを感じます。あるアーティストの数年ぶりのオリジナルアルバムのリリース時には、発売週に店頭での衣装展示や、閉店後のCDショップを貸し切って音楽イベントの生配信を行なったりしたのですが、ファンの方々にも好評で、販売推進としてリリースを大きく盛り上げることができました。その後、商品もヒットにつながったので、イベントの準備には四苦八苦しましたが、携われたことに喜びを感じました。
それと、音楽や映像商品に付属するブックレットに自分の名前を載せてもらえるのもうれしいですね。作品のリリースに自分も役立つことができたんだと実感できます。
あとは、自分が好きなアーティストの販売推進に携われたことも、すごく印象に残っています。私は、デビュー前からシンガーソングライターの坂口有望さんが大好きで、実は学生時代にリリースイベントにも通っていたんです(笑)。イベントの会場や時期、回数などを決めるのも私たち販推の仕事なので、イベントにファンとして足を運んでいた自分の経験をいかしながら取り組んでいます。
昨年まで、過去に発売された名曲や名盤の販売を多く手がけるレーベルも担当していたのですが、そのときに気づいたのが販路の多様性です。名曲、名盤CDを購入する方のなかには年配者の方もいて、ECやCDショップではなく、通販カタログを利用されることも多いんですね。そういった場合は、やはりその販路に適したリリース施策を行なう必要があるということを学びました。
これは、私が日常的に興味を持っている音楽の範囲からでは、気づけなかったところだと思います。実際に入社してから、“こんなにいい曲があるんだ”“こんなに多くの人から愛される名盤があるんだ”という発見もあったので、この経験は、販推としての考え方の幅を広げるいい経験だったなと思っています。
広い視野でものごとを捉えられる人が向いているのではないか思います。販推は、商品のリリースの3カ月前ぐらいから動き出すことが多いのですが、市況の変化を見据えたうえで販売施策を組み立てつつ、発注する数や在庫の管理なども行なっていきます。
また、独り立ちして担当を持つようになれば、A&Rや営業といった関係者と密なやり取りが発生し、コミュニケーション能力も必要になっていきます。そして、同時進行で複数の案件が進行することが多いので、マルチタスクが求められます。
視野を広くしながら、進行上の要点を押さえる能力が身についてくると、販推の仕事はどんどん楽しくなってくると思います。
上司や先輩とも話しやすいですし、年齢に関係なく、いろんな話ができる働きやすい環境ですね。また、販推は他部署と関わることが多いので、いろいろな職種の人と会話することができますし、一回り以上年齢が離れた先輩ともフランクに話せる雰囲気なので、とても仕事がしやすいです。
ギャップはそんなに感じてないのですが、エンタテインメントの会社でありながら、意外とみんなしっかりデスクワークしているんだなと思いました(笑)。自分のデスクで、みんなパソコンに向かっていて、すごく真面目に仕事をしている。
ただ、おそらくほかの業界と異なるのは、当たり前のようにあちこちから音楽が流れていて、「この曲いいよね」とか、「この前、このライブに行ったんだ」という話を業務時間中に共有できること。エンタテインメントが好きな私からすると、すごく居心地がいい環境です。
販推では、幅広いジャンルのアーティストを担当させてもらっていて、日々新たな発見があります。たくさんのことを吸収しながら成長して、どんどん新しい施策を考えていけるように頑張りたいです。
部内では担当変えもあって、私も初めに担当していたレーベルから、今年はジャンルの違うレーベルの担当になりました。販推としてそのままキャリアを積み上げていく人もいますし、レーベルのA&Rや宣伝部に異動を希望する人もいたりとさまざまです。
私の将来としては、もともとマネージャー職を志望していたので、いずれはSMAやソニー・ミュージックレーベルズで、アーティストのマネジメント業務にも携わりたいと考えています。ソニーミュージックグループは、その人の希望に耳を傾けてくれる会社なので、積極的に自分のやりたいことを発信して、自分の視野を広げ、スキルを磨いていきたいです。
文・取材:永堀アツオ
撮影:干川 修
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