音楽営業(セールス):マーケティング担当や販売店とともに、パッケージ商品のヒットを目指す仕事
2025.12.08


音楽、アニメ、ゲーム、キャラクター、イベントなど、人に感動を提供するエンタテインメントにはさまざまなジャンルがあり、そのジャンルの数だけ多種多様な職種が存在する。
連載企画「エンタメ業界のお仕事紹介」では、ソニーミュージックグループで働くスタッフの生の声から、エンタメ業界に存在する職種と業務内容、そして、その仕事にどんな“やりがい”や“魅力”があるのかを紐解いていく。
第23回は、空間をエンタテインメント化するためのコンセプト設計からデザイン、施工までを行なうクリエイティブ(空間設計/企画)担当者に話を聞いた。
目次

KOTA
ソニー・ミュージックソリューションズ
クリエイティブ(空間設計/企画)
キャリア:11年目
音楽企画制作/経理・財務/アニメ・ゲーム宣伝/音楽営業(マーケティング)/マーチャンダイジング/音楽宣伝/グローバルマーケティング(音楽)/アニメ企画制作/人事/プログラマー/著作権・契約・法務/ゲーム企画制作/キャラクタービジネス/マネージャー/パッケージ制作進行/ファンクラブ運営/デジタルコーディネーター/クリエイティブ(クリエイティブ/アートディレクション・制作プロデュース)/グローバルマーケティング(アニメ・ゲーム)/エンタプライズITシステム/音楽営業(セールス・マーケティング)/イベント・展示会運営
 
音楽営業(セールス)/音楽営業(マーケティング)/音楽宣伝(デジタルプロモーション)/海外ライセンス(アニメ・ゲーム)/国内ライセンス(アニメ)/スタジオエンジニア
私は前職で、内装設計や施工を行なっている会社で施工管理の職に就いていた経緯があり、25歳のときにキャリア採用でソニー・ミュージックソリューションズ(以下、SMS)に入社しました。
ソニーミュージックグループは音楽のみならず、アニメ、IPビジネスなど幅広いジャンルのエンタテインメントビジネスを横断している会社なので、業務領域を広げられる可能性があるなと感じ、志望しました。
入社した当時は部署に10人程度のスタッフしか在籍していませんでしたが、今後この仕事がグループ内でも存在感をどんどん発揮していく役割になるのではないかと感じましたし、実際に現在では人数も増えています。
イベントやライブ、物販スペース、社内外のオフィスの内装など、空間に関わる設計、施工業務全般を扱っています。私が所属している部署では、依頼された空間をどう演出するかの企画を立て、設計監理、予算管理、クオリティ管理、工程管理、現場施工管理まで制作業務を包括的に行ないます。
例えば大きな展示会ですと、出展企業が望むブースのイメージをヒアリングしてテーマを決め、設計部門や同じ本部内に所属するデザイナー、アートディレクターと企画会議を繰り返し行ない具体的な空間設計プランを作成していきます。
そこから先の流れは前述した制作業務がメインとなり、実際の施工現場では工程やクオリティ管理をしながら、しっかり完成するのを見届けるまでが仕事ですね。
部署の特徴については、エンタテインメント企業のひとつの部門として、空間設計、施工を手がける部署があること自体が、とても珍しいと思います。設計課には一級建築士の資格を持つスタッフが在籍していますし、企画段階から完成まで、すべてSMS内で完結できる環境があることに、社外の方からは驚かれることも多いです。
グループ内にこのような部署があると、イベントやフェスを実施することが多い、アニプレックスなどからも重宝されますし、企画段階から相談してもらえるのが多いのも特徴です。
意見のやり取りも密にできますし、それによって我々のコンテンツへの理解度が深まるというメリットもありますね。また、グループ各社からの依頼はもちろんですが、近年は社外クライアントからの依頼も増えています。
実際にクライアントと打ち合わせをしていると、よく“SMSならあれもできるし、これもできるんですね”という話をいただきます。クライアントの要望に合わせて、我々も他部署に気軽に相談しに行けますし、一緒にクライアントとミーティングをして課題解決に取り組むこともあります。自分自身にあまり知識のない分野でも、SMSの社内を探せば何かしらが見つかることが多いですね。
さらに、ここ数年はグループシナジーもさらに強まり、ソニーグループが開発中の最新技術を使って企画、プロデュースを実行する例も増えてきました。これもソニーミュージックグループの特徴だと思います。
自分たちが作った空間を見たり触れたりした人たちの感情を揺さぶりたい、感動体験を提供したいという思いが、一番のモチベーションです。なので、実際にイベントが開催され、訪れる皆さんの喜んでいる姿を直接目にしたときに、最大のやりがいを感じます。
例えば、ある漫画作品の大規模イベントに携わった際には、原作エピソードの原画展示エリアを作りました。“ここはエモいシーンをいっぱい並べたい!”という狙いがあったのですが、実際、当日にファンの方が泣いたり笑ったりしている姿を見て、私自身もとても感動しましたし、答え合わせができた気持ちでしたね。
ファンの皆さんに喜んでもらえることが、SMSの評価、業務領域の評価につながりますし、よりクオリティの高いものを提供したい! という向上心につながります。
また、外資系コンサルティング企業がプロデュースする次世代ビジネスマン向けのオフィス施設を手がけたことも印象的でした。我々が担当したエリアは、利用者向けのユーティリティスペース、イベントスペースの企画、設計、施工でした。
クライアントも一般的なオフィスにはない斬新さを求めていたので、階段状の座席スペースの床に人工芝を貼り、円形ステージを映像ビジョンにして池や湖のように感じさせるエンタテインメント性を盛りこみました。予算規模の大きなプロジェクトに約3年間しっかり向き合って、クライアントにも喜んでいただけるクオリティのものをご提供できたことは、大きな喜びがありました。
イベントで扱っている作品やコンテンツは、自主的に勉強することは心がけています。グループ内や社内からの依頼は、7~8割がエンタテインメントにまつわる案件なので、より良い企画の提案をするために、まずは自分がそのコンテンツを知っておくことが必要です。
さまざまな案件に携わることでマンガやアニメ、音楽だけでなく、例えばVTuberのライブイベントなど、新しいエンタテインメントの分野についての技術的な知見やノウハウも増えていきます。
それを蓄積することで、より幅広いプロジェクトにも反映できますし、引き出しが多いほど応用もできます。またそれが、自分には馴染みのなかったクリエイティブな分野に触れられる面白さや、新たなエンタテインメントの発見にもつながっていますね。
中心となる世代は30代前半から40代で、50代のベテランもいる職場です。近年は新卒で入ってくるスタッフも増えましたが、もともと専門性が高い仕事なので、ほかでキャリアを積んだ転職組が多いですね。
新しい風を吹かせてほしいので、ぜひ新卒社員の皆さんに入ってきてほしいですし、ソニーミュージックグループで設計、施工をやっているセクションがあるという認知がまだまだ広がっていないので、ぜひこういう機会に知ってもらえたらなと思います。
私自身は現在、一般的に空間プロデューサー、と呼ばれるポジションでもあり、数人のスタッフで編成された自分のチームのマネジメント業務も行なっています。
今後のキャリアプランとしては、現場のクリエイティブも引き続き行ないつつ、管理者の役割も目指していきたいと思います。クリエイティブな感性を持ち続けながら、後輩や若手の人たちが現場で抱えている悩みや相談にも適切なアドバイスができるよう努めていきたいです。
文・取材:阿部美香
撮影:干川 修
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