海外ライセンス(アニメ・ゲーム):アニメ作品を海外で上映、配信、商品化しワールドワイドでのヒットを目指す仕事
2025.12.11


音楽、アニメ、ゲーム、キャラクター、イベントなど、人に感動を提供するエンタテインメントにはさまざまなジャンルがあり、そのジャンルの数だけ多種多様な職種が存在する。
連載企画「エンタメ業界のお仕事紹介」では、ソニーミュージックグループで働くスタッフの生の声から、エンタメ業界に存在する職種と業務内容、そして、その仕事にどんな“やりがい”や“魅力”があるのかを紐解いていく。
今回は、ソニー・ミュージックレーベルズ(以下、SML)でアーティストや楽曲のデジタルプロモーションに携わる、音楽宣伝担当者に話を聞いた。
目次

KANOA
音楽宣伝(デジタルプロモーション)
キャリア:4年目
音楽企画制作/経理・財務/アニメ・ゲーム宣伝/音楽営業(マーケティング)/マーチャンダイジング/音楽宣伝/グローバルマーケティング(音楽)/アニメ企画制作/人事/プログラマー/著作権・契約・法務/ゲーム企画制作/キャラクタービジネス/マネージャー/パッケージ制作進行/ファンクラブ運営/デジタルコーディネーター/クリエイティブ(クリエイティブ/アートディレクション・制作プロデュース)/グローバルマーケティング(アニメ・ゲーム)/エンタプライズITシステム/音楽営業(セールス・マーケティング)/イベント・展示会運営/クリエイティブ(空間設計/企画)
 
音楽営業(セールス)/音楽営業(マーケティング)/海外ライセンス(アニメ・ゲーム)/国内ライセンス(アニメ)/スタジオエンジニア
常に自分の身近にあった音楽をはじめとするエンタテインメントに携わりたいと思い、ソニーミュージックグループを志望しました。
幼いころから音楽を演奏したり、絵を描いたり、演劇を観たりとエンタテインメント全般が好きで、学生時代は合唱やアカペラ、吹奏楽などのクラブ活動に参加して、常に表現することが身近にありました。
ただ高校生になると、自分が表に立つよりも裏方の仕事に魅力を感じるようになったんです。文化祭実行委員として“来てくれた人をどう楽しませるか”“どんな装飾や企画にすれば盛り上がるか”と考えるのが、とても楽しくて。その経験が今でも印象に残っています。
また、大学生のときはカフェでアルバイトをしていたのですが、黒板に絵を描いて商品の魅力をどう伝えるかを考えたり、季節ごとの商品をどう並べればお客さんに手に取ってもらえるかを試行錯誤したりするのも楽しくて。そのころから“マーケティング”というものに興味を持ち始めました。
サークルではジャズのビッグバンドに所属し、演奏の腕前は高くないものの(笑)、イベントでMCを担当したり、サークルの活動をどうやって発信していくかを考えたりすることに大きなやりがいを感じました。これらの活動が“裏方としてエンタテインメントを支える仕事をしたい”と思うきっかけになりました。
音楽宣伝の仕事は大きく、メディアプロモーションとデジタルプロモーションに分けられますが、私はデジタルプロモーションを担当しています。簡単に言うと、楽曲をストリーミングサービスでヒットさせること、そしてアーティストのファンを増やすことを目的に、SNSやデジタル上のツールを通してプロモーションを行なう仕事です。
例えば、アーティストがアルバムをリリースするときには、その情報をどう世の中に伝えていくかを考えます。どのSNSで、どんな情報を詰め込んだテキストや動画を出すのが効果的か、どんな投稿をすれば皆さんが聴きたいと思ってくださるか。アーティストに寄り添って音楽の企画制作を行なうA&Rと一緒に、プロモーション施策を練っています。
具体的には、アルバム全曲を少しずつ聴けるティザートレーラーを制作したり、ライブ配信でアーティスト自身にCDを開封して紹介してもらったり。逆に、アーティスト本人から少し離れ、TikTokでダンス動画がバズるよう仕かけたり、VlogのBGMとして楽曲が自然に広まるようにインフルエンサーとコラボレーションしたりすることもあります。
また、最近では、ファン層のデータ分析も非常に重要になっていて。データ解析を行なうアナリティクス部と連携して、どんな層に支持されているのか、どのアーティストとファン層が重なっているのかを分析し、ターゲット層や打ち出し方を決めるといったブランディング戦略を作成するのも私たちの仕事です。
アイデアが即座に反応として返ってくる感覚は、デジタルプロモーションならではのやりがいですね。デジタルプロモーションは、アイデアを出してからかたちにして世に出すまでのスピード感が重要です。SNSのトレンドは移り変わりが早く、流行がわずか1週間で終わることも。だからこそ、アイデアを素早く、しかもクオリティ高くかたちにして、成果を出せたときは達成感も大きいですね。
SNSはユーザーの反応がリアルタイムで届くので、自分が仕かけた発信がトレンド入りしたり、想定以上の反応をもらえたりすると本当にうれしいです。しかも、SNSは世界中に届くため、思わぬところでバズることもあり、それも喜びにつながっています。
また、この仕事に対するスピード感や発想の柔軟さは、年次に関係ないところも魅力です。ユーザーに一番近い感覚を持っている人ほど重宝される仕事なので、入社直後から裁量を持って挑戦できる機会が多いのも、この仕事の面白さですね。
人と人とのつながりで成り立つ仕事なので、日々のコミュニケーションのなかで相手を思いやることを意識しています。特にコミュニケーションを取ることが多いA&Rのスタッフはアーティストに帯同していることも多いため、例えば、テレビ収録中の時間だとわかっているのに電話をしてしまうと余計な気を遣わせてしまうかもしれません。
なので、そういうときは収録前の時間帯にメッセージを送ったり、急ぎで確認を取らなければいけない案件なら、電話ではなくチャットで連絡したりと、ささやかですが配慮をするようにしていて。そういうことの積み重ねが信頼関係につながると考えています。
また、プロモーションを考えていくうえでも、アーティストが持つ想いや熱量を、いかに人の手でリレーしていくかがとても大事。音楽は人が人に届けるものだからこそ、アナログなつながりや温度感を大事にしています。
正解がない問題を考えるのが得意な人だと思います。この仕事にはマニュアルがなく、アーティストによってプロモーションの手法も異なります。だからこそ、自分なりに“こうではないか”と仮説を立て、目の前の課題に取り組める人が向いているのではないかと思います。
仮説を立てるうえでは、情報収集も欠かせません。SNSを日常的にチェックするのはもちろん、ほかの業界のプロモーション事例をチェックすることも大事です。私も、広告やPRの事例を見ながら“なぜこれが流行ったんだろう?”“どうしてこの打ち出し方が成功したんだろう?”と日々考えるようにしています。
SML内にデジタルプロモーション部ができたのは、私が入社したのと同じ4年前。スタッフも8割以上が20代で、とにかくエネルギッシュなチームです。スタッフ間の年齢が近い分、コミュニケーションも取りやすいですし、部署内の風通しも良く、和気あいあいとした雰囲気で働いています。
また、新しいアイデアをどんどん出していかなければいけない部署なので、チーム内でのブレストも活発です。個々が担当している案件に行き詰まったときはみんなで集まり、全員で曲を聴いたり、関連情報を見たりしながら、“こういうことができるんじゃない?”“このアーティストではこういう施策をやっていたよ”とアイデアを出し合っています。
自分ひとりで出せるアイデアには限界がありますが、チームのメンバーで話していると、思いもよらない発想が生まれる瞬間があります。自由でオープンな雰囲気が、この部署の魅力ですね。
入社前は、ソニーミュージックには音楽にめちゃくちゃ詳しい人しかいないのではないかと思っていました。私ももちろん音楽は好きでしたが、“○○年代の音楽が特に好き”とか“毎週ライブハウスに通っています”といったように、いわゆる音楽マニアのレベルで話せる知識はなかったんです。
ですが入社してみると、確かに音楽好きは多いものの、決してそれだけではないことに気づきました。私はどちらかというと広く浅く楽しみたいタイプなのですが、熱量の輪の外側にいるからこそ見えてくる視点もあります。“どうしたら、まだファンではない人にこの音楽を届けられるか”という目線でプロモーションを考えられるのは自分の強みだと気づいてからは、自信を持って働けるようになりました。
デジタルプロモーションは幅広い部署と関わる仕事なので、キャリアの選択肢は多岐に渡ります。A&Rの道に進んだ先輩も多いですし、データ分析を極めたいとアナリティクス部門に異動した先輩もいます。ソニーミュージックグループはエンタメ領域において多岐に渡る事業を手がけているので、音楽に限らずあらゆるエンタテインメントのデジタルプロモーションを手がけられるプロフェッショナルになりたいです。
今の仕事が大好きなので、デジタルの領域を軸に、SNSだけにとどまらず、オフラインのイベント企画や番組制作など、プロモーションの幅をどんどん広げていけるように頑張りたいですね。
文・取材:野本由起
撮影:干川 修
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